FXのトレンド転換のパターンを考察してみると見えてくるモノは?

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トレンド転換のパターン

FXのチャート分析において「トレンド転換」を見極めることは重要なテーマの1つですよね。

FXのチャートは二度と同じチャートの形にならない程、複雑な形をしていますが、その理由の1つが「様々なトレンド転換のチャートの形」が存在するということです。

全く同じチャートの形は無いにしろ、ある程度パターンで分類することは出来るので、今回はトレンド転換のチャートの形を4種類に分類して考察してみます。

①「ダブル系」

まず最初のトレンド転換のパターンは「ダブル系」です。

 

これは、「ダブルトップ」「ダブルボトム」のことですね。

トレンド転換1

サポートに到達してトレンド転換する時に、1度トレンド転換に対抗する「戻り売り」勢力が入ってくることで、「ダブルボトム」の形になり、急所のネックラインが形成されます。

そのネックラインを上抜けることで、トレンド転換が決定的になるというパターンですね。

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②「ヘッドアンドショルダー」「三尊」

次が、「ヘッドアンドショルダー」「三尊」などと呼ばれるトレンド転換のパターンです。

これも有名なチャートパターンですね。

トレンド転換2

サポートやサポートゾーンに到達してトレンド転換する時に、2度トレンド転換に対抗する「戻り売り勢力」が入ってくることで、ヘッドアンドショルダーの形になり、急所であるネックラインが形成されます。

そのネックラインを上抜けることで、トレンド転換が決定的になるというパターンです。

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③「レンジ」

3つ目のトレンド転換のパターンは「レンジ」ですね。

厳密に言うと、レンジを形成した後にトレンド転換方向に抜けていく展開ですね。

トレンド転換3

サポートに到達してトレンド転換する時に、複数回(3回以上)トレンド転換に対抗する「戻り売り勢力」が入ってくることで、レンジの形になり、急所であるネックライン(レンジの上限)が形成されます。

ネックライン(レンジの上限)を上抜けていくことで、トレンド転換が決定的になるパターンですね。

もちろん、トレンド転換に対抗する戻り売り勢力が入ってくる回数は、4回だったり、5回だったりと持ち合いの長さによって変わってきます。

 

④「V字」

最後のトレンド転換のパターンは「V字」です。

 

トレンド転換4

サポートに到達してトレンド転換する時に、今までのパターンとは違いトレンド転換に対抗する「戻り売り勢力」がほとんど発生せずに一気にトレンド転換していくパターンですね。

ですが、下位レベルに落として見たりすると、ダブル系だったりします。

トレンド転換5

ですが、緑色レベルでは「戻り売り勢力」がほとんど入ってきているように見えないというのが「V字」のパターンですね。

トレンド転換のパターンから考察

そもそもトレンド転換とは何なのか?について考えてみます。

トレンドとは注文の偏りの傾向ですよね。

例えば、買い注文よりも売り注文の方が人気があるから、価格は下がるわけです。

その傾向が続く限り、「下降トレンド」が継続します。

そして、下降トレンドが「サポート」に到達した時に「攻防」が発生します。

どのような構図の攻防かというと、

下降トレンド継続派(売り注文) VS トレンド転換派(買い注文)

のような構図なわけです。

「サポートに到達したけれど、まだまだ下降トレンドは継続していく」と考える相場参加者のグループが存在すれば、「サポートに到達したので、ここで下降トレンドは終了して、ここから上昇トレンドが発生する」と考える相場参加者のグループも存在するわけです。

厳密には、もっと細かく分かれるのですが、大雑把には「買い方」と「売り方」に分れるようなイメージですね。

そして、この例(下降トレンド)の場合は「買い方」の勢力が攻防に勝つことで、「トレンド転換」していくわけです。

この攻防の時のそれぞれの勢力のパワーバランスによって、様々なチャートの形になるのですが、それを大まかに分類したのが上で紹介した4種類のトレンド転換のパターンなんですね。

上で紹介した4種類のパターンを攻防のパワーバランスという観点で見てみると、粘り強く「戻り売り勢力」が入ってきたパターンの方が、より拮抗していたと言えますよね。

トレンド転換6

FXチャートの形は複雑なので、FXの勉強を始めたばかりで、チャートパターンなどの知識が入ってきたくらいのタイミングだと、より複雑に見てしまったりします。

ですが、よりシンプルにチャートを捉えることで、チャート分析がしやすくなったりします。

トレンド(波)がチャートポイント(波止場)に到達したことによって攻防が発生した時のパワーバランスによって、トレンド転換のチャートの形が変わるということ。

「ダブル系」や「ヘッドアンドショルダー」というのは、抵抗勢力が1度や2度入って転換することが多く、よく目にするので「名前」がついただけなんですね。

トレンド転換の場面で注視したいのは、トレンド継続派とトレンド転換派の攻防を観測して、今どこに互いの勢力の急所が存在しているのか?

そして、攻防が進むにつれて、どこに急所が移動していくのか?

というポイントです。

なので、上で紹介した4種類のパターンのうち、「V字」はネックラインが存在しないので、トレードの場面では使いづらいパターンなんですね。

厳密には、下位レベルでネックラインが発生しているかもしれないですが、対象としている波レベルの転換を確定させるものでないことが多いですよね。

なので、「ダブル系」「H&S」「レンジ」のように、攻防の決着がついたと判断しやすいネックラインが出来上がるトレンド転換のパターンの方がトレードの場面ではトレードしやすい形と言えます。

そして、上で紹介したようなキレイなパターンでない時ももちろんありますが、考え方の本質は同じです。

ダウ理論の基本原則の1つである「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」の部分ですね。

いわゆるチャートパターンという形にならなくても、互いの勢力側それぞれの立場からチャートを見ることで、トレンド転換の攻防を分析することがポイントです。

まとめ

今回は、FXチャートにおける「トレンド転換」のパターンについて考察しています。

「ダブル系」「H&S」「レンジ」「V字」など、様々なパターンでトレンド転換をしていきますが、結局は「トレンド継続派」と「トレンド転換派」に攻防の跡ということ。

その攻防の時のそれぞれの勢力のパワーバランスによって、チャートの形が変わります。

トレンド転換派が圧倒的に強ければ、「V字」のような展開になりますし、パワーバランスが拮抗すれば「レンジ」のような展開になるということですね。

1度や2度の抵抗勢力の波が入った後に転換するパターンをよく見かけるので「ダブルトップ・ダブルボトム」「ヘッドアンドショルダー(H&S)」といったチャートパターンとして名前がついたわけです。

もちろん、チャートパターンのように綺麗な形にならないことも多々ありますが、本質的な部分を理解していれば、注目するべきポイントは同じです。

今どこに互いの勢力の急所が存在しているのか?

そして、攻防が進むにつれて、どこに急所が移動していくのか?

ダウ理論の基本原則の1つである「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」の部分がやはり重要だったりします。

トレードプランの場面でも、環境認識の場面でも、トレンド転換が起きそうな場面では、それぞれの勢力側の視点に立って、チャートを観測すると「急所」が見えてきたりします。

これをラプラスFXでは「逆目線」と呼んでいますが、チャート分析をする上で欠かせない要素なので、今まで抜けていたという方はぜひ取り入れてみてください。

FX用語解説「逆目線」
ラプラスFXの用語解説。「逆目線」について説明。精度の高いチャート分析をする為には、自分とは逆の立場にいる人達の心理を想像することが、とても重要なんです。
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