「N字」とは
FXのトレード手法(狭義)で「N字」の押し目買いというものがあります。(※戻り売りも同様)
この「N字」という言葉も正確な定義はないので、トレーダーによって指している内容が違ったりします。
一般的には波の波動の形のことを指しますが、とりわけ押し目買いの場面で使われる時に下の画像のようなエントリータイミングを指して使われることがあります。
上昇トレンドの場合、「押し」を生んだ高値をトレンドが継続することで上抜いた後、再度押しが入った時にレジサポ転換してサポートとして機能して、そこから再度押し目買いが集まって上昇トレンドが継続していくような展開。
このようなレジサポ転換からの再上昇の展開を狙って押し目買いで買いエントリーしていくのが「N字」のエントリーと呼ばれたりします。(※戻り売りも同様です)
押し目買いの手法を解説したりする時に分かりやすいので、この「N字」のエントリー方法が教科書通りというように紹介されることもありますが、常にこのN字の展開を想像していればよいのかというと少し違います。
この「N字」の展開がより期待される時と、あまり期待されない時がやはりあるんですね。
「N字」の展開になるかどうか?
さて、「N字」の展開になりやすいかどうかを考えるにあたって、着目したい点が2つあります。
1つは、レジサポ転換を期待する「水平線の注目度」です。
やはり、上の画像のように複数回叩いている水平線だったり、トレンド転換の急所となる高値・安値だったり、注目度の高い水平線の方が注文が集まりやすいので、N字の展開でレジサポ転換して機能しやすくなります。
もう1つのポイントは「押し(戻り)の深さ」です。
基本的にトレンドが強い時は、押しが浅くなり、あまりトレンドが強くない時は押しが深くなります。
その押しの深さとN字の展開を期待する水平線の位置が合っているかどうかということですね。
トレンドに勢いがある時は押しが浅い所からでも、押し目買いの注文が集まりますので、FIBO38.2%くらいの押しでもレジサポ転換が機能して、N字の展開で再上昇していく流れは十分ありえます。
もちろん、しっかり深くまで調整が進んだところに水平線がくれば、押し目買いの注文は集まりやすいので、やはりN字の展開になりやすいですね。
また、調整が深くまで進んだケースの場合は、そもそも「N字」の形が認識されづらいので、これは波レベルの取り方が違うのかなという感じですね。
さて、以上の2点のポイントを両方抑えた形がN字の展開が期待できる場面と言えます。
多くの相場参加者が「調整完了」と考える深さまで調整が進み、そこに何度も叩いた実績のある注目度の高い水平線があれば、それは押し目買いの注文が集まりやすいはずですよね。
逆に、多くの相場参加者がまだ「調整不足」と考える深さであり、そこに注目度が高いわけではないただのサポートがあるだけでは、はたして押し目買いの注文が集まって、N字の展開になっていくのか?と押し目買い目線からすると不安になってしまいますよね。
このように、なんでもかんでも「N字」の展開をイメージして押し目買いというのは、効率的な考え方ではないということですね。
まとめ
FXの押し目買いに「N字」のエントリーという考え方がありますが、「N字」の展開になりやすい場面、なりづらい場面の考え方についてでした。
ポイントは2つ。
「水平線の注目度」と「押し(戻り)の深さ」ですね。
この2つのポイントを満たしている場合は十分「N字」の展開がイメージされると思います。
もちろん、環境認識においてそもそも「押し目買い(戻り売り)」が成功しやすい局面なのかどうかが重要ですが、、、
ちなみに「N字」という言葉は、今回のように押し目買いのエントリータイミングの形として使う人もいれば、ただ「N字の波形」という意味で使う人もいます。
FXチャートは大小さまざまなN字で構成されている
という感じですね。
押し目買い・戻り売りで「N字」の展開がイメージ出来る場面は多いので、デモトレなどでどのような時にN字の展開でトレンドが継続しやすいのかを確認しておくと良いでしょう。
さて、前にも他の記事で書きましたが、「名前」は他人と考えを共有する目的か、自分の頭の中を整理する目的で使われます。
なので、FXにおいて「N字」という言葉が差す概念は何が正しいのかという論争はまったくもって無意味です。
その時々で違うと言えますから、自分の中でしっかり区別・認識出来ていればよいわけですね。
また、厳密には「N字」を同じ概念として認識していても、実際のFXチャートで「N字」と認識する形が違ったりもします。
この認識の仕方についても、どれが正しいとか間違っているというわけではなく、どれを自分で「N字」と認識するかという違いに過ぎません。
やはりデモトレなどでたくさんチャートを見ることで、自然と自分の「N字」の認識の仕方が確立されているものだと思います。
誰かが正解を規定しているわけではないので、トレード成績が安定しれていればその認識の仕方・考え方で良いというわけですね。