「はらみ足(インサイドバー)」とは
ラプラスFXでは「ローソク足」をテクニカル分析のメインに据えることをおすすめしていますが、そのローソク足の分析方法の1つとして、ローソク足の並び方をセットで捉える方法があります。
その中でも有名なものの1つに「はらみ足(インサイドバー)」があります。
ローソク足の形で見るとこんな感じです。
このような並びになっているローソク足のことを「はらみ足」、欧米では「インサイドバー」と呼んでいます。
はらみ足(インサイドバー)の条件としては、
② 1本目のローソク足の実体の幅に2本目のローソク足の実体が収まっている
1本目のローソク足の幅の中に2本目の小さいローソク足が収まっている感じです。
その様子がお母さんが子供を孕んでいる様子に例えて「はらみ足」と呼んでいるんですね。
欧米では「バーチャート」を使用している人が多いので、2本目の四本値が1本目の内側(インサイド)に収まっているものが「インサイドバー」と呼ばれています。
さて、「はらみ足(インサイドバー)」がどんなローソク足の並びなのかは理解できたかと思いますが、それがいったい何を意味するのか?
一般的に天井圏・大底圏で発生すると「反転」のサインと言われています。
ただし、ラプラスFX的には、「はらみ足」が完成しただけで「反転」のサインとするには「時期尚早」としています。
その理由を説明する為にも、「はらみ足(インサイドバー)」の本質について見てみましょう。
「はらみ足(インサイドバー)」の本質
FXチャートの天井圏・大底圏で発生した「はらみ足(インサイドバー)」は一般的には「反転」のサインとされていますが、本当にそうなのでしょうか?
「はらみ足(インサイドバー)」の中身を下位時間軸に落として詳細を見てみましょう。
天井圏で発生した「はらみ足(インサイドバー)」です。
このはらみ足について、下位時間軸で確認します。
下位時間軸で見てみると、上昇トレンドがレジスタンスに到達して勢いが弱まって「高値が切り下がっている」のが分かりますね。
しかし、同時に「安値が切りあがっている」状態でもあるんです。
確かに、上昇トレンドの勢いが止まっているように見えるのですが、実は「はらみ足(インサイドバー)」の本質は「持ち合い」なんですね。
なので、天井圏で「はらみ足(インサイドバー)」が形成されただけで、「反転」のサインとするには、少し時期尚早なのかなと。
上昇トレンドが天井圏に到達したことで、「トレンド→持ち合い→反転」のシナリオは十分に考えられます。
ですが、「トレンド→持ち合い→トレンド継続」のシナリオもありえますよね。
その場合は、対象のトレンドにとって「天井圏」という判断が間違っていたことになりますが、少なくとも「レジスタンス + はらみ足」を「反転のサイン」とするには早いということですね。
もちろん、下降トレンドの場合の「サポート + はらみ足」も同様です。
ならば、何が足りないのか?
それは「はらみ足(持ち合い)」をブレイクしたという「確認」ですね。
もう一度、下位時間軸を見てます。
①サポートは「はらみ足(インサイドバー)」の小さい足の下限です。
下位時間軸の緑色レベルの波において、横の展開が伸びてから①サポートを抜けたので、「反転」のサインと判断するのは、このタイミングで良さそうに見えますね。
ですが、もう少し大きな波レベルで認識しているトレーダーからすると、下の画像のような感じです。
もう少し大きな波レベルで見ると、レジスタンスに到達後に押しが入った後に、一度本命の押し目買い勢力が入って出来た「押し安値候補」があるんですね。
それが、はらみ足の大きなローソク足の方の下限である②サポートです。
今回は、①サポートのところで横の展開が続いてエンルギーを溜めた後に下抜けてきたので、ここで「反転」と判断するのもありと言えばありですが、展開によっては、まだ押し目買い勢力は諦めていないとも言えます。
上の画像の青点線のように、再度押し目買いが入って、上昇トレンド継続というシナリオが残っています。
なので、はらみ足の大きなローソク足の方の下限である②サポート
を下抜けた時点で「反転」と判断する方がより「材料」が集まった状態での判断と言えますね。
なので、「はらみ足(インサイドバー)」を「反転」のサインとして使う時は、基本的には「はらみ足」の大きな足の方の高値・安値のブレイクで判断します。
ここでポイントなのは、「はらみ足」を確認した時間軸での見え方です。
もう一度、「はらみ足」を確認した時間軸に戻って見てみます。
この時間軸で見ると「はらみ足」が形成された次のローソク足では「下ヒゲ」で確定しているので、この時間軸レベルではブレイクしたとは言えないですよね。
その次の足で陰線の終値がはらみ足の外で確定したので、この時点ではらみ足をブレイクしたと判断出来そうです。
もちろん、この辺の要素は「材料」をどれだけ集めてから判断をするか?という部分なので、その時の他の要素との兼ね合いでもあります。
マルチタイムフレーム分析もして「材料」が少ないけれど、早目の判断でエントリーするという場合ももちろんあり得ますね。
上の画像のように、レジスタンスからの展開を「反転」と判断するタイミングと「材料」は反比例していきます。
当たり前ですが、早目に判断すればする程、有利なポジションから売っていくことが出来ますが、「材料」が少ないので「反転」しない可能性も高まります。
「材料」を多く集めてから、慎重に判断をすれば「反転」する可能性は高まりますが、下降波が進行しているので、早目に判断した時とくらべて有利な位置からは売れません。
これはFXのトレード全てについてまわる要素ですね。
例えば、レジスタンスの強さに自信があり、レジスタンスからの反転下降の展開に自信があるのであれば、少ない材料を確認した時点で早目に判断していくという応用があるということですね。
「はらみ足(インサイドバー)」の基本としては、はらみ足を確認した時間軸レベルではらみ足のブレイクを確認した時に初めて「反転」と判断出来るのであって、はらみ足が形成されただけで「反転」として捉えるのは時期尚早だと覚えておきましょう。
まとめ
FXチャートの最強のテクニカル分析ツールである「ローソク足」を「並び」で見る分析方法。
「はらみ足(インサイドバー)」と呼ばれるローソク足の並びを「反転のサイン」とするトレーダーもいますが、はらみ足の本質は「持ち合い」です。
なので、基本的には「はらみ足(インサイドバー)」をブレイクした時点で「反転」と判断するのがおすすめです。
もちろん、状況によっては下位時間軸にもぐって少ない材料を確認して早目に判断するという応用もありですが、「はらみ足(インサイドバー)」を確認した時間軸レベルの注文も味方につけたいのであれば、ブレイクを確認しましょう。
日足・週足なんかで「はらみ足→ブレイク」という展開を確認した時には、そこが天井圏・大底圏であれば反転して値が動き出すことが多いです。
下位時間軸でトレードをする場合も、上位時間軸のローソク足の並びにも注意を払っておくと、環境認識の精度が高まるかと思います。