「ドテン」の展開をFXチャートで確認
前に「ドテン」の展開を考える考えないについての記事を書きました。

今回は、実際のFXチャートを使ってもう少し見てみようと思います。
上の画像は、サポートとレンジスタンスで囲まれたエリアが「レンジ」の持ち合いになっている場面ですね。
レンジになっているので、このエリアでの方向感としては、レンジ内ではレンジ上限のレジスタンスからは下落するイメージ、レンジ下限のサポートからは上昇していくイメージが素直ですね。
上の画像の水色〇印のタイミングでは「レンジ」の絵は明らかになっていますので、やはりサポートから価格は上昇していくイメージを持つと思います。
このサポートから価格が上昇していくと予測するだけの「根拠」があるからですね。
ですが、実際にはこのサポートで上昇反発は再度したものの、レンジの上限を目指すような大きな上昇勢力にはならずに、下抜けてしまう展開でした。
レンジが続くのであれば、サポートから価格が上昇していく流れになるはずなので、それをイメージしてサポートで買いエントリーをしているとします。
ですが、レンジの下限であるサポートを下抜けてしまいました。
このことによって、レンジブレイクにより価格がここから下落していく「根拠」が発生しましたので、売ることが出来ます。
買いポジションを決済して、そのまま売りポジションを持てば、これが「ドテン売り」ですね。
買いポジションを持った時にも、価格が上昇していく「根拠」があり、ドテン売りをした時にも価格が下落していく「根拠」がありますので、わりかし「ドテン」の展開を考えることが出来る場面だったと言えます。
さて、別の場面も見てみます。
上の画像の緑色レベルで上昇トレンドが形成されている中、緑色レベルの上昇トレンドの継続を期待して、押し目買いをした場面ですね。
水色点線のようなイメージを期待していましたが、実際には伸びずに下落してきてしまいます。
緑色レベルの上昇トレンドの継続をトレードの根拠としたトレードだったので、緑色レベルのダウ安値を下抜けてしまった時点で当初の根拠が崩れてしまったので、ここで損確ですね。
さて、先程の場面と同じようにサポート下抜けを機に「ドテン売り」を考えられる場面でしょうか?
どのような上位環境なのかを見てみます。
緑色レベルに対して1つ上位のピンク色レベルではちょうど、ダウ安値を上抜けた場面だったことが分かります。
つまり、ピンク色レベルではダウ理論ベースでは「上昇トレンド(?)」の状況です。
さらに上位である青色レベルでは「上昇トレンド」の状況です。
とすると、先程のピンク色レベルの「上昇トレンド(?)」も「上昇トレンド」と見立てるのが素直ですよね。
であれば、ピンク色レベルでトレンド転換を達成したエリオット波動でいうところの「エリオット第1波」が確定した場面が前出の押し目買い(緑色レベル)トレードをした場面だったわけですね。
このエリオット第1波がもっと伸びていくような流れであれば、前出のトレードも利益を出せたかもしれませんが、売り圧力が加わって「エリオット第2波」が発生する展開でした。
ですが、この下降波が「エリオット第2波」だとすると、「下降調整波」という見立てであり、このままぐいぐい下落していくイメージというよりも、いつ押し目買いが入ってきて、本命の「エリオット第3波(上昇推進波)」が発生するのか?という場面だったということですね。
実際でも、少し下落した後にサポートから押し目買い勢力が入ってきて、ダブルボトムの展開から上昇推進波が発生していく展開でした。
なので、今回の場面でいえば、緑色レベルの押し目買いトレードは失敗に終わりましたが、そこでドテンの展開を考えるより、もう1つ大きなピンク色の押し目買いの展開を考えた方が期待値の高いトレードが出来そうですよね。
つまり、ドテンの展開を考えずに「買い目線」のままで見た方が良い場面だったと言えます。
まとめ
「ドテン」の展開を考えるか考えないかについて、実際のFXチャートを使ってみてみました。
1つ目の場面と2つ目の場面の違いは、「ドテン」を考えるだけの「材料」が揃っているかどうか?ですね。
1つ目の場面は損確のタイミングが「大きなレンジを下抜けた」という「売り」の大きな材料が発生するタイミングなので、波レベルにもよりますが「ドテン」の展開を考えても良さそうな場面です。
2つ目の場面は損確のタイミングが「下降調整波(2波)」の発生という「売り」の材料が発生するタイミングですが、いつ本命の「上昇推進波(3波)」が発生するかという場面なので、ドテンの展開を考えるよりも素直に「上昇推進波(3波)」を狙う意識の方が良さそうな場面です。
まあ、実際にはどの波レベルで考えるか、上位環境の評価の仕方次第だったりしますので、トレーダーによって考え方が違うと思います。
1つ目の場面も、上位環境次第でレンジの下限ブレイクに「ダマシ」になるリスクを考えてドテンを考えないトレーダーも居ると思います。
2つ目の場面も、トレーダーによっては押し目買いが入ってくるまでの次のサポートまでの超短期的な下落を狙ってドテン売りが出来ると考える人もいると思います。
結局は、自分がポジションを持つだけの「材料」が揃っているかどうかなんですね。
なので、そもそも「ドテン」の展開になるということは、そのトレーダーにとって「微妙」な場面であることに違いはありません。
2つ目の場面を、一つ上・二つ上まで上昇トレンド中であり、明らかに「買い環境」という意識で相場を見ていれば、「売り」はまったく選択肢に入ってこないと思います。
そのような場面のみでトレードをするトレーダーにとっては、そもそも「ドテン」という考え自体が無いと思います。
ただし、トレードをするしないという話ではなく、上位のチャート分析でも同じようなことが言えます。
そのチャートポイントを抜けたからといって、目線を変えるかどうかという話ですね。
上記の結論に戻りますが、「ドテン」を考えるだけの「材料」が揃っているかどうか?なんですね。
紹介した2つ目の場面のように、緑色レベルのダウ安値のサポートを下抜けた時、目線を変えるかどうか?
目線というのは、どの時間軸レベルでトレードをするかという前提ありきの話ではありますので、トレーダーによって変わると思います。
超短期的に「ドテン」の展開を考えたとしても、本命の押し目買いが入ってくるサポートまでであり、そのサポートまでの間にも押し目買いが入ってくる可能性を考慮しておく必要があるということですね。
ただ、個人的には「ドテン」の展開の場面というのは判断が微妙なケースが多いので、どちらかの勢力が明らかに優勢だなと思える場面を選択するのがFX初級者にとってはトレード成績を安定させるコツだと思います。