当たり前なことだけど、「買う人」がいなくなるから価格は下がる#2

アイキャッチ画像トレード手法

「買う人がいなくなる」FXチャートで確認 (1)

FXの大きな時間軸の陰線で価格が下降していく局面をさらに細かく見てみると、「買いの材料」と「売りの材料」が段階的に発生して、それらの材料に相場参加者が反応することで、徐々に買う人がいなくなり、結果的に価格が下落しているという展開になるという記事を以前に書きました。

 

当たり前なことだけど、「買う人」がいなくなるから価格は下がる#1
FXの価格は「買い勢力」と「売り勢力」のパワーバランスの結果によって動きます。なので、当たり前なことですが、「買う人」がいなくなれば価格は下がります。逆もまた然り。

大きな目線では「陰線」という価格が下降しているだけに見える局面も、小さな時間軸に落とすと「下降→上昇→下降」というジグザグな動きがあったりします。

このジグザグな動きは様々な形がありますが、本質的には大きな目線で価格が下落していく局面というのは、「買う人がいなくなるから価格が下がる」というメカニズムだという話でしたね。

今回は、この「買う人がいなくなる」という場面を実際のFXチャートで確認してみます。

さっそく、下の画像を見てください。

買う人居なくなる2-1

注目度の高いトレンドライン(サポート)を下降波が下抜けた場面ですね。

このトレンドラインは画面のもっと左側から引けていて、環境的にもここから下降トレンドが発生することが期待される場面です。

さて、トレンドラインを下抜けた下降波がサポートに到達して、ダブルボトムの展開から上昇反発しています。

これは、到達したサポートからの上昇反発を期待して「買い勢力」を中心とした上昇波ですね。

サポートに到達したことで、「買う人」が現れたわけです。

ですが、この上昇調整波がレジスタンスに到達するとしっかりと戻り売りが入ってきて、下降波が発生します。

注目度の高いトレンドライン(サポート)を下抜けた直後のエリアであり、環境的にもここからの下落の展開が期待される場面なので、やはり売り材料には他の相場参加者は乗りやすいわけですね。

この戻り売りによって発生した下降波が上昇調整波の急所であるサポートゾーンに到達すると、上昇調整波を親波とした押し目買いが入ってきて、再度上昇波が発生します。

これも、基本的には到達したサポートからの上昇反発力を背にした買い勢力ですね。

つまり、まだ「買う人」がいるわけですね。

しかし、この上昇波がレジスタンスゾーンに到達すると、やはり戻り売りがしっかり入ってきて下降波が発生します。

そして、この下降波がサポートや急所のサポートゾーンに到達すると、今度は買い圧力がほとんど加わってこずに、陽線や上昇反発が見られません。(上の画像の水色枠のエリア)

つまり、「買う人がいなくなった」ということですね。

もちろん、厳密には買う人が0になったわけではありませんが、少なくともこの時間軸レベルで上昇反発を確認できない程の勢力まで衰退したということ。

そうすると、価格は多数決の原理で動いているので、価格は下がるしかないですよね。

上の画像の水色枠のエリアの中で、タイミングは人それぞれ違うと思いますが、タイミングを計って売りを狙うトレーダーはいると思います。

そんなトレーダーの狙いは「買う人がいなくなった後に下落していく展開を拾う」といった感じですね。

上の画像のピンク〇印の下抜けたサポートがレジサポ転換で機能したのを確認して売りエントリーなんか良さそうですが、下位レベルの「戻り売り」でもありますし、大きな時間軸で見れば「安値抜けのブレイクアウト」でもあります。

どのようにトレードしていくかはトレーダー次第ですが、「買う人がいなくなった」ので価格が下がっていくという市場のメカニズムは意識しておくと良いと思います。

今回のエリアでいえば、そもそも環境的に「売り勢力」が優勢になる局面だったと言えますが、取引時間軸レベルにおいては、レジスタンスからしっかりと2回売り圧力がかっかて下降波が発生したという「材料」によって、最後の水色枠の場面で買う人がいなくなってしまったという感じですね。

「買う人がいなくなる」FXチャートで確認 (2)

さて、今度は「買う人がいなくなる」場面をFXチャート上で少し複合的に捉えて確認してみたいと思います。

下の画像を見てください。

買う人いなくなる2-2

下降波がサポートに到達した場面です。

サポートに到達後、このサポートからの上昇反発を期待した買い勢力による上昇波が発生しています。

「買う人」の発生ですね。

ですが、この後の展開はレジスタンスから戻り売りが何度も入り高値は切り下がっていき、買い勢力側も押し目買いで2度程入ってきていますが、2度サポートを守りきれずに下抜けてしまう展開でした。

上記の展開を経て、再度価格がサポートに下降波として戻ってきています。

もちろん環境次第ではあるのですが、環境的に下落が期待される中でこの展開であれば、再度サポートから「買う人」というのは減ってくると考えられますよね。

買う人いなくなる2-3

実際、再度下降波がこのサポートに到達した後、下位レベルで上昇調整波が発生しますが、2度3度の戻り売りによる下降波発生により、買う人がいなくなり、サポートを下抜ける展開でした。

サポートを下抜けた後、すぐに「ダマシ」の展開を作るような勢力による上昇波が発生しますが、やはり戻り売りから押し目買いが入るも、押し目買いが失敗に終わる流れから買う人がいなくなり、その後は本格的に価格が下降する流れでした。

買う人いなくなる2-4

今回の場面をざっくりと捉えてみると、上の画像のような感じです。

直前の展開をうけて、サポートから買う人がいなくなった大きな水色枠のエリアがあります。

大きな視点だけで見れば、再度下降波がサポートに到達して、大きな上昇反発は起こらず横の展開を作って、その後下に抜けていったという感じですよね。

この大きな水色枠のエリアの中を詳細に確認してみると、下位レベルでも同じように買う人がいなくなったエリアがあって、やはり「フラクタル構造」になっていることが分かりますね。

FX用語解説「フラクタル構造」
ラプラスFXの用語解説。FXチャート分析において超重要な概念である「フラクタル構造」について解説。これを知らずにチャート分析をするのは、「猫の首に鈴を付ける」がごとし。

これは、小さな水色エリアをトレードするようなトレーダーにとってみれば、大きな水色エリアが「上位の環境」なわけですね。

つまり、「上位レベルでは押し目買いが2度失敗に終わって、このサポートからはもう大きな上昇反発は起きずに下抜けていくのでは?」という環境認識の基トレードを考えるエリアだったということですね。

もちろん、この環境認識を判断するのには、さらに上位の環境も確認しないといけません。

なので、FXのチャート分析は基本的に上位や上々位と大きな時間軸を確認しておく必要があるんですね。

まとめ

今回は、「買う人がいなくなって、価格が下がる」というメカニズムについて実際のFXチャートで確認してみましたが、これは逆も同様です。

つまり、「売る人がいなくなって、価格が上がる」ということですね。

大きな時間軸で価格が下がるというのは、「陰線」ということですが、これを分解すれば「下降→上昇→下降→、、、」というジグザグした動きになっています。

なぜジグザグするのかの詳細は別の記事にゆだねるとして、基本的には下降局面であれば、「下降→サポートに到達(買う人が現れる)→その後の展開(売り優勢)→サポートを下抜けていく(買う人がいなくなる)」という流れなんですね。

上で「その後の展開」と買いた部分が毎回様々な形になる場面ではありますが、その展開の中で徐々に「このサポートからの上昇は無いのかなぁ」と諦めていく買い勢力側の人達が増えていくことで、最終的にそのエリアで買う人がいなくなって、価格が次のサポートまで下落していくというメカニズムなんですね。

サポートに到達することで、「サポートからの上昇反発」という「希望」を持った人達が現れて、その後の展開を見て徐々に希望を失い、最後には「絶望」して買う人がいなくなる、、、

買い勢力側の目線から見ると、そんな物語だったりします。

トレードを考えた場合、どのようなタイミングでポジションを入れていくかはトレーダーのスタイルに寄るところですが、チャートを分析する上で上記のような「流れ」を意識すると、自信を持って価格の動きを予測出来る場面が増えると思います。

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