「チャネルライン」とは
FXのテクニカル分析に「チャネルライン」というものがあります。
水平線やトレンドラインよりも若干マイナーなので、知らない人もいるかもしれませんが、トレンドラインの親戚のようなものです。
トレンドラインに対して平行にラインを引いて、トレンドの高値・安値の値幅を予測するテクニカル分析です。
上の画像のように下降トレンドであれば、まずは高値をつないでトレンドラインを引きます。
そのトレンドラインと同じ角度のラインを平行にひくことで、2本のチャネルラインが完成します。
基本的にはこの幅の中を価格が上下しながらトレンドは進んでいくのではないか?という予測をするテクニカル分析です。
実際のFXチャートでも見てみます。
チャネルラインが効いているように見えますね。
さて、チャネルラインはトレンドの値幅を予測するテクニカル分析ですが、そもそもなぜこの2本の間に収まると予測されるのでしょうかを考えてみます。
下の画像を見てください。
上の画像のような場面で、緑色レベルの上昇波の到達目標を予測する時に直前の上昇波がどのくらい伸びたのかという事実は自然と目に入ってきますよね。
直前の上昇波が約100ポイント伸びたのであれば、次もだいたいその付近でイメージするのが自然ですよね。
「N値」という利確に使う計算方法と同じ考え方です。
直前の伸びが約100ポイントなのに、次の伸びがいきなり2000ポイント伸びると考えるのは、この情報からだけだと不自然ですよね。
もちろん、強いチャートポイントを抜けた後なので、勢いよく伸びる場面とか他の要素があれば別ですが、、、
つまり、上の画像のようなチャネルラインを引くことで、その波レベルのそのエリアでの上昇波と下降波の「普通」が見えてくるといった感じなんですね。
「100p上昇→60p下降→110p上昇→65p下降」
こんなリズムで波を刻んでいたら、次に上昇波が発生するとしたら、だいたいの目安を想像しますよね。
そんな目安を基に注文を入れる人達とチャネルラインを使って注文を入れる人達によって、チャネルラインの幅に収まるような値動きになる現象が発生するわけです。
チャネルラインは斜めのライン
チャネルラインはチャートに斜めのラインを引いて使うテクニカル分析です。
なので、やはり引く人によってチャネルラインが変わったりします。
この辺りはトレンドラインと同じ特性ですね。
すべてのテクニカル分析に通じることですが、同じテクニカル分析を同じように用いて同じ価格を意識する人が多くいることで初めてテクニカル分析は機能します。
個人的にはチャネルライン単体のテクニカルの力で価格が動く場面はそんなに多くはないのかなという感覚です。
前出の画像をもう一度見てみます。
このチャネルラインが効いているように見える場面ですが、視点を変えてみるとこうも見えます。
水平線のレジサポ転換との併せ技とも言えますよね。
他にも下位レベルのレジスタンスゾーンや緑色レベルのFIBO50%も重なっています。
さて、下の上昇反発してきた安値のところももう少し広い視野で見てみます。
実は上位の押し目買いが入って形成された押し安値候補があって、そこにあるサポートゾーンとの併せ技とも言えますよね。
チャネルラインの分析での使い方は色々あると思いますが、少なくとも反発を期待してエントリー箇所として使う場合には、水平線などの他の要素も重なっていることが望ましいかなと思います。
利確目標として手堅い利確をしようという意図であれば、単体でも1つの根拠として利確するのはアリだと思います。
まとめ
FXのチャネルラインは、やはりチャート上に斜めのラインを引いて使うテクニカル分析なので、トレンドラインと同じような特性を持っています。
個人的には単体での使用はあまりおすすめせず、ローソク足・水平線の分析に対して補助として使うのが良いかなと。
これはトレンドラインもそうですが、自然と目に入ってくるレベルでない限り、無理やりに斜めのラインを引いても、他の相場参加者も同じように引いていないとテクニカル分析として意味がないので、引きません。
逆に、自然と目に入ってくるレベルで明らかに斜めのラインが効いていると思えるようなラインは無視する方が不自然なので、チャート上に引いておきます。
ですが、基本的には分析の「補助」として使うという目的です。
ベースには「ローソク足・水平線」の分析があって、上記のような「併せ技」のように重なっている時には「材料」として加味するような考え方ですね。
他の記事にも書きましたが、複数のテクニカル分析を使う場合、混乱なく統合的に判断できることが条件です。
複数のテクニカル分析を用いて、それぞれの結果を受けて考えが混乱してしまうようであれば、1つのテクニカル分析に絞ってチャートを観察した方がマシだと言えますよね。
なので、ラプラスFXでは「ローソク(水平線)」の分析をまずは勉強することをおすすめしています。