FX初心者はテクニカル分析をまずは1つに絞った方が良い話

アイキャッチ画像トレード手法

情報は多ければ多い方が良い?

FXの通貨ペアの価格は相場参加者の多数決の原理で動きます。

単純な話で、買い注文の量が売り注文の量より多ければ価格は上昇しますし、売り注文の量が買い注文の量より多ければ価格は下降します。

そして、注文は相場参加者の「意思・心理」です。

つまり、FXチャートは相場参加者の意思・心理によって描かれているわけです。

トレーダーは期待値の高いトレードをする為に、相場参加者の意思・心理をくみ取る為にチャートを分析します。

それが、「テクニカル分析」です。

このテクニカル分析の手法はたくさんあります。

有名なテクニカル分析だと、水平線、トレンドライン、移動平均線、MACD、一目均衡表、ボリンジャーバンド、フィボナッチ系、RSIなど複数あります。

それぞれのテクニカル分析の手法はそれぞれ違うので、それは別の角度から相場参加者の声を聴いているのと同じようなことですね。

我々トレーダーは、いかに多数決の多数側に身をおけるか?というゲームをしているわけです。

FXチャートを通して参考になる情報を得て、その情報を基に多数決ゲームに参加していくのですが、そうであれば参考になる情報は多ければ多い方が良いと思いますよね?

これは正解とも言えますし、不正解とも言えるんですね。

情報が少ないよりも情報が多い方が良いのでは?と思うかもしれませんが、その辺りについて詳しく掘り下げいきます。

テクニカル分析1つ使いこなすのは簡単ではない

1つ1つのテクニカル分析というのは、過去の先人達がどうにかしてチャートから確度の高い情報を引き出せないかと苦心した結果生み出された手法です。

ただし、そのテクニカル分析の手法はどれも単純に「ここで買って、ここで売る」といったシグナル的なものではありません。

例えば、移動平均線の使い方の1つとして「グランビルの法則」の中にある傾きのある移動平均線にタッチして反発するところで押し目買い・戻り売りをするというものがありますが、傾きがあるすべての移動平均線にタッチして反発したところでトレードしていては期待値の高いトレードにはなりませんよね。

そんなことで期待値の高いトレードになるのであれば、おそらく誰も苦労しません。

移動平均線を使ってトレードをしている人は、グランビルの法則を使う場面かどうかを見極めているわけです。

つまり、移動平均線を単純に使うのではなく「使いこなす」必要があるわけです。

これは、移動平均線に限らず、すべてのテクニカル分析の手法に共通していることです。

たった1つのテクニカル分析の手法を使いこなせるようになること自体大変なわけですね。

ですが、FX初心者はこの「努力」を軽視してしまい、「使い方」を知っただけで使えるようになったと思ってしまいます。

そして、色々なテクニカル分析の手法を知って考えるわけです、「有名なテクニカル分析を組み合わせて使えば良いのでは?」

この答えは上にも書いたとおり、正解であり、不正解です。

未成熟なテクニカル分析を複数組み合わせて分析しても、期待値の向上が相乗効果のように現れるわけではありません。

むしろ、不正確な情報がチャート上にあふれるだけで、チャート分析をした気になっただけになってしまう可能性があります。

また、それぞれのテクニカル分析から得られた情報を効率的にまとめて統合的な判断を下せずに、ただ混乱してしまうという可能性もあります。

このようなケースでは「不正解」と言えます。

「正解」と言えるのは、それぞれのテクニカル分析を使いこなしている状態であり、またチャート上に多数発生する情報を混乱することなく処理できるトレーダーであれば、たしかに情報は多い方が有利だと言えます。

ですが、FX初心者にとって重要なことは、トレードの期待値を向上させるという自信が持てる程使いこなせるテクニカル分析をまず1つ身に着けることです。

使いこなせているテクニカル分析があれば、それをベースとすることで、他のテクニカル分析を補助的な「材料」として使うことが可能になります。

1つの手法

例えば、「水平線」というテクニカル分析をベースに十分期待値の高いトレードが出来ると判断出来る場面で、「移動平均線」のグランビルの法則を使った押し目買い勢力も同じタイミングで入ってくるかもしれないというのは、1つのプラスの材料として判断出来ます。

ですが、ベースにあるのは1つの使いこなしたテクニカル分析の基、十分に期待値の高いトレードが出来るという判断です。

拙いテクニカル分析を掛け合わせても、十分に期待値が向上していない可能性があるということです。

なので、まずはテクニカル分析を1つ使いこなせるようになることがFX初心者にとっては目指すべき目標です。

そして、どうせテクニカル分析を1つ選ぶのであれば、最強のテクニカル分析手法である「ローソク足(水平線)」をおすすめしています。

FXで『ローソク足』が最強のテクニカル分析である「3つ」の理由
FXのチャート分析では、最強のテクニカル分析である「ローソク足」を主役に据えることを強くおすすめしています。慣れれば、ローソク足だけ表示させておけば、価格の動きが予測出来るようになります。

まとめ

使いこなせないテクニカル分析をいくつも使って分析するよりも、まずは1つしっかりテクニカル分析を使いこなせるようになった方が良いという話。

FXの勉強を進めていくと、初めて目にするテクニカル分析に出会うとワクワクします。

そのテクニカル分析の使い方を知っただけで、トレードが出来るような気がしてくるんですよね。

そして、このテクニカル分析とこのテクニカル分析を掛け合わせて使ったら、良いトレードが出来るんじゃないか?って思うんですよね。

僕もこの道にハマりました。

「情報」がFXで勝つ為の最も重要なファクターだと思っていた頃です。

大道芸で言ったら、「玉乗り」という芸と、「ジャグリング」という芸があったら、それぞれの芸よりも、玉に乗りながらジャグリングをしてみせた方が大道芸としてのパフォーマンスは高いと言えますよね。

ですが、「玉の上に乗って、玉から落ちないようにバランスを取り続けるだけ」というやり方を知っても、玉乗りが出来るわけではありませんし、ジャグリングも同様です。

なぜか、FXとなると「知っただけで、自分も出来る」と思ってしまうんですよね。

そして、うまくトレード成績がついてこないと、「出来ない」ではなくて、「情報が良くない」と思って、別の情報を探し求めてしまう、、、

「玉乗り」「ジャグリング」の練習を地道にすることを最初から選べる人が少ないんだと思います。

いつかは、玉乗りしながらジャグリングをするような大道芸人を目指すべきだと思いますが、まずは玉乗りかジャグリング、どちらかだけでもしっかりとお客さんに見せれるようなパフォーマンスが出来るように練習することが先決ですよね。

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