FXにおける「スイングトレード」のメリット・デメリットとは

アイキャッチ画像トレード手法

「スイングトレード」とは

FXトレードにおけるトレードスタイルをポジションを保有する時間の長さで区分する考え方がありますね。

厳密に定められた区分ではありませんが、ポジションを保有する長さがとても短く、数分から長くても1時間くらいまでのトレードが「スキャルピング」、1時間以上は保有するけれど、日は跨がずにその日のうちに決済するようなトレードが「デイトレード」、日を跨いで何にも保有するようなトレードが「スイング」という感じですかね。

スイング1

今回、話題にするのが「スイングトレード」です。

つまり、1日以上長期に渡ってポジションを保有するようなトレードについてです。

トレーダーによっては、数日の場合もあれば、長いと数か月保有というケースもあると思います。

取引時間軸に関しては、チャートの見方によって違ってくると思いますが、僕の場合は4時間足以上、場合によっては1時間足を取引時間軸にしたトレードでも日を跨ぐようなトレードになると思います。

この「スイングトレード」のメリットデメリットについて考えてみます。

スイングトレードの「メリット」

まずは、FXのスイングトレードにおける「メリット」について。

メリット①「上位時間軸が少ない」

スイングトレードの一番のメリットはやはりこれですね。「上位時間軸が少ない」ということ。

取引時間軸だけを分析してもなかなか期待値の高いトレードは出来ませんよね。

それは、FXチャートはフラクタル構造になっていて、取引時間軸よりも大きな時間軸のチャートが存在する場合、上位時間軸を取引時間軸にした注文の力が大きく影響してくるからですね。

なので、期待値の高いトレードをする為にはマルチタイムフレーム分析をして、上位時間軸のチャートも分析して統合的に判断する必要があるんです。

取引時間軸が小さい時間軸であればある程、相対的に分析しないといけない上位時間軸の数が増えますよね?

それだけ、複雑なチャート分析が必要になるということです。

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なので、スイングトレード程ポジションを長く保有するトレードの場合は、4時間足や日足などの長期足を取引時間軸にしている場合、考慮しないといけない上位時間軸の数が少なくて済むんですね。

つまり、マルチタイムフレーム分析がしやすいということがスイングトレードをする大きなメリットなんです。

メリット② 「ノイズが小さい」

次のスイングトレードのメリットは「ノイズが小さい」です。

ノイズというのは、本来の相場参加者全体の心理とは違う価格の動きです。

まず、FXの通貨ペアの価格というのは、相場参加者の全体の多数決の結果によって動きます。

この多数決は厳密には「人数」ではなく、「注文の量」なんですね。

例えば、10人が買い注文を出したとしても、その10人の買い注文の総量よりも大きな売り注文を1人が出したとしたら、価格は下がってしまうわけです。

マイノリティーな意見の方が価格の動きに反映されてしまう、これがノイズです。

これは本来、多くの相場参加者がいるメジャーな通貨ペアでは基本的には発生しづらいわけです。

ですが、1分足や5分足くらいの小さな時間軸では、大口の機関投資家やファンドの注文がノイズとして発生してしまう可能性があるということです。

これが、日足などの長期足になってくると、ローソク足は長い時間の間に発生したすべての注文を受けて形成されますので、大口の注文の影響も緩和されて、結果として本来の多数決の姿を比較的に表現しやすくなり、ノイズが発生しづらいということです。

比較的ノイズが入りづらいのは、スイングトレードのメリットです。

メリット③「時間に余裕がある」

次のスイングトレードのメリットは「時間に余裕がある」ということです。

上に書いた通り、スイングトレードの取引時間軸は4時間足だったり、日足だったりと長い時間足になります。

なので、チャート分析をする為にチャートを見る頻度が4時間に1回だったりと少なくて良いわけです。

また、エントリーするか決済するかのトレードに関する判断にも時間をかける余裕があります。

これが、スキャルピングだと刻々と状況が変わりますので、必然的にチャートをチェックする頻度が多くなりますし、またトレードに関する判断もじっくり考えられない場合もありますよね。

チャートを見る頻度が4時間に1回とかであれば、日中仕事をしていても休憩時間にチェックをしたりすれば、日中でも仕事をしながらでもFXトレードをすることが可能ですね。

このように時間に余裕があるというのもスイングトレードのメリットと言えます。

スイングトレードの「デメリット」

次は、FXのスイングトレードの「デメリット」についてです。

デメリット①「ファンダメンタルズ要素が絡んでくる」

まず最初のスイングトレードのデメリットは「ファンダメンタルズ要素が絡んでくる」です。

「ファンダメンタルズ要素」とは、取引している通貨ペアの価格に影響を及ぼすような世界情勢の変化、経済指標の発表、要人の発言などです。

多くのトレーダーは「テクニカル分析」を基にトレードをしています。

これは、過去の値動きを分析することから、同じ人間の心理が価格を動かしているのであれば、またこのように価格が動くのでないかと分析する手法です。

つまり、多くの人が「チャート」を分析することで価格の動きを予測して注文を出すことでテクニカル分析の要素で価格が動いたりするのですが、ファンダメンタルズ要素は、時としてこのテクニカル分析の要素よりも大きな影響を持って価格を動かしてしまいます。

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テクニカル分析をしてトレードをするトレーダーによっては、テクニカル分析を覆してしまう不確定要素と言えます。

スキャルピング、デイトレードであれば重要な経済指標の発表など、事前に日時が分かっているものは避けてトレードをするなど比較的対応が可能だったりします。

ですが、数日以上ポジションを保有するようなスイングトレードの場合、ポジションを保有している間に重要な経済指標の発表があったり、突発的な世界情勢の変化などが起きる可能性が増してしまうのは、デメリットと言えます。

デメリット②「保有している間の精神負担」

次のスイングトレードのデメリットは「保有している間の精神負担」です。

これは、トレーダーの性格にもよると思いますが、ポジションを保有している間、価格の動きがしきりに気になってしまったり、チャートを見ていなくても逆行していないか不安になってしまうことってありますよね。

スイングトレードはポジションの保有時間が長いトレードですから、比例してこの「保有している間の精神負担」がかかる時間も長くなるわけです。

スキャルピングであれば数分でこのプレッシャーから解放されますし、夜寝ている間に価格の動きが気になることもありません。

スイングトレードの場合は、人によっては夜寝ている間にも価格の動きが気になってしまっては、ぐっすり眠れないなんてこともあり得るかもしれません。

ポジションを保有している間、常に価格の動きに気になってしまうような人にとってはスイングトレードのデメリットと言えます。

デメリット③「トレード機会が少ない」

次のスイングトレードのデメリットは「トレード機会が少ない」ということ。

これは当たり前ですが、取引時間軸が長ければ長い程、トレード機会は比例して減りますよね。

トレード回数が月に数回であれば、FXトレードによる爆発的な資産の増加は期待しづらいですよね。

もちろん、その代わりに安定的なトレードというメリットがあるわけですが、短期間で資産を増やすという目的がある場合には、スイングトレードのトレード機会が少ないというのはデメリットと言えます。

たまに、スイングトレードはトレード機会は少ないけれど、ポジションを持ったら大きく取れるので、その分利益も大きいというような記事を見かけますが、これは大きな間違いです。

これは、「資金管理」をしていない人の発想ですね。

スイングトレードは、長い時間軸を取引時間軸にするので、利益幅は大きいですが、その分損確幅も大きいわけです。

資金管理をしているのであれば、損確幅が大きい分、投入できるロット数も相対的に小さくなるので、結局利益は損益率に準ずるわけです。

そういう意味で、スイングトレードは長期的に安定して資産運用したい人に向いていると言えます。

まとめ

FXにおける「スイングトレード」のメリットとデメリットについて。

メリット① 「上位時間軸が少ない」
メリット② 「ノイズが少ない」
メリット③ 「時間に余裕がある」
デメリット① 「ファンダメンタルズ要素が絡んでくる」
デメリット② 「保有している間の精神負担」
デメリット③ 「トレード機会が少ない」

メリットとデメリットをいくつか挙げましたが、やはりスイングトレードの一番の特徴は「長い取引時間軸」ということですよね。

長い取引時間軸を使うということで、「トレードの難易度」という点だけで見れば、やはりメリットの方が大きいのかなと。

なので、トレード成績が安定していない人には、スイングではなくても比較的長い時間軸を取引時間軸にしたデモトレードをすることをおすすめします。

スイングトレードのデメリットは「トレードの難易度」というより、精神的負担だったり、資金効率という点です。

なので、FXのリアルトレードにおいてスイングトレードを採用するかどうかは、トレーダーの技量だったり、性格だったり、どのくらいの資金効率を望むかという色々な点を考慮する必要があります。

もちろん、高い資金効率を望んでも複雑なマルチタイムフレーム分析をこなす技量が無ければいけません。

トレーダーの性格としてポジションを保有している間に精神負荷が強くかかるようであれば、スイングトレードは向いていないとも言えます。

スイングトレードだけでなく、他のトレードスタイルにもメリット・デメリットがあるわけなので、このトレードスタイルが1番とは言えないわけです。

ですが、その人の性格・技量・目的によって、このトレードスタイルが合っているというのはあると思いますので、リアルトレードをしていく内に自分が心地よいと感じるトレードスタイルを見つけるのが良いと思います。

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