そもそも「トレンド」とは
ラプラスFXではチャート分析の基本は「トレンド(波)」と「チャートポイント(波止場)」の把握であると、度々書かいています。
「トレンド」の分析については、ダウ理論ベースで分析することをおすすめしていますが、もちろん色々な分析方法が世の中にはあります。
トレンドラインで把握するトレーダーがいれば、移動平均線で把握するトレーダーもいます。
そもそも、FXにおいて「トレンド」とは??の考え方がトレーダーによって違うから、色々な分析方法が存在するわけです。
細かいところで「トレンド」の把握の仕方は違うかもしれませんが、大枠ではどのトレーダーも同じ考え方だったりします。
おそらく、「トレンド」を「ある期間における注文の人気の傾向」であるとする考え方には違いは無いと思います。
つまり、買い注文が売り注文より人気があれば「上昇トレンド」であり、売り注文が買い注文より人気があれば「下降トレンド」ということ。
ただし、その期間の定め方や、何をもって人気があるとするかなどの考え方の違いでトレンドの把握の仕方が変わってくるんですね。
ですが、FXの通貨ペアの価格が「多数決の原理」で動いている以上、トレンドが「注文の人気の偏りの傾向」であるという深い部分は、どのトレーダーも共通理解のはずなんですね。
「ローソク足」1本の情報量
ラプラスFXではテクニカル分析の主力に「ローソク足」を据えることをおすすめしています。
そして、トレンドを「ダウ理論」をベースに分析することをおすすめしているわけですが、これは上で紹介した記事で書いている通り、「ローソク足」も「ダウ理論」もFXの世界では非常にユーザーが多いことが理由です。
FXの価格が「多数決の原理」で動く以上、FXを「多数決の多数派にいかに身を置くかというゲーム」と捉えた時、多数派を効率良く捉える為には、使うテクニカル分析も多くの相場参加者に利用されている必要があります。
その為、「ローソク足」と「ダウ理論」という最強タッグによるトレンド分析を基本としているのですが、実は「ローソク足」自体が「トレンド」を表現しているとも言えるんです。
そのローソク足1本が形成される「期間」において、買い注文よりも売り注文が多ければ、「買い注文が売り注文よりも人気が高い=上昇トレンド」と言えて、それは「陽線」で表現されているわけです。
もちろん、逆も同様であり、そのローソク足1本が形成される「期間」において、売り注文が買い注文よりも多ければ、「売り注文が買い注文よりも人気が高い=下降トレンド」と言えて、それは「陰線」で表現されています。
この単純な考え方をフラクタル構造的に膨らませることで、トレードの基本が見えてくるという内容の記事を以前書きました。
上の記事のように、この単純な考え方を膨らませるだけで、ある意味「トレード手法」にもなり得ますし、様々なトレードの考え方の「基礎」になっている部分だったりします。
また、「十字線」のようなローソク足の中身は「トレンドレス」のようなチャートの形になっていることが多く、つまりはローソク足(十字線)自体が「トレンドレス」を表現しているとも言えます。
ローソク足の「実体」の部分は「トレンド」に関する情報を持っているわけであり、その実体の大きさと含めてトレンドを表現しています。
・実体が小さい(不明瞭なトレンド、モメンタムが弱い)
・実体が無い、ほぼ無い(トレンドレス)
そして、「ローソク足」自体は「チャートポイント」の情報も持っています。
上ヒゲは「レジスタンス」の存在、下ヒゲは「サポート」の存在を教えてくれています。
また、そのヒゲが長ければ、それだけチャートポイントに到達した際の「反発」の機能が強かったと捉えることが出来ますので「ヒゲの長さ」もチャートポイントの強さを表現している情報なんですね。
・長いヒゲ (強いレジスタンス・サポート)
・ヒゲが無い (チャートポイントが無い)
つまり、ローソク足1本だけで「トレンド」と「チャートポイント」の両方の情報を持っているわけです。
また、ローソク足1本だけで他の情報も表現しています。
それは「高いエリア・安いエリア」です。
上の画像のように「陽線」が確定した場合、「下ヒゲ+実体」の部分は、このローソク足の期間内で「買い」と「売り」の攻防の結果として「買われた」という実績のあるエリアです。
つまり、相場参加者の多くが「この価格なら安いから買う」と判断を下した価格帯だと言えます。
陽線の場合、次のローソク足で「背景」が変わっていなければ、また同様に買われる可能性が高いと言える「安いエリア」と言えますよね。
陽線の「上ヒゲ」も一応「高いエリア」となりますが、陽線自体が上昇トレンドを表現しているとなると、「背景」が変わらないのであれば「信頼度の低い高いエリア」となります。
陰線も同様ですね。
・陰線の実体 + 上ヒゲ (高いエリア)
このように、「ローソク足1本」だけでも「トレンド」「チャートポイント」「高い・安いエリア」の情報が分かるんです。
このローソク足がどの位置にあるか?また、どんなローソク足の並びか?などの応用によっても、チャート分析の幅が広がります。
ローソク足が複数になった時には「プライスアクション」なという考え方がありますが、それも「基礎」としての内容を理解したうえでの「応用」の話です。
まとめ
チャート分析の基本は「トレンド(波)」と「チャートポイント(波止場)」の把握です。
そして、ローソク足は1本で「トレンド」「チャートポイント」「高い・安いエリア」という情報を持っています。
また、ローソク足を複数本組み合わせることで「プライスアクション」といった考え方に広がりますが、それもまずはローソク足1本から得られる情報を理解する「基礎」あっての「応用」の話ですね。
ローソク足1本が形成されるまでに相場参加者全体の取引の結果がローソク足の形になります。
それは、まさしく相場参加者の「声」とも言えますね。
ローソク足1本が放つ相場参加者の声に耳を傾けることから、テクニカル分析のすべては始まるのではないかと思える程、テクニカル分析の肝と言える要素がローソク足1本には詰まっています。
後は、あくまで応用なので、この時点で勘の良い人なら、どのようにチャート分析をしていけばよいかというイメージまで湧くのではないでしょうか?
また別の記事に「応用」について書きますが、やっぱり大事なのは「基礎」だったりします。
ローソク足1本を見ただけで、下位レベルの価格の動きだったり、相場参加者の思惑なんかが想像出来るくらいローソク足に慣れるのがおすすめです。
そういった情報が直観的に分かりやすいようになっているのも「ローソク足」がテクニカル分析ツールとして非常に優れている点ですね。
ローソク足から情報を得るのに慣れていないという方は、上位時間軸のローソク足の形を見て、その中身である下位の価格の動きを想像してから、下位のチャートを実際に見てみるなんてトレーニングもおすすめです。