FXの水平線の「7つ」の引き方

アイキャッチ画像トレード手法

FXの水平線の「7つ」の引き方

ラプラスFXではチャート分析のメインに「ローソク足」を据えることをおすすめしています。

詳細な理由は他の記事に譲りますが簡単に説明すると、世界的にメジャーなテクニカルであり、相場参加者の心理が分かる「生」の情報だからですね。

「ローソク足」を観察することで「トレンド(波の流れ)」「チャートポイント(波止場)」を把握することがチャート分析の基本です。

しかし、何度もチャートをそのままの状態で観察していると、重要なポイントを見落としてしまいがちです。

マルチタイムフレーム分析(用語解説)をする為に、いくつもの時間軸を見ていたらなおさらですね。

その為に、重要な「価格」を見やすくする為に補助線として引くのが「水平線」です。

では、どのような価格に注目して水平線を引けばよいのか、具体的な引き方について見ていきましょう。

FXの「7つ」水平線引き方を紹介します。

 

①「高値・安値」

まず最初の水平線の引き方は「高値・安値」です。

ローソク足において「高値」とは「期間中の最も高い価格」であり、「安値」とは「期間中の最も低い価格」のことですね。

なぜ、「高値・安値」が注目される重要な価格なのかというと、その期間中にその価格を越えることが出来なかった、つまり「高値・安値」は「そこで価格の流れが反転した」という証跡なんですね。

ある価格が他の多くの相場参加者に意識されていたからこそ、様々な思惑の注文がその価格付近に集まることで、それまでの波の流れが反転します。

そして、波の流れが反転したという証跡が「高値・安値」としてチャート上に残ることで、次はその高値・安値が「以前、波の流れが反転したことがある価格」として相場参加者に注目されるわけです。

ですが、チャート上に表示されているローソク足すべての高値・安値に注目して水平線を引いてしまうと、水平線だらけになってしまい、何がなんだか見えなくなってしまいます。

ですので、トレーダーごとのレベル感は様々ですが、自分なりの「波」を認識することで、その波を形成する頂点の「高値・安値」に水平線を引きます。

水平線1

ですが、上の画像の通り、すべての波の頂点の「高値・安値」に水平線を引いてしまうと、まだ水平線が多すぎてみづらいですよね。

なので、①「高値・安値」は水平線の引き方の基本ではありますが、そのまま引き方として使うことはほとんどありません。

実戦でよく使う水平線の引き方は、以下の②以降の水平線の引き方になります。

 

②「ダウ高値・ダウ安値」

次の水平線の引き方は「ダウ高値・ダウ安値」です。

「ダウ高値・ダウ安値」とは、ラプラスFXがおすすめしている「ダウ理論」をベースとしたトレンド判断において、「トレンド転換の急所」となる高値・安値のこと。

水平線2

「トレンドが崩壊した」という判断をする重要な「高値・安値」になるので、相場参加者の注目は高まります。

FXの「トレンド判断」の基本はやはりこれ【#6】
「トレンド」とは価格の動向の傾向であり、「買い」と「売り」のどちらの注文の人気がある状態かということ。また、価格が多数決の原理で動く以上は、メジャーなテクニカルである「ダウ理論」をベースにするのが効率的なトレードに繋がります。

実際のチャートでの水平線の引き方はこんな感じです。

水平線3

この「ダウ高値・ダウ安値」は、チャート分析をする上で、絶対見落としたくない価格なので、必ず引きたい水平線です。

「ダウ高値・ダウ安値」に引いた水平線は、その後に下で紹介します「レジサポライン」「複数ライン」に成長する可能性がある、相場参加者の注目度が高いポイントです。

ラプラスFX的には必須の水平線の引き方です。

 

③「ネックライン」

次の水平線の引き方が「ネックライン」です。

「ダブルトップ」「ダブルボトム」「ヘッドアンドショルダー」などのネックラインのことですね。

水平線が持つ意味としては、上記の「ダウ高値・ダウ安値」と同じです。

やはり、トレンドの崩壊が判断される「急所」なので、相場参加者の注目度が高いんですね。

チャートの形によって呼び方が違うだけで「ダウ高値・安値」と結局同じではないか?となりそうですが、下の画像みたいなケースがあるんですね。

水平線4

例えば、完全なダブルトップであれば、「ダウ安値」と「ネックライン」は同じ位置に来ますが、微妙に右の高値が左の高値に到達しなかった場合なんかだと、厳密には違ってきます。

もちろん、この「微妙」具合にもよるんですが、多くの相場参加者がネックラインの安値を意識して注文を入れれば、「ダブルトップ」として成立するんですね。

極端な例を言えば、右の高値が左の高値に1pointだけ届いていなかったとしても、チャート画面上では「ダブルトップ」に見えますよね。

実際のチャートだと水平線の引き方はこんな感じ。

水平線5

まあ、実際は「ダウ高値・ダウ安値」と重なってくるケースがほとんどですので、「ダウ高値・ダウ安値」を意識して水平線を引いていれば、ほぼ問題はないですが、一応紹介しました。

④「複数ライン」

次の水平線の引き方が「複数ライン」です。

何が複数なのかというと、チャートポイントとして機能した回数です。

つまり、水平線を引いた時に、複数回反応している様に見えるラインのことですね。

1度ならず、2度以上、その価格帯で波の流れが変わったという実績は、相場参加者の注目度は高いという証拠です。

実際のチャートだと水平線の引き方はこんな感じ。

水平線6

複数回反応しているように引ける水平線は注目度が高いので、波が到達した時にまた機能する確率が高まります。

上の画像のように何度も機能していた注目度の高いラインを、今度は抜けてしまった時は、強いトレンドが発生したり、展開が変わることが多いです。

なので、自分のチャート分析において、トレードプランに関係してくる複数ラインは見つけてチェックしておきたいです。

ちなみに、たまに「複数のヒゲにまたがる水平線はどのように引くのが正解なのか?」にこだわっている人がいます。

一番短いヒゲの先端に引くのが正解とか、一番多くのヒゲを通るように調整するとか、色々ありますが、、、どれでも良いです(笑)

というのも、テキトーというわけではなくて、上にも書きましたが、水平線はチャート分析における「補助線」です。

そして、そもそもFXにおいてチャートポイントは「ピンポイントの価格」ではなく「価格帯」なんです。

FX用語解説「チャートポイント」
ラプラスFXの用語解説。「チャートポイント」について説明。チャートポイントは「価格帯」であり、「波止場」であり、「目安」なんです!?

簡単に言うと、水平線は「目安」であり「幅」を持って捉えるべきものなので、引き方に神経質になる必要はないということです。

もちろん、トレード手法によっては水平線の引き方がダイレクトに影響があるかもしれませんが、その場合はそのトレーダーの手法においてデモトレードを重ねた結果、成績が安定する水平線の引き方を「正解」とすればよいということ。

FXにおいて、一概にこれが正解という水平線の引き方はないんですね。

 

⑤「レジサポライン」

さて、次の水平線の引き方は「レジサポライン」

これは「レジスタンス」を上抜けてしまったけど、波が下降して戻ってきた時に、今度は「サポート」として機能したような水平線です。

もちろん、逆も同様です。

 

水平線7

上の画像から分かるようにレジサポラインは「複数ライン」の要素を必ず含みます。

なので、「複数ライン」の意識があれば、「レジサポライン」も勝手に引けてます。

じゃあ「レジサポライン」は要らないのでは?となりそうですが、そもそも目的が違うんですね。

この「レジサポライン」は「確認」してからラインを引くというよりも、「レジサポラインになるかもしれないという予測」をチャート上に明示する為に引くという引き方なんです。

例えば上の画像のように、上昇トレンド中は買い注文が人気なので、どうしてもレジスタンスは機能しづらい傾向にあります。

ですが、一度レジスタンスを抜けると今度はサポートになりますので、上昇トレンド中であれば、今度は機能しやすくなります。

そして、相場参加者が「調整が十分済んだ」とか「波の到達目標」と思うようなところに位置していれば、レジサポラインとして機能するのでは?という予測が立つことがあります。

その予測をチャート上に書き入れた時に「レジサポラインの予測」になるんですね。

まあ、「高値・安値」と変わらないと言えば変わらないんですけど、チャート分析の結果「レジサポライン」として機能するのでは?という予測があるかないかという点が違うんですね。

実際のチャートでの水平線の引き方はこんな感じです。

水平線8

 

 

⑥「強四本値」

次の水平線の引き方は「強四本値」です。

「四本値」とはローソク足の「始値・終値・高値・安値」のことです。

その中でも、日足以上の大きな時間軸の四本値は相場参加者に意識されますので、チェックしておきたいです。

そして、基本的には直近(完成した足の中で一番新しい)の足の四本値を意識しておけば良いでしょう。

実際のチャートで「日足」の場合の水平線の引き方を見てみましょう。

水平線9

上の画像の縦の点線は日付変更線です。

なので、その区間の「始値・終値・高値・安値」が日足の四本値ですね。

個人的には、前日の「終値・高値・安値」をチェックしておけばよいかなと。

もちろん、毎回機能するわけではないのは、どのチャートポイントも同じ。

あくまで、チャート分析における補助線であるということは忘れずに。

 

⑦「キリ番」

最後の水平線の引き方が「キリ番」です。

この引き方だけ、「高値・安値」ではないんです。

「キリ番」とは「キリのよい番号」の意味です。

例えば、ドル円であれば「110.000円」とか、中途半端な価格ではなくて、キリがちょうどよい価格のこと。

この「キリ番」がチャート上で意識されてチャートポイントとなることがあるので、自分のトレードプランに関わるキリ番はチェックしておいて損はないですね。

人間は、やっぱり「ちょうど良い」のが精神的に気持ちが良いんですかね?

「110.004円」に注文を入れるくらいなら、キリよく「110.000円」に入れようと考える人がいるってことです。

もしくは、キリ番が世界的にも意識されるようになったから、他のトレーダー達も意識するようになって、という感じなのかは不明ですが、、、

実際のチャートで水平線の引き方を見てみましょう。

水平線10

上の画像は、ドル円ですが、他の通貨でも「100pips」刻みくらいのキリ番は注目されることがあります。

さて、以上が水平線の7つの引き方です。

ちなみに、チャート上に引いた水平線には寿命があります。

そもそも、水平線は「他の相場参加者も注目しているだろう」という予測の基に、引いています。

ですが、その水平線を1回、ないし2回、相場参加者に無視された場合は「その価格は注目されていない」ということなので、その水平線を消します。

注目度の高い水平線は何度も機能して、寿命も長くなることが多いですね。

まとめ

FXにおいて水平線は「ローソク足」をベースにおいたチャート分析をする際の「補助線」です。

極論、マルチタイムフレーム分析をしながら、毎回重要な価格を見落とさずに認識出来ているのであれば、引く必要すらありません。

ですが、普通の人は水平線を引いておくことで、自分が分析している点が明確になり、より頭の中を整理することに大いに役立つはずです。(※というより、水平線を引いておかないと見落とします)

水平線の分類や呼び方も、トレーダーの頭の中を整理する為に付けているのであって、人によっては違う名前の方が良いとか、これとこれは一緒の名前で良いとかあれば、それで良いと思います。

あくまでチャート分析をする上での「補助線」であり、主役は「ローソク足の分析」です。

なので、ローソク足の分析をするわけでもなく、ただなんとなく、チャート上に水平線を引くのは、あまり意味がないんです。

このトレンドはこの高値を抜けたら崩壊する可能性があるから、ここに引いておこう。

このトレンドの到達目標になる可能性がある安値だから、ここに引いておこう。

「~だから」という、あくまで自分のチャート分析が先にある、というのがポイントです。

チャート画面が、とにかく線だらけで、トレード成績が安定しないという人は、もしかしたら、とにかくチャートポイントを全部抑えておきたいという「チャートにラインを引いてチャート分析している風トレーダー」になっているかもしれません。

チャートに水平線を引くのがチャート分析ではなくて、チャート分析をするから水平線を引くんです。

「卵が先か、ニワトリが先か」の話のような感じですね(笑)

自分のチャート分析に必要な水平線だけ引けばよいとも言えますね。

そして、引いた水平線を後から分類すると名前があるっていうだけ。

もちろん、そういった水平線の引き方を知識として持っていることで、チャートポイントの見落としが減りますので、そういう意味ではやはり知識も重要です。

ですが、自分は何がしたくて、何を知りたいから、チャートを分析しているのか?という本質的な部分からFX迷子になっている人は要注意ですね。

FXは「チャート分析」で値動きを予測する!【#4】
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価格の動きを「波」に例えた時、上手に波を乗りこなすに「波の流れ(トレンド)」と「波止場(チャートポイント)」を把握することが重要。チャート分析とは「トレンド」と「チャートポイント」を把握することだと言っても過言ではないんです。

チャート分析の基本は「トレンド」と「チャートポイント」の把握と分析です。

なので、「チャートポイント」をしっかり把握して、見落とさないようにすることは重要です。

上記の7つの水平線の引き方をベースにチャートを見ていけば、およそトレードに使えるチャートポイントを把握出来るようになると思います。

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