FXの水平線の応用『ゾーン』という引き方でチャートの見え方が変わります

アイキャッチ画像トレード手法

水平線の応用「ゾーン」

FXのチャート分析において、ラプラスFXが最も推奨しているテクニカル分析(用語解説)「ローソク足」ですね。

そして、そのローソク足の分析をする時に補助線として引くのが「水平線」です。

水平線の引き方についても以前、別の記事で紹介させていただきました。

FXの水平線の「7つ」の引き方
FXの水平線の引き方を7つ紹介しています。そもそもチャート分析において水平線は「補助線」です。使わない水平線を引いても意味がありません。自分のチャート分析ありきです。

この記事でも書きましたが、あくまで自分のチャート分析が先にあって、そこに対して水平線を引くという順序が大事なんですね。

水平線は、自分のチャート分析をチャート上で見やすくする為に引いている補助線なので、意味のない水平線をたくさん引いてしまうと、逆に見づらくなってチャート分析がしづらくなってしまいます。

自分のチャート分析の考えについて関係する水平線を引くことで、自分のやるべきトレードプラン(用語解説)が見やすくなります。

さて、チャートを見やすくするという意味で、おすすめしたい水平線の引き方がもう1種類あるんです。

それがFXの水平線を応用した「ゾーン」という引き方です。

水平線の基本的な引き方は、注目した「高値」や「安値」に引くという感じですが、「ゾーン」は「高値」と「安値」の両方に引いて、その間を「ゾーン(帯域)」として見るという引き方です。

もちろん、テキトーに選んだ高値と安値に引くわけではなく、しっかりと考え方があります。

それは「戦いあった高値と安値」が「ゾーン」になるという考え方です。

つまり、「ゾーン」とは「買い側」「売り側」の攻防があった「戦場の跡」というわけです。

そして、「買い側」が勝ったという実績のあるゾーンは「サポートゾーン」となり、「売り側」が勝ったという実績のあるゾーンは「レジスタンスゾーン」となります。

ゾーン1

「これ以上は高くならないぞ」という売り側の意思でもある「高値」と、「これ以上は安くならないぞ」という買い側の意思でもある「安値」に挟まれたゾーンは、「買い側と売り側の意思がぶつかりあっている戦場」なわけです。

そして、上の画像のように、買い注文の方が人気で上昇勢力の方が強かった結果として、高値が抜かれてしまいます。

すると、この戦場の跡である「ゾーン」は「以前に買い側が勝利した価格帯」として判断することが出来るんですね。

なので、次に価格がこのサポートゾーンに戻ってきた時にも、「以前は、買い側が勝利したので、今回も買い側が勝利する確率が高いのでは?」と考えることが出来ます。

ですが、ゾーンの引き方の基になっているのは「水平線」なので、「注目されていないと機能しない」のは、水平線と同じです。

すべてのチャートポイントに言えることですね。

次に、まずは基本的なゾーンの引き方を実際のチャートで見ながら、注目度の高いゾーンについても紹介します。

基本的な「ゾーン」の引き方

まずは、実際のチャートにおいて「ゾーン」の基本的な引き方の考え方を見てみましょう。

下の画像を見てください。

ゾーン2

上の画像の場合は、「高値」と「安値」の攻防の結果、「高値」からの下降勢力、つまり売り側が勝利した「戦場の跡」になりますので、「レジスタンスゾーン」ですね、

上の画像のように、戦いの捉え方次第で、ゾーンを引く候補はいくつもあります。

どのように捉えてゾーンを引いても、考え方としてはあっていますが、幅が広すぎるゾーンはチャート分析としては、あまり役立たなかったりします。

なるべく、核心を突いたゾーンの引き方が出来るようになる考え方として、より「右側」にある「高値・安値」で引いたゾーンの方が、「戦いの核心」に近いゾーンの引き方と言えます。

「右側」にあればある程、情報は新鮮であり、またこの付近の買いと売りの戦いの決着がついた場面に近くなります。

なので、より右側にある高値・安値の方が、その付近の買い側と売り側の攻防の決着を付けた要因である、最終局面の戦いが行われた「高値・安値」であると言えますね。

こういった戦いの攻防に決着をつけられるような、機関投資家などの資金力が強いトレーダーのポジションがそういった「高値・安値」付近にはあることが多いと考えられます。

なので、また価格が戻ってきた時には、そういった資金力の強い機関投資家などがポジションを守る為に資金を投入する、またそのような展開を予想した他のトレーダー達の注文が集まるなどして、ゾーンが機能しやすくなります。

さて、このゾーンですが、実はローソク2本でも表現できるんです。

 

ゾーン3

このように、ローソク足2本の中にも、ギャップがあればゾーンが存在します

なので、前出のチャート画像は、実はこのようにもゾーンを捉えることが出来ます。

ゾーン4

このように、ローソク足2本のギャップで出来たゾーンで捉えるみると、またチャートが違ってみえますね。

ローソク2本のギャップなんて、チャート中のいたるところにあります。

ですが、上の画像のゾーンを引いた箇所というのは、共通点があります。(※左から3つ目のゾーンだけ違うのですが、理由は割愛)

実は、そのゾーンから発生した波が左にある大きな安値を突破していってるんですね。

つまり、そのゾーンが起点となって大きな波を作ったと言えます。

もちろん、「このゾーンがその波の起点となった」と言えるようなバランス感は大事です。

膠着状態を打破するような、もしくは流れを転換させるような、勢いを作った起点となった箇所なので、他の相場参加者からの注目度も高いんですね。

そのような注目度の高いゾーンは価格が戻ってきた時に、チャートポイントとして機能する確率が高くなります。

注目度が高いと、チャートポイントとして機能しやすいというのは、どのチャートポイントにも言えることです。

MT4やMT5をはじめ、ほとんどのチャートシステムには「レクタングル(四角形)」をチャートに描く機能があると思いますので、自分でもゾーンを引いてみて確認してみてください。

 

まとめ

FXのチャート分析の基本とも言える「水平線」ですが、その水平線の引き方を応用させた「ゾーン」という考え方。

基本的には、高値と安値の戦いがあって、決着が付いた場所はすべて「ゾーン」ととらえることが出来ます。

買い側が勝利した実績のあるゾーンであれば、「サポートゾーン」

売り側が勝利した実績のあるゾーンであれば、「レジスタンスゾーン」

また、どのようにゾーンを捉えても考え方としてはあっていますが、あまりに幅の広いゾーンは、結局あまりチャート分析に役立たなかったりします。

なるべく「右側」にあればある程、情報は新鮮であり、またこの付近の買いと売りの戦いの決着がついた場面に近いので、核心をついたゾーンと言えます。

そして、ローソク足2本や3本でも、ギャップがあれば、そこにゾーンは存在します

もちろん、下位に潜って見てみれば、高値と安値の攻防がより詳細に分かるかと思いますが、出来れば上位のローソク足のギャップとしても認識されるゾーンの引き方が望ましいです。

それは、言わずもがな、上位時間軸のチャートを見ている人達の注文も期待出来るからですね。

そして、そのゾーンから発生した波が重要なチャートポイントを抜いていくようであれば、その勢いのある波の起点として、相場参加者からの注目度が高まり、チャートポイントとして機能しやすくなります。

ですが、これはどのチャートポイントにも言えることですが、「チャートポイント(波止場)」はあくまで、波が止まったり、転換したりするかもしれない目安です。

「トレンド(波の流れ)」も確認して、マルチタイムフレーム分析(用語解説)から、自信を持ってトレードを出来る場所を見出すのが、チャート分析です。

「トレンド」と「チャートポイント」は常にセットで考えます。

当たり前ですが、上昇トレンドの環境下では「レジスタンス」のチャートポイントは機能しづらいし、逆もまた同様です。

今まで、このような見方をしたことがない人にとっては、ちょっと混乱するかもしれませんが、基本的には「水平線」を応用しているだけですので、水平線に対する考え方と同様です。

ですが、少し水平線の引き方を工夫して「ゾーン」と認識するだけで、チャートが違った景色に見えるのも、また事実です。

道具は、その物自体だけで優れているかどうかは決まりません。

結局は道具を使う人次第だということを忘れないでください。

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