「底値」を見分ける3つのコツ
FXの王道のトレード手法である「押し目買い(戻り売り)」を狙う時に、FX初級者の悩みとして「底値が分からない、、、底値を見分けられない」というものがあります。
ここで言う底値とは「押し安値」のことですね。
つまり、押し目買いの場面で底値(押し安値)だと思って買ったけど、底値にならずに再度下落してしまい、含み損を抱えてしまう、、、ということが多いという悩みですね。
押し目買いの場面における、底値を見分けるコツを3つ紹介します。
底値を見分けるコツ①「本命のチャートポイント」
まず1つ目が「本命のチャートポイントまで引き付ける」です。
押し目買いの場合は、サポート(水平線)ですね。
押し目買いというのは、上昇トレンド中に一時的な押し(下降調整波)が発生している場面で、再度本命の上昇推進波が発生するのにタイミングをあわせて買いポジションを持とうというトレード手法のことです。
一時的な押し(下降調整波)とはいえ、波レベルを変えて観測すると、立派な「トレンド」だったりするわけですね。
なので、トレンドが転換する為には、やはり4つの注文の力のパワーバランスが変わるようなチャートポイントの力が必要なんですね。
基本的には、「下降調整波→サポートに到達→決済の買い注文・新規の買い注文(押し目買い)が増えてパワーバランスが逆転→下降調整波トレンドが転換→上昇推進波が発生」という流れになった時に押し目買いが成功していきます。
しかし、上の画像のように自分が入った時に出来ていた押し安値候補が「底値」にならずに、再度下落していってしまい、含み損を抱える展開がありますよね。
ラプラスFXでは「再調整」の展開と呼んでいます。
これは、サポートから集まった買い勢力があまり強くなく、下降調整波を崩すことが出来なかったということです。
サポートの注目度が低いとこの「再調整」の展開が起きます。
一応、サポートなのである程度買い勢力が入ってきて、少し上昇波が発生したりすると、ここが「底値」になるのでは?と思い買いエントリーしてみるけど、下降調整波の勢いの方が強く、上昇推進波を発生させるには至らず、再度下落して含み損、、、嫌なパターンですね。
その後の展開を見てみると、上の画像のように、その下にある注目度の高いサポートに下降調整波が到達した後に、本命の押し目買い勢力が入ってきて、上昇推進波が発生していく展開だったりします。
これは、注目度の高いサポートなので、押し目買いを考えている人が多く、新規の買い注文が多く発生しやすいことと、それを警戒して下降調整波に乗っている売りポジションのトレーダーも逃げる為に決済の買い注文が発生しやすいわけです。
簡単には、注目度の高いチャートポイントの方が、トレンドを転換させる力が大きいということです。
なので、押し目買いの場面では注目度の高い「本命」のサポートから上昇反発が起きた展開に乗った方が、その時の押し安値候補が「底値」になりやすいんですね。
底値を見分けるコツ②「反転を確認」
2つ目の底値を見分けるコツは「反転を確認する」です。
何の反転を確認するのか?というと、「下降調整波」の反転ですね。
押し目買いは、ベースとして「上昇推進波(本命)→下降調整波(一時的)→上昇推進波(本命の再開)」という展開を期待しています。
この「本命の再開」した時の上昇推進波に乗ろうというのが押し目買いの狙いなわけですが、一時的な下落とはいえ、下降調整波も波レベルを変えて観測すると「波」なので「トレンド」なわけです。
なので、押し目買い勢力が弱いと、下降調整波の戻り売り勢力に勝てずに押し安値候補が底値にはならない展開になり、「再調整」の展開に巻き込まれてしまうわけですね。
ですが、このサポートに注目していたとしても、下降調整波の反転を確認するまでエントリーを待つという考えであれば、この「再調整」の展開に巻き込まれず、「ここは底値ではなかった」と含み損を抱えずに見送ることが出来ているわけですね。
サポートからの押し目買い勢力が下降調整波の戻り売り勢力を倒して、下降調整波のダウ高値を上抜くと、このエリアでの売り勢力が弱まり、またこの後価格がぐいぐい伸びていくのでは?と考えた相場参加者も後追いで買い勢力に参加してくるような動きを期待出来るので、押し安値候補が底値になる確率が高まります。
また、下降調整波の戻り売り勢力が粘るような展開だと、押し安値候補をまた少し下抜けてからWボトムのような展開になってから上昇していくかもしれません。
この時に、押し安値候補に損確を設定していた場合は、悔しい展開ですよね。
なので、底値を見分けるコツという意味でも、下降調整波の反転を確認するというの有効で、自分が底値では?と予測した押し安値候補が底値になる確率を高めてくれているんですね。
底値を見分けるコツ③「戻り深度」
三つ目の底値を見分けるコツは「戻り深度」です。
「戻り深度」というのは、押し目買いの場面において、上昇推進波を親波とした時に下降調整波がどのくらいの割合まで調整が進んでいるかという深さのことですね。
上でも登場した底値を見分けきれていない「再調整」の展開というのは、別の表現をすると、「上昇推進波が再開すると相場参加者全体が判断するには、調整が不十分だった」ということです。
調整波というのは、高くジャンプする為に深く屈伸するような予備動作みたいなものです。
深く屈伸してエネルギーが溜まってから、人はジャンプしますよね。
相場に働く心理も似たような感じです。
押し目買いを狙う場面とは、一時的な押しである「下降調整波」が下落している場面です。
下降調整波に乗っている人達が「もう少し深いところまで下落するかな」と考え、押し目買いを狙っている人達も「もう少し安くなってから買いたいな」と考えている内は、相場全体として「調整が不十分」であり、下降調整波が下落する展開が続きます。
下降調整波がある程度深く進みサポートに到達した時に、押し目買いを狙っている人達が「十分安くなったから買いたいな」と考え、下降調整波に乗っている人達が「深いところまで十分伸びたし、押し目買い勢力が入ってきそうだな」と考えると、パワーバランスが逆転して下降調整波が反転して上昇推進波が発生して伸びていくという展開になります。
このパワーバランスが逆転する調整の深さが「調整が完了する戻り深度」なわけですね。
戻り深度が浅いところから「もう上昇推進波が発生するのでは?」と焦って買いポジションを建てる勢力によって発生する弱い上昇波は、上記のメカニズムによって下降調整波の勢いを止めることが出来ずに、より深いところへ下降調整波が進む展開に巻き込まれてしまいます。
この相場参加者が「調整は十分」だと判断する戻り深度は、チャートの形や上位環境などによって毎回違います。
ですが、トレンドの勢いが非常に強い時を除けば、基本的にFIBO50%程まで調整が進むことが多いんですね。
「FIBO」というのは、上記の戻り深度の割合を計るテクニカル分析ツールの「フィボナッチ・リトレースメント」のことですね。
つまり、FIBO50%というのは、押し目買いの対象としている「親波(上昇推進波)」の半分(50%)程まで戻ってきた戻りの深さのことです。
このFIBO50%に満たないような浅いところにあるサポートに反応してできた押し安値候補は「まだ調整が浅く、底値にならないのでは?」と疑ってかかった方が底値を見分けるコツとしては、有効なことが多いということです。
まとめ
さて、上記の「底値を見分ける3つのコツ」をまとめると、下の画像のような要素を兼ね備えた時に、「底値」だと判断すると確率が高いわけです。
「底値を見分けるコツ」3つの要素をすべて満たした時に出来ている押し安値候補を初めて「底値になるのでは?」と判断すれば、底値を見分けることが出来る確率が高まっているわけです。
もちろん、これは基本の話ですね。
実戦では、環境次第では浅い調整で推進波が再開するのでは?サポートに自信があるので陽線が立ったらエントリーしようかな?下降調整波のダウ高値が遠いので、反転が確定する前にエントリーして勝負した方が良いのでは?など、毎回のチャートの形や上位環境などの要素によって判断が変わったりはします。
ですが、底値を見分けるという意味では、上記の3つのコツを意識すると、見分ける精度が増すと思います。
そもそも、「上昇推進波→下降調整波」という見立てが他の相場参加者の多くと一致しているのかというのが重要ですね。
この見立てが違えば、そもそも底値にはならずに、ダウ安値を下抜けていってしまうわけですから。
さて、底値を見分けるコツも重要ですが、それ以上に重要なことがあります。
当たり前ですが、テクニカル分析も完璧ではありません。
上に書いたように、自分のそもそもの見立てが違っていて、結局ダウ安値を下抜けるような展開になってしまうこともあるわけです。
そんな時に自分が最初建てたトレードプランの根拠が崩れるタイミングで必ず損確をすることです。
底値を見分けることが出来なかった時に、「もう少し下がったら、反転するのでは?」と損確のタイミングを逸してずるずると含み損を増やしてしまうのが最低の悪手です。
もちろん、底値にならない可能性が最初から考慮してダウ安値に損確を設定しておき、押し安値候補を下抜けても損確しないという判断はアリです。
ですが、この場合でもトレードの根拠が「上昇トレンドの継続」であるのであれば、当初に設定したダウ安値を下抜けたらなら、必ず損確をしないといけません。
FXの怖いところは、探そうと思ったら、期待を持てる材料というのはゴロゴロ転がっているわけですね。
実際に、そんな最低の悪手が良い結果をもたらしてしまうこともあるとは思います。
ですが、FXはどこまでいっても「確率の世界」から離れることは出来ません。
根拠が無くなり、大数の法則の視点に立てていないトレード、いや「ギャンブル」を続けてしまうと、待っているのは深い深い迷宮です。
ゆめゆめ、迷い込まぬようご注意ください。