「7割はレンジ」は嘘!?
FXにまつわる話で「FX相場の7割はレンジ」というのを聞いたことがある人も多いのでは?
「トレンド相場が3割、レンジ相場が7割」
「レンジ相場に手を出すな」
といった感じですね。
これは、もちろんまったくの嘘というわけではないのですが、個人的には言葉足らずだなっていう印象です。
下の画像を見てください。
上の画像のチャートは、三角持ち合いの場面にも見えますよね。
この三角持ち合いの中は、手を出さずにトレードを避けて、三角持ち合いを抜けるのを待った方がよい・・・
まあ、もちろん言いたいことは分かるのですが、実は上の画像は「ユロドル(EURUSD)」の「月足」のチャートなんです。
いや、ユロドルを何年間トレード出来ないんですか?って話ですよね。
下の画像も見てください。
上下の緑色の水平線に挟まれた「レンジ」のように見えますね。
これは、「ユロドル(EURUSD)」の「4時間足」のチャートです。
この中の青色の枠の中を「30分足」で見てみます。
ローソク足の縮尺は違いますが、しっかりと30分足レベルで「下降トレンド」が確認できますよね。
そうなんです、「レンジ相場」も分解すれば「トレンド相場」なんです。
「FXの7割がレンジ相場」というのも、もちろん1つの視点からの事実なんですが、視点を変えれば、「どこかの時間軸ではトレンド相場」とも言えるんですね。
また、そもそも「FXの7割がレンジ相場」というのが、個人的にはしっくりきません。
「トレンド相場とは?」「レンジ相場とは?」という定義が、トレーダーによって違いますよね。
僕の個人的な感覚ですが、およそ半分が「トレンド相場」、半分が「トレンド未確定相場」という感じです。
「トレンド相場」というのは、自分が認識した波レベルにおいて「高値・安値」の両方が「切りあがり・切り下がり」状態にある相場です。
「トレンド未確定相場」というのは、「高値・安値」の片方だけしか「切りあがり・切り下がり」が確定していない状態の相場です。
上の画像のような場面だと、ダウ安値を下抜けたので、「安値の切り下がり」は確定しましたが、まだ「高値の切り下がり」は確定していませんので、「下降トレンド?」という状態としています。
環境認識(用語解説)やチャート分析次第では、「下降トレンド?」でも、下降トレンド中と同じように積極的に売ることを判断したりします。
上の話をガチガチのルールでトレンド判断すると、たぶん「トレンド相場」の割合の方が多いですが、ルール上は「トレンド相場」でも環境認識次第では「?」って疑ったりもするんで、チャート分析の判断としては半々くらいの割合かなって感覚だったりします。
さて、およそ半分が「トレンド相場」、半分が「トレンド未確定相場」という感じであれば、「あれ?レンジ相場は?」という疑問を持つ方もいますよね?
僕の場合、「トレンド相場かどうか」という観点とは別に「持ち合っている(レンジ)」という認識があるという感じなんです。
下の画像を見てください。
上の画像の青枠内は、ダウ理論をベースとしたトレンド判断においては「下降トレンド」ですが、途中から横の展開、つまり「持ち合っている」ことに気づきますよね。
なぜ、持ち合ったのかというと、青枠内に入る前の最後の安値が、もっと上位時間軸のチャートポイントに到達して、この時間軸レベルでも「下降トレンドが継続するのか?」という観点で、相場参加者の意見が拮抗したからですね。
さて、簡単にまとめますと、「トレンド相場」を存在すれば、「トレンド相場」とは断定できない相場も存在します。
ですが、「トレンド相場」ではないからといって「レンジ相場」というわけではないということなんです。
トレンド相場の中にも「レンジ」はあって、トレンド未確定相場の中にも「レンジ」が存在するという感覚です。
上の画像のような感覚でチャートを見ているので、
「FX相場の3割がトレンド相場、7割がレンジ相場」という言葉は、「しっくりこないなぁ、、、」って感じます。
トレンド判断などの考え方によるとは思うんですが、「トレンド相場以外はレンジ相場」という感覚に抵抗があるんです。
でも、この「FX相場の7割がレンジ相場、レンジ相場に手を出すな」っていう言葉の伝えたいことは、実はなんとなく分かってるんですよね(笑)
意地が悪くて、すいません。言葉の揚げ足を取ったような感じですね。
この言葉を最初に言った人が誰だかは知りませんが、おそらく「はっきりと方向感が分かる場面は3割くらいだぞ、方向感がはっきりしている時にトレードしろ」ってことなんだと思います。
もっと拡大解釈してあげて、「波の行方に自信がある所だけトレードしろ」っていうことなら、激しく賛同します。
ただし、揚げ足を取るようですが、「チャートの7割もレンジになってる」感覚は個人的にはしません(笑)
まとめ
「FX相場の7割がレンジ相場だから、レンジ相場に手を出すな」という話は、ちょっと言葉足らず。
そもそも、「トレンド相場」や「レンジ相場」の定義がトレーダーによって違うし、トレンド判断の仕方によっても変わってきます。
個人的な感覚だと、およそ半分が「トレンド相場」、半分が「トレンド未確定相場」という感じ。
そして、「トレンド相場」ではないからといって「レンジ相場」というわけではないということ。
トレンド相場の中にも「レンジ」はあって、トレンド未確定相場の中にも「レンジ」が存在するという感覚です。
「FX相場の7割がレンジ相場、レンジ相場に手を出すな」という言葉が伝えたかったことは、おそらく「はっきりと方向感が分かる場面は3割くらいだぞ、方向感がはっきりしている時にトレードしろ」ってことなのかなと。
「波」は「相場参加者の声」だと思います。
なので、1つ1つの波には、意味があります。
その波1つ1つの意味を辿っていきます。
「この波は、この波に対する押し目買いだな」「この波は、ここに到達したことで、一旦利確が入った波だな」という感じです。
「レンジ」という持ち合っている場面では、波の意志が互いに主張しあっているような展開なんですね。
トレンド判断とは別に「レンジ」を確認すれば認識します。
レンジであると他の相場参加者が認識していれば、「レンジ」としての機能も考慮する必要があるからですね。
ですが、チャート分析の基本は「トレンド(波の流れ)」と「チャートポイント(波止場)」の分析であることに変わりはありません。
まあ、今回はちょっと意地悪な記事だった気がしますね、、、
そもそも、トレンドとは?レンジとは?という考え方がトレーダーによって違いますからね。
僕の場合は、「トレンド相場以外はレンジ相場」という考え方がしっくりこなかっただけで、間違っているとも言えません。
「自信のあるところをトレードしましょう」という拡大解釈であっているのなら、激しく賛同します。