「環境認識」とは
FXトレードにおいて「環境認識」とは、簡単に説明すると、トレードプランを立てる取引時間軸より上位の時間軸のチャート分析をすることです。
トレードプランを立てる取引時間軸の相場が置かれている状況を把握することが目的ですね。
FXトレードは、論理的で期待値の高いトレードを繰り返すことで、継続的に利益をあげることが出来ます。
そして、期待値の高いトレードをする為には、取引時間軸(用語解説)より上位の時間軸も確認する必要があります。
取引時間軸だけを見てトレードをしていては質の高いトレードが望めません。
では、取引時間軸だけを見て、トレードプランを立ててトレードをすると、どんなデメリットがあるのか?
例えば、取引時間軸だけを見ながら「買う」トレードプランを立てたけど、実は上位の時間軸では「売り」が圧倒的に優勢な状況だった場合、、、どうですか?
「買い」のポジションを建てても、上位の時間軸を見て売ってくる人達が大勢いるなら、レートがぐんぐん上昇するイメージは湧かないですよね?
買いエントリー後に、レートが上昇していっても、上位時間軸の売り圧力でいつ価格が下がってきてもおかしくない状況ですよね?
逆に、上位の時間軸が「買い」優勢の状況であれば、どうでしょう?
買いエントリー後に、取引時間軸の流れだけでなく、上位時間軸を見てるトレーダー達の買い注文も加わってくることで、さらに伸びやすいイメージが湧きますよね。
この簡単な例からも分かる通り、同じトレードプランだったとしても、上位の環境次第でトレードの期待値が全然変わってきます。
なので、環境認識をして「なるべく不利な状況を避け、なるべく有利な状況を選ぶ」ことで、質の高いトレードを実現します。
FXトレードにおいて、とても重要なポイントです。
環境認識の方法
環境認識の方法は色々な方法があり、トレーダーによっても異なります。
「ダウ理論」「移動平均線」「トレンドライン」などを使用して「トレンド方向」を把握する方法がメジャーですかね。
上位時間軸の「トレンド方向」を確認することを「環境認識」と呼んでいる人もいますが、個人的にはそれだけでは大雑把なのでは?と考えています。
ラプラスFXで推奨している環境認識も「ダウ理論」がベースですが、「波」と「波止場」の認識がポイントです。
これからトレードしようとしている取引時間軸の相場が、上位時間軸では「上昇トレンド中」、とだけ把握しても環境認識の情報としては不十分なんですよね。
波の認識
赤丸の場所は、すべて「上位時間軸では上昇トレンド中」という情報に違いはありませんが、、、
厳密に見れば、全然状況が違いますよね。
質の高いトレードをする為には、詳細な情報が必要になります。
同じ「上位時間軸で上昇トレンド中」の中でも、「上昇推進波」の中でトレードプランを立てているのか、「下降調整波」の中でトレードプランを立てているのか、では全然状況が違います。
また、「上昇推進波」の中でも、波が発生し始めた所なのか、伸びている所なのか、天井が近い所なのか、この認識の違いでトレードに対する考え方は変わってきます。
ここまで詳細に環境認識で意識して認識することが、質の高いトレードをする為には必要です。
波止場の認識
また、上記の「波」の認識とセットになりますが、「波止場」の認識も重要です。
「波止場」は波の流れが止まるところ、つまりチャートポイントのことです。
取引時間軸より上位の時間軸のチャートポイントは、レートが到達した時には取引時間軸の波レベルには大きな影響を及ぼします。
それは、トレードプランにとって有利に働くものもあれば、不利に働くものもあるので、その存在を把握しておく必要があります。
上の画像の赤丸はすべて、同じ「上位時間軸が上昇トレンド中」の中でトレードプランを立てている相場の位置です。
しかし、「波止場」である上位のチャートポイントを認識することで、上の画像の赤丸のポイントは、それぞれ全く違う環境であることが分かりますよね。
すぐ上に上位のレジスタンスラインがあるポイントや、上位のレジスタンスラインでレジられて下落し始めたポイント、上位のサポートにサポートされた後に上昇し始めたポイントなど、それぞれ環境が全然違います。
環境が違うということは、取引時間軸で立てているトレードプランに対して、上位の環境が「有利に働いている」こともあれば、「不利に働いている」こともあるということ。
「有利」な環境と、「不利」な環境。
どちらの環境でトレードをするべきかは、言わずもがなです。
同じようなトレードプランでも、有利な環境のみでトレードを繰り返せば、継続的に利益があがるものが、不利な環境でトレードを繰り返してしまえば、損失を出すことになります。
それだけ、精細な環境認識をしてトレードの期待値を引き上げることが、FXトレードにおいては重要です。
また、上にある画像は概略図なので、実際のチャートではもっと複雑になることが多いですよね。
上位の時間軸のチャート分析の精度を上げる為に、さらに上位の時間軸のチャート分析をする。
そして、その上位の時間軸のチャート分析の精度を上げる為に、さらに上位の時間軸のチャート分析をする、、、以下繰り返し。
という流れで、5分足など小さい時間軸をメインにトレードをするトレーダーも、日足や週足などの大きな時間軸のチャート分析をする必要があるんですね。
FXチャートはフラクタル構造(用語解説)になっているので、そのフラクタル構造を意識して、環境認識をするのがコツです。
まとめ
「環境認識」とは、取引時間軸の相場が置かれている状況を把握する為に、上位の時間軸のチャート分析すること。
取引時間軸で立てるトレードプランに対して、上位の時間軸の環境が「有利」な状況なのか、「不利」な状況なのかを把握することで、期待値の高いトレードをすることが目的です。
ラプラスFXが推奨している環境認識は、「ダウ理論」をベースに「波」と「波止場」を認識することです。
必要があれば、さらに上位、さらに上位と時間軸を上げてチャート分析を行い、環境認識の精度を高めます。
コツは、FXチャートのフラクタル構造を意識することですね。