チャートポイントを「抜ける」と期待できる場面を見極める#1

アイキャッチ画像トレード手法

「妄想」と「期待」

FXのトレードプランを建てる時に「このチャートポイントを抜けるかも?」という予測をベースにプランを建てる時ってありますよね?

前にも書きましたが、チャートポイントはあくまで「目安」であり、「反発」として機能するか、抜けて「加速」として機能するかは結果が出るまで分かりません。

ですが、過去チャートを繰り返し検証することで、「ここは反発する?」「ここは抜けるのでは?」とある程度予測する精度が上がってくるわけですね。

このチャートポイントの見極めの精度は、チャート分析の確度につながってくるので非常に大事な部分ですね。

今回は、トレードをする時に「このチャートポイントを抜ければ伸びる」という期待を持ってエントリーするけれど、チャートポイントを抜ける展開にならずに損確になってしまう負けパターンが多い人に向けた記事です。

これは、トレードチャンスの種、取引時間軸の「押し目買い・戻り売り」の形を見つけると、チャートポイントの壁があるけれど、「抜けて伸びていくのでは?」と都合良く考えてしまし、とりあえずエントリーしてしまうというパターンが多いのではないでしょうか?

抜ける期待

上の画像のように、上昇トレンド中の押し目買いのエントリーチャンスを見つけたら、青線のようなイメージを描いてしまいますよね。

ここで安易に、「これまでも上昇トレンドだったし、今回の押し目買いも上手くいって、レジスタンスを上抜けてぐいぐい伸びていくのでは?」と想像するのは、期待ではなくてただの「妄想」かもしれません、、、

もちろん、緑色レベルが取引時間軸であれば、上昇トレンド中であり押し目買いのトレードプランが候補に挙がるのは当然ですね。

ですが、どういった環境でどのようなレジスタンスに到達している場面なのかを評価・分析せずに「レジスタンスを上抜けて伸びていくのでは?」と想像するのは、ただのお祈りです。

抜ける期待2

到達したレジスタンスが上位の本命の戻り売りが入ってくるようなところであれば、上位の時間軸をトレードしている人達の戻り売り注文が集まることで発生する強い売り圧力により、下位である緑色レベルの取引時間軸の上昇トレンドは転換してしまい、下落していく展開になる可能性が高いかもしれません。

「このチャートポイントを抜けるのでは?」と勝手に妄想するのではなく、チャート分析をすることで、根拠を持って「このチャートポイントを抜ける可能性が高い」と「期待」出来ることが重要なんですね。

チャートポイントを「抜ける」と期待できる場面

先に紹介した上の画像は、「チャートポイントを抜けるのが期待できない」場面でしたね。

押し目買いのトレードプランを建てようとしているのであれば、その取引時間軸よりも上位であり注目度の高いチャートポイントに到達しているのであれば、まずは「反発」すると考えるのが自然です。

もちろん、上位の注目度の高そうなチャートポイントに到達したけれど、思いのほか浅い反発しか入らずに抜けていく場面もありますが、毎回そのような期待を持ってトレードしていてはトレード成績の安定には程遠いです。

チャートポイントを抜けると期待できる場面は、大きく分けて2つです。

「チャートポイントが十分弱い場面」「チャートポイントを抜ける準備ができた場面」です。

抜ける期待3

到達したレジスタンスが弱いということは、そのレジスタンスの反発を期待したり、警戒したりして生まれる売り注文の量が少ないということ。

レジスタンスから生まれる下降波やその下降波を親波とした戻り売り勢力が弱いということなので、押し目買い勢力との攻防になったとしても、上抜けていく期待が持てるということ。

強い上昇トレンドが弱いレジスタンスに到達して一時的に押しが入っている場面というのは、押し目買いの好機なんですね。

「チャートポイントが十分に弱い場面」というのは、抜けていく期待が持てるということが分かりやすいと思います。

さて、次は「チャートポイントを抜ける準備が出来た場面」について。

抜ける期待4

上の画像のように、緑色レベルの上昇トレンドにとって十分強いレジスタンスに到達した場面だと、レジスタンスからの売り圧力が強く、押し目買い勢力が勝てずに損確になってしまいます。

これは、「抜ける準備が出来ていない場面」ですね。

抜ける期待5

さて、上の画像の押し目買いは、同じ緑色レベルで同じレジスタンスに到達した押し目買いなんですが、こちらの場合は抜ける期待が持てるんですね。

どうしてでしょうか?

もちろん、チャートポイントを抜ける期待を持つ為にはいくつかの根拠が必要です。

抜ける期待6

まず、到達しているレジスタンスを上抜けるだけの力をもった上位レベルの押し目買いの展開になっていること。

つまり、緑色レベルの上昇トレンドが継続できる程レジスタンスは弱くなかったわけですが、緑色レベルよりも強い上昇トレンドでありレジスタンスよりも力のある上昇トレンドであれば上抜けるわけです。

レジスタンスからの下降波が下降調整波として見立てられる時間軸レベルにおいて、他の相場参加者が「調整完了」という認識が大勢を占めているという状況ですね。

上の画像において、上位レベルの波認識で考えて、「レジスタンスに到達して一時的に押しが入った(※先の例で損確になってしまった波)けど、調整完了した」という場面であれば、次はレジスタンスを上抜けていくのが自然な流れですよね。

また、上位レベルの押し目買いではなく、緑色レベルの押し目買いをすることを考えると、上位の押し目買い勢力が高値抜けをする前の攻防が終わっていることが望ましいですよね。

この攻防が終わっていないと、攻防に巻き込まれて緑色レベルの波は再度トレンド転換というリスクを小さくしきれていない可能性があります。

上の画像のように下降調整波にとって重要なレジスタンスを上抜いた等の「攻防の決着がついたと判断できる材料」を確認できていると緑色レベルでの押し目買いでも「レジスタンスを上抜いて伸びていく」という期待が持てますね。

つまり、一回目のレジスタンス到達時にはレジスタンスには緑色レベルの上昇トレンドは転換させて、下降波を発生させるだけの力があったので、「チャートポイントを抜ける準備が出来ていない場面」でした。

ですが、その後にレジスタンスからの下降波が下降調整波として見立てられる上位時間軸において調整完了と判断できるところまでしっかり引き付けた形になり、また下降調整波との攻防も決着が付いた後であれば、今度はレジスタンスからの下降波を期待する相場参加者が少なくなっており、緑色レベルの押し目買いでもチャートポイントを抜けていく期待が持てる場面に変わっているわけですね。

今回、例に出した形はあくまで1例に過ぎず、大事なのはチャートポイントに「反発」を期待する相場参加者の勢力よりも、チャートポイントを「抜ける」と期待する相場参加者の勢力が強くなっていることです。

まとめ

FXは多数決の優勢側にいかに身を置けるかというゲームです。

「買い側」が優勢だと判断すれば買いポジションを建てて、「売り側」が優勢だと判断すれば売りポジションを建てれば良いわけですね。

チャートポイントを抜けるかどうかというのも、基本的には考え方は同じです。

チャートポイントに到達した後、「反発してトレンド転換を期待する勢力」「トレンドが継続してチャートポイントを抜けていくのを期待する勢力」との攻防になるわけですから、どちらの勢力が優勢なのかを見極めるというのが重要なんですね。

到達したチャートポイントが弱ければ、チャートポイントからの反発を期待して注文を入れる相場参加者は少ないわけですから、トレンドが継続しやすいわけです。

到達したチャートポイントが強ければ、チャートポイントからの反発を期待して注文を入れる相場参加者が多いわけですから、そこからチャートポイントの強さに応じたトレンドが発生します。

そのチャートポイントを抜く為には、発生したそのトレンドを抑え込んで、再度倒していくという展開が必要なんですね。

今回は、チャートポイントを抜ける期待が持てる場面にフォーカスした話でしたが、実際には到達したチャートポイントが強いのであれば、トレンド転換を待って逆側にトレードするプランを建てたってよいわけですね。

ですが、到達したチャートポイントからの「反発」を期待する相場参加者と、トレンドの継続を期待する相場参加者のどちらが多いのだろうか?という視点を持ってチャート分析することは、トレードプランの王道である「押し目買い・戻り売り」の精度をあげるコツだったりします。

冒頭に書いたような、ただ押し目買いの形を見つけただけで、環境認識もせずに上昇トレンドが継続していくようなイメージを持つのはただの妄想に過ぎないのですが、それでも勝ててしまったりするのがFXの難しいところです。

勝ててしまうと、自分の考え方が正解だと勘違いしてしまい、なかなか修正が出来ませんので、必ずトレード成績は大数的に捉えて判断しましょう。

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