FXのチャートパターンから学ぶ「本質」【フラッグ編#2】

アイキャッチ画像トレード手法

「フラッグ」をFXチャートで確認

以前、「フラッグ」というチャートパターンの本質について記事を書きました。

FXのチャートパターンから学ぶ「本質」【フラッグ編#1】
FXのチャートパターンの中で「フラッグ」はトレンドの「継続」のサインだと言われています。なぜ「フラッグ」がトレンドの継続を示唆するようなチャートパターンなのか、本質的な部分から考察してみます。

「フラッグ」はトレンド(波)の継続のサインとされるチャートパターンですが、今回はその「フラッグ」のチャートパターンを実際のFXのチャートで確認してみます。

フラッグ2-1

上の画像は緑色の波レベルにおいて上昇トレンド中のFXチャートですね。

この画像の中に「フラッグ」のチャートパターンがあるのですが、分かりますでしょうか。

もちろん、チャートパターンの認識はトレーダー次第ではあるので、これをフラッグと認識しないトレーダーもいると思いますが、一応下の画像のようにフラッグを認識することも出来ます。

フラッグ2-2

左の上昇推進波が「フラッグポール(旗棒)」で、右の下降調整波の水色枠の部分が「フラッグ(旗)」という捉え方ですね。

下降調整波にトレンドラインを引いて、トレンドラインに平行にチャネルラインを引いてみると、風になびくフラッグ(旗)のように見えますね。

チャートパターンの「フラッグ」として他の相場参加者も認識して、トレンド継続のサインとなるかはそのフラッグのなびき方にあって、2つのポイントがあるのは上記に紹介した記事にも書いた通りです。

簡単には「フラッグの形」と「フラッグポールとの関係性」ですね。

形も関係性も条件を満たしているので、「フラッグ」のチャートパターンと認識しても良いと思います。(※もっとフラッグぽいチャートもあると思いますが、、、)

さて、この「フラッグ」が形成された展開を少し詳細に見てみます。

フラッグ2-3

下降調整波がサポートに到達した時に押し目買い勢力が入ってきて上昇波が発生しています。

この上昇波が下降調整波を崩す程ではなく、再度下落する流れですが、下降波も安値を下抜けても大きく伸びていくわけではなく、すぐにサポートからまた買い勢力が入ってきて上昇波が発生します。

一応、売り勢力の方が若干強いことで、緩やかに下落していく「下降調整」の展開ですが、各サポートから度々買い勢力が入ってきて上昇波を作ることで、「フラッグ」の中に収まっているわけですね。

そして、「本命」となったサポートから発生した上昇波が下降調整波のダウ高値を上抜けることで、水色レベルでも上昇トレンドに転換して、その後そのまま上昇推進波が再開していくような流れでした。

やはりポイントは下降調整の展開ではあるものの、同じくらい強い上昇波が度々発生して、フラッグの中の収まっているということ。

この上昇波を生んでいるのは、水平線だったり、それこそチャネルラインだったり、他のテクニカル分析の要素かもしれませんが、このエリアで上昇推進波の再開を期待する相場参加者が潜在的に多いことから、下降波が伸びづらく、ちょっとした買い材料から上昇波が発生しやすく、結果的に時間が経った時に「フラッグ」のチャートパターンになっているという感じです。

下降調整の展開が始まった時から、「フラッグ」になるだろうなんて誰にも分らず、トレーダーによって認識の仕方に差異はありますが、下降調整が進むにつれて「あれ?これはフラッグだな」という風になっていくわけですね。

フラッグ2-4

「フラッグポール」は上昇推進波ですから、その中では下降波は小さいわけです。

そして、「フラッグ」である下降調整波の中であっても、上昇推進波の再開を期待する相場参加者達が多いことから、上昇波が比較的に大きく発生することで、ゆるやかな下降調整になっているわけですね。

「フラッグ」が認識されたから、その後緩やかな下降調整が続くというのも一つのメカニズムでもありますし、そもそも上昇推進波の再開を期待する相場参加者が多いエリアだからフラッグのような形の下降調整波になっているというのも1つのメカニズムですね。

なので、「フラッグ」のチャートパターンのような下降調整波が出来上がる場面は、「上昇推進波の再開を期待している相場参加者が多いのでは?上昇トレンドが継続するのでは?」という予期に繋がるわけです。

さて、上記に紹介した記事にも書きましたが、「フラッグ」のチャートパターンが形成されたからといって必ず、トレンドが継続するわけではありません。

もっと大きな力によって否定されてしまうことはもちろんあるわけです。

もっと大きな力というのは、上位時間軸の力ですね。

フラッグ2-5

上の画像も緑色レベルで上昇トレンドであり、水色枠の「フラッグ」が形成されています。

サポートゾーンから押し目買い勢力が入ってきて、上昇波が発生していますが、下降調整波のダウ高値を上ヒゲで抜けきれずに、その後は大きく下落していく展開でした。

つまり、上昇トレンドが継続しなかったわけです。

さて、この場面を上位時間軸で確認していみます。

フラッグ2-6

4時間足レベルでは下降トレンドであり、下降推進波の戻り売りが入ってくるポイントだったんですね。

M30レベルでは上昇トレンド中であり、下降調整の局面に見えていましたが、下降調整波と見立てていた波は、実は上位時間軸の推進波の戻り売りが入り始めた波だったわけです。

なので、M30レベルだけ見ていれば、「上昇トレンドの継続」となるのが素直な展開に見えますが、上位時間軸からしても、ここから戻り売りが入って下降推進波が発生していくのはやはり素直な展開と言えるわけです。

すると、攻防になった時には上位時間軸側が調整十分な展開であれば、やはり上位時間軸側に軍配が上がるのも必然だと言えます。

まとめ

フラッグ」のチャートパターンを実際のFXチャートを使って見てみました。

本質的には「トレンドの継続」、つまり推進波の再開を期待する相場参加者が潜在的に多いエリアにおいて緩やかな調整波が発生した時に、「フラッグ」と認識されるような形になることがある、ということ。

「フラッグ」と認識する相場参加者が多ければ、フラッグの中に収まるように価格が動きやすくなる力が働きます。

フラッグを支えているトレンドラインを抜けたことや、その調整波のダウ高値・安値を抜けたことなどを契機に推進波が再開しやすい地合いが出来ているということですね。

そして、フラッグの「トレンド継続」のサインとして機能しやすいというのは、「上位時間軸が敵対していなければ」という条件付きでもあるということ。

上記で紹介したような、上位時間軸の敵対する要素と反するように「フラッグ」が出来上がった場面というのは、往々にして判断が難しい場面だと言えます。

「フラッグ」が出来上がっているということは、少なからず推進波の再開、つまりトレンド(下位)の継続を期待している相場参加者が存在している証跡ではあるが、それが上位時間軸の敵対する要素を崩せる程なのかどうかという判断は難しいわけです。

上位時間軸の敵対している要素が明らかに弱いと判断出来る場合には、フラッグに乗るのもアリだと思いますが、基本的には上位時間軸を味方にしているような状況でトレードをしたいところですね。

上位時間軸も味方にしているような環境で取引時間軸で「フラッグ」が出来た場合は、そのフラッグ(旗)には「追い風」が吹いているということです。

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