FXの押し目買いの敵「再調整」って何!?

アイキャッチ画像トレード手法

そもそも「調整」とは

FXのトレード手法において王道である「押し目買い・戻り売り」をメインにトレードをしている方も多いと思います。(以下、押し目買いを中心に書きますが、戻り売りも逆に同様)

押し目買いのトレードの狙いを簡単におさらいすると、取引時間軸の上昇トレンドの一時的な下降である「押し」の反転を狙って、ポジションを取り、上昇トレンドが再開した時の推進波に乗って、利益を上げようというトレード手法ですね。

「推進波」「調整波」については下の記事を読んでみてください。

FX用語解説「エリオット波動」
ラプラスFXの用語解説。「エリオット波動」について説明。有名なテクニカル分析ですが、波の数え方や、波動の型よりも、「推進と調整」「第3波」「フラクタル構造」という本質をトレードの考え方に取り入れたい。

上昇トレンド中に一時的に押しが入る理由は色々です。

利確する人がいたり、別の視点から見た新規の売りだったりという勢力が一時的に買い注文の勢力を上回ったという結果です。

再調整1

この下降調整波は、あくまで一時的に下降してきているに過ぎないという考え方の人達は、「しめしめ、また価格が上がるはずなのに、価格が下がってきたぞ、なるべく安いところで買いたい」と思うわけです。

この後、価格が伸びる展開になるのであれば、なるべく安いところでポジションを建てることが出来れば大きな利益になりますよね。

しかし、なるべく安いところまで下がるのを待ち過ぎてしまうと、上昇が再開して、また価格が高くなってしまったら、買いづらくなってしまいますよね。

なので、上昇トレンドの再開に乗りたい人達に、どこかの価格まで下がってきたら、上昇が再開する前に買いポジションを建てようという動きが発生します。

また、下降調整波が止まって、推進波が再開したようなタイミングで慌てて飛び乗ってくる人達も発生します。

そして、そのような買い注文の量が増えて、下降調整波を反転させることになることを「調整が完了した」と呼んでいます。

つまり、「調整」というのは、上昇トレンドが継続する展開において、価格が下落していき「十分安い価格まで下がった」という判断を多くの相場参加者が下して買いに転じる為「準備」のようなものなんです。

再調整2

十分に安い価格まで下がった後に、上昇する景色を見ると、「もう行ってしまう」「上昇に乗り遅れてしまう」という人達も増えて、買い注文の量が増えます。

そして、それらの買い注文の量が下降調整波の売り注文の量を上回っていくことで、上昇推進波が発生していきます。

この相場参加者の多くに「十分に安い価格まで下がった」と判断されることを「調整が完了した」と呼んでいます。

「再調整」とは

さて、上記の話を踏まえまして「押し目買い」をした時に、こんな負け方をした記憶がある方は多いのではというパターンを紹介します。

下の画像を見てください。

再調整3

これが「再調整」の展開です。

上の画像であれば「サポート」の価格まで下落したことで、「十分に安い価格まで下がった」「調整が十分」だと思った人達が少なからずいたので、一度価格が上昇していきます。

しかし、そういった考えを持った人達が、相場参加者の中では十分に多くなかった場合、推進波再開とまでは買い注文の勢力が大きくなりません。

「まだ、十分に安いとは思えない」「もう少し下がってくるのでは」

そういう思惑の人達が多ければ、下降調整波が形を変えて継続するように、再度下落をしてきます。

そして、相場参加者の多くが「十分に安い価格まで下がった」「調整が十分」と判断する価格まで、下がっていくんですね。

つまり、再度「調整」をする展開ということです。

これが「再調整」です。

この展開で、押し目買いが失敗に終わってしまった経験がある人は多いのでは。

さて、「再調整」の根本的要因は、上の画像であればサポートの価格を「相場参加者の多くが十分安いと判断しなかった」ことです。(※本当は横軸「時間」の調整問題もありますが、今回は割愛)

つまり、多くの相場参加者が「調整が不十分」と判断した結果ですね。

ここで、「再調整」という結果を作った「勢力」はなんでしょうか?

それは「戻り売り」勢力なんです。

何の戻り売りか?

それは、「下降調整波」を親とした戻り売りなんですね。

つまり構図としては

上昇推進波再開 押し目買い勢力 VS 下降調整波継続 戻り売り勢力

の戦いだったんです。

そして、「調整が十分」と判断する相場参加者が多ければ、「押し目買い勢力」の方が本来多いはずなのが、上昇トレンドですよね。

ですが、「調整が不十分」と判断する相場参加者が多かったので、「戻り売り勢力」の方が勝って、「再調整」の展開になったわけです。

再調整4

上の画像、取引時間軸では「上昇トレンド」ですが、時間軸レベルを変えれば「下降調整波」も立派なトレンドだったりします。

なので、「下降調整波」を親とした「戻り売り」を考える人がいるのも当たり前なんですね。

ですが、下降調整波からすると「上位」である取引時間軸は上昇トレンドであるわけなので、本格的に上昇推進波が発生してくる展開になれば、下降調整波の戻り売り勢力も弱まって飲み込まれる形で上昇推進波が伸びていく、というのが上昇トレンドが継続するシナリオなんですね。

実際のチャートで確認

「再調整」について、実際のチャートで見てみましょう。

さっそく、下の画像です。

再調整5

上の画像は、緑色レベルの波において下降トレンドです。

緑色レベルの波において戻り売り勢力が入ってきて、下の安値を抜いていくことになった場面です。

そして、この場面にも「再調整」があったのが分かるでしょうか。

画像の中で下のレジスタンスで上昇調整波が一度抑えられた時に、ダブルトップの形になって、ネックラインを割りました。

このレジスタンスまでの調整波の上昇で「調整十分」と考えた人達が少なからずいたので、ここから下落していきます。

そして、上昇調整波も立派なトレンドではあるので、押し目買い勢力がサポートで入ってきます。ここで、

下降推進波再開 戻り売り勢力 VS 上昇調整波継続 押し目買い勢力

本来であれば、「上位」である戻り売り勢力が勝ってもおかしくなさそうですが、相場参加者の多くは「調整不十分」と判断したことによって、戻り売り勢力よりも押し目買い勢力の方が強かったんですね。

結果として、戻り高値になる想定だったレジスタンスで出来た高値を上抜けてしまい「再調整」の展開になりました。

戻り売り勢力の人達の中には、損確の置き場所によっては、損確することになった人もいるはずですね。

さて、その後上昇調整波がさらに上昇して、別のレジスタンスに到達します。

このレジスタンスでも「調整十分」と考えた人達がいたので、戻り売り勢力などの売り注文が集まって、下落していきます。

また、上昇調整波の押し目買いがサポートで入ってきますが、、、

今回は、「調整十分」と判断して、下落してきている戻り売り勢力が本命だと考えた人達が多かった為、買い注文の人気はさほど集まらず、小さな反発を作っただけで下抜けていくことで、下降推進波を発生させていく展開になりました。

下降トレンドの中、相場参加者の多くが調整波の上昇を「調整十分」と判断するということは、上昇調整波の買い注文が減って、下降推進波の戻り売り注文の人気も増えますので、注文の人気の偏りが出来やすく、強い推進波が発生しやすくなります。

まとめ

「調整」というのは、上昇トレンドが継続する展開においては、価格が下落していき「十分安い価格まで下がった」という判断を多くの相場参加者が下して買いに転じる為「準備」のようなもの。(※下降トレンドも逆に同様)

「再調整」とは、押し目買い勢力が発生したものの、「調整不十分」と判断する人達が多かった為に、推進波が発生せずに、再度「調整」する為に調整波が形を変えて継続する展開。

では、トレードをするにあたり、どうやってこの「再調整」のリスクを対処すればよいのか?

それについては、別の記事で書きます。

が、まずは「調整」そして「再調整」が起きる背景や仕組みを理解しておく必要がありますので、頭の中を整理してみてください。

そして、「再調整」の場面を実際の過去チャートなんかでチェックしてみると、対処方法はおのずと見えてきたりします。

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