FXで「波のリズム」が変わる場面をチャートで解説

トレード手法

波のリズムが変わる場面

FXのチャート分析をする時の基本である「トレンド(波の流れ)」「チャートポイント(波止場)」の把握ですが、そのトレンドは基本的には「推進→調整→推進」と繰り返しながら、伸びていきます。

これが「波のリズム」です。

そして、この波のリズムは永久には続きません。

波のリズムが変わる時が訪れるんですね。

それが、この波レベルにおいて「上位のレジスタンス」に到達した時なんです。

詳しくは、下の記事を読んでみてください。

FXで「推進→調整」のリズムが変わるタイミングとは?
FXで「推進→調整」のリズムが変わるタイミングを知ることは、チャート分析の「基本」の話に繋がったりします。

さて、今回はこの波のリズムが変わる場面を実際のFXチャートを見て解説します。

まずは下の画像を見てください。

変化タイミング2-1

上の画像は、緑色レベルの波認識においての上昇トレンドの波のリズムが変わって、トレンドが転換していった場面です。

直前の部分で、ダウ安値に対してオーバーシュートして下ヒゲでサポートされてから上昇トレンド継続という少し特殊な形ではありますが、その後ダウ安値をはっきり下抜けて、トレンド転換していく展開です。

このFXチャートの展開を「推進→調整」の概念を持って、解説します。

レジスタンスに到達して、調整波が発生した辺りから、細かく見ていきます。

変化タイミング2-2

レジスタンスに到達した為に「下降調整波」が発生しました。

このレジスタンスの評価は後に置いておきます。

この緑色レベルの波においては「上昇トレンド」ですので、やはり「押し目買い」が入って「上昇波」が発生しました。

上昇トレンド中なので、この上昇波は「上昇推進波」という見立てであり、上昇トレンド継続派にとっては、上の画像の水色の波のような展開をイメージしています。

さて、続きを見てみましょう。

変化タイミング2-3

先ほどの展開で発生した上昇推進波が下位レベルのレジスタンスに到達して下降調整波が発生。

この調整に対して、さらに押し目買いが入る形で再度上昇。

上昇トレンド継続派からすると、この上昇波ももちろん上昇推進波。

上の画像の水色のような展開をイメージしていますね。

さて、さらに続きです。

変化タイミング2-4

上昇するかと思いきや、レジスタンスゾーンを抜けれず、むしろ跳ね返されて押し安値を下抜けてしまいました。

この押し安値は下位レベルにおいては「ダウ安値」でもあるんですが、この安値を下抜けたことで、初めて「上昇トレンド継続派」にとっては、「あれ?」という悪い材料が出てきました

下位レベルにおいての押し目買いの失敗ですね。

ですが、緑色レベルの波において、ダウ理論ベースで判断する時、トレンド転換の急所となる安値はまだ割られていません。

なので、緑色レベルの上昇トレンド継続の目は残っているわけです。

そこで、上の画像の上昇推進波の急所のサポートからの再上昇で上昇トレンド継続すると考える人達、またそういった勢力をケアしての決済(買い注文)が入って、サポートゾーンでは反発しました。

そして、先ほどの下位レベルのダウ安値がレジサポ転換する形でレジスタンスとなり、間で持ち合うような展開になりました。

この持合いの構図は、大別すると「先ほどの下位レベルのダウ安値を下抜けて、下降トレンド発生」と考える人達と、「緑色レベルでの上昇トレンド継続」と考える人達の攻防です。

さて、続きを見てみます。

変化タイミング2-5

先ほどの攻防を売り勢力側が制して、サポートゾーンを下抜けていきました。

そして、その勢いのまま、緑色レベルの上昇トレンドの急所であるダウ安値を下抜けていき、ダウ理論ベースでは上昇トレンドが終了しました。

結局、一番上のレジスタンスに到達した後は、「売り勢力」が優勢のエリアだったということですね。

変化タイミング2-6

結果からみると、レジスタンス到達後に「波のリズム」が変わっていたということ。

「推進上昇波」「推進下降波」「上昇調整波」「推進下降波」

「推進→調整」のリズムが変わって、「推進→推進」を経て、トレンド転換していった場面でした。

もちろん、これは相場参加者の総意の結果としての話ですね。

「下降トレンドに転換派」「上昇トレンド継続派」の両方が存在していた為、上記のような展開になり、多数決として「下降トレンドに転換派」が多かった為に、下降トレンドに転換していったわけです。

では、上昇トレンド継続派からすると、どのあたりで自分達が「少数派」であることに気づけたでしょうか?

変化タイミング7

上の画像の通り、①→②→③の順番で「上昇トレンドは継続しないかも?」と気づけるチャンスがあったと言えます。

もちろん、タイミングの早い材料であればある程、弱い材料ではありますので、メリット・デメリットはそれぞれあります。

トレードプランを考えてみる

さて、一番最初の方に「レジスタンスの評価」を置いておいたの覚えていますでしょうか。

そうなんです、この場面を解説するうえで、欠かすことが出来ないのが「レジスタンスの評価」なんです。

つまり、この「レジスタンス」はいったい何なのか?ということです。

その為には「環境認識」ですね。

FXの話をしていると、関連してやっぱり登場してしまうワードですね。

さっそく、上位で確認してみます。

変化タイミング2-8

上位である「H1」のチャートで見てみると、なぜ上昇トレンドのリズムが変化して、トレンド転換していったのか理由が見えてきますね。

上位は下降トレンド中であり、本命のレジスタンスゾーンに到達して、上位の戻り売りが入ってくる場面だったんですね。

解説の場面で到達した一番上のレジスタンスはタダのレジスタンスではなくて、緑色レベルにとっては「上位の戻り売りが入ってくる本命のレジスタンス」だったから、波のリズムが変わったわけです。

つまり、先ほどの解説していた緑色の上昇トレンドは、上位においては「上昇調整波」だったわけです。

ここで勘違いして欲しくないのが、では上の解説の中で一番上のレジスタンスに到達した「上昇推進波」がそもそも「上昇推進波」ではなかったのか?というとそういうわけではありません。

波のレベル感の違いです。

「上位の上昇調整波(緑色の上昇トレンド)」を構成している「上昇推進波」だったということですね。

フラクタル構造の話なのでちょっとややこしいですが、今回の本テーマではないので、重要なポイントではありますが、詳細な説明は他の記事に譲ります。

さて、今回解説した場面で「トレードプラン」を考えてみます。

少し詳しく見る為に「M30」のFXチャートで見てみます。

変化タイミング2-9

M30のFXチャートで見ても、上位の環境がよく分かりますね。

さて、この環境であれば下降トレンドなわけなので、本命のレジスタンスに引き付けて「戻り売り」を考えるのが王道ですね。

そして、戻り売りに入るタイミングがトレーダーによって色々あるのですが、ここで先ほど解説した場面が参考になります。

上昇トレンド継続派の人達がいつ「自分達は少数派かもしれない」と気づける材料があるタイミングを3つ紹介しました。

それは、言い換えると「下降トレンドに転換派」にとっては、「上位の下降トレンドの戻り売りが入って、下降推進波が発生する」という予測に対して「自信が深まる」ポイントであるわけなんです。

相手にとって悪い材料は、こちらにとって良い材料ということですね。

もちろん、環境認識とあわせて、どのくらいの材料でポジションを建てていくかというのは、トレーダーのスタイルが別れるところではありますが、上の画像の通りこの3つのポイントは売りエントリーをする候補になってきます。

もちろん、この3つ以外にも戻り売りでエントリーする候補はいくつもあると思います。

今回の「波のリズムが変わる」という視点から材料を探した時に、エントリー候補として見えてくるポイントが上記の3つという感じです。

損確についても、トレーダーのスタイルの違いで別れるところではありますが、下位か取引時間軸レベルの高値やレジスタンスゾーンの上に置いておくのが基本ですね。

実は、この後はこの下降波は上位レベルの安値も下抜けてはいきますが、そこまで大きく伸びずに上昇反転していきます。

利確については、またさらに上位のチャートを分析する必要がありますが、今回の本テーマではないので、割愛します。

ざっくり、上位の安値到達で手堅く利確したり、そのままホールドしたとしても、下位レベルで上昇反転を確認したら利確するなどの方法で良いかなと思います。

まとめ

実際のFXチャートで「波のリズム」が変わる場面を解説しました。

波のリズムが変わる時は、基本的には背景に「上位のチャートポイント」があるということ。

また、「車は急に止まれない」と同じように、相場参加者の目線が急に全員変わるわけではないので、多くの場合はそれまでの「トレンド継続派」と「トレンド転換派」の攻防になって、トレンド継続派にとって「悪い材料」が段階的に発生して、転換していくことが多いです。

もちろん、上位のチャートポイントがとても強く、一気にトレンド転換という場面もありますが、多くの場合はある程度、それまでのトレンド継続派がある程度存在することから、複雑なチャートの形になることが多いです。

その複雑なチャートの形も、1つ1つの波の「意味」を考えながら見ていくと、「急所・要所」が見えてきます。

そういった「急所・要所」といったチャートポイントを抜けた・割れたというはチャート分析においては「材料」なので、トレードプランに組み込んだり、また時間軸によっては環境認識の一部になったりします。

FXの通貨ペアの価格が「多数決の原理」で動く以上、FXは「多数決の多数側にどれだけポジションを取れるかというゲーム」とも言えます。

その為に、「他の相場参加者が何を考えているのか」をチャートを通して把握することが、チャート分析なわけです。

今回のトレンドの「リズムの変化」という概念も「他の相場参加者の声を聴く」方法の1つと言えます。

他の相場参加者の心理に常に気を配るのは、期待値の高いトレードをする重要なコツです。

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