「スタイルの違い」実際のFXチャートで確認
ラプラスFXの記事で時々使われる「スタイルの違い」という表現について少し深堀する記事を前に書きました。
今回は、実際のFXチャートを使って、もう少し深堀してみたいと思います。
上はM5レベルの上昇波に対して押し目買いが入って、再度上昇推進波が再開していった場面ですね。
この上昇波に対して、上の画像の水色枠で押し目買いを考えた相場参加者が多かった為に、下降調整波を崩して、再度上昇していったわけです。
さて、この水色枠の中で押し目買いを狙って買いエントリーをしていったトレーダーの中でも色々なスタイルの違いがありました。
まず、下降調整波を引き付けたい押し目買いの本命のチャートポイントがどこになるのか?
上の画像で上昇波のの中でも小さいレンジから強い陽線が発生したエリアがサポートゾーンとして使えそうです。
しかも、ここには水平線も重なっていて、さらに上昇波のFIBO61.8%のラインもちょうど重なっています。
FIBO61.8%のラインがあることからも調整の戻り深度も十分であり、押し目買いの有力な候補だと言えますね。
なので、この押し目買いに使うサポート自体に自信があれば、「一番底」を狙うような形でこのサポートに下降調整波が到達したタイミングや、少し反発を確認したタイミングなどで積極的に買いエントリーしていくスタイルのトレーダーが居ます。
このエリアから買う人も多かったので上昇波が発生しましたが、下降調整波の急所であるレジスタンスゾーンは上抜けることが出来ずに再度、下落してくる展開でした。
しかし、レジスタンスゾーンを上抜けることが出来なかったとはいえ、しっかりした上昇波が発生したことから、この上昇波を親波とした押し目買い、つまり「二番底」をイメージするような買いエントリーを狙っていくスタイルのトレーダーが現れてきますね。
この「二番底」の狙い方の中でも、細かなスタイルの違いはあると思います。
サポートに到達してすぐに買っていくスタイルのトレーダーもいれば、レジスタンスゾーンからの下降波が崩れるのを確認してから買っていくスタイル、様々ですね。
さて、その後サポートゾーンとレジスタンスゾーンとの攻防が出来上がっていますので、上抜けるのを期待して早目に買いポジションを仕込むスタイルもありますね。
もちろん、この攻防を買い勢力が勝利して上抜けるのを確認してから買いエントリーするようなスタイルもあります。
これは、ネックラインでのブレイクアウト手法のようなスタイルですね。
この場面では、この後上昇推進波が再開して上昇していく「押し目買い」としては狙い通りの展開でしたので、上で紹介したような買いエントリーは良い成績を残すことが出来たと思います。(※もちろん、決済の仕方次第ではありますが、、、)
ですが、上の画像のピンク〇印のように、レジスタンスゾーンからの戻り売りを狙った売りエントリーはどうでしょうか?
決済次第にはなりますが、先程の押し目買いの買いエントリーと比べて、利益を出して終えるのが難しいのが分かるかと思います。
かなり早いタイミングでの早仕掛けでサポート下抜けを期待せずに、手堅く利確していれば、なんとか利益を出せているかもしれませんが、押し目買いの買いエントリーと比べて、苦戦を強いられたのは間違いですね。
この場面この取引時間軸レベルにおいて重要だったのは、サポートゾーンに到達後は、「買い勢力」側に付くことだったと言えます。
つまり、「買い勢力」側が「勝ち馬」だったわけです。
重要なのは、「勝ち馬」に乗ることです。
上で紹介したようなスタイルの違いは、「勝ち馬の乗り方」の違いなんですね。
乗り方は違えど、利益を上げられるトレーダーは常に「勝ち馬」を選ぶ能力に長けているという共通点があるわけです。
もちろん、どのタイミングで馬に乗り、どのタイミングで馬から降りるかという判断も重要でないわけではありませんが、それよりも重要なのは乗ろうとしている馬が「勝ち馬」であるかどうかということなんですね。
まとめ
勝ちトレーダーの共通点は「勝ち馬」を選ぶ能力が長けていることであり、どのタイミングで乗って、どのタイミングで降りるかは勝ちトレーダーの中でもそれぞれ違いがあって、それは「スタイルの違い」の範疇と言えます。
ちなみに、今回の場面で別のサポートが気になった方もいるのでは?
上の画像の、サポートゾーンより少し手前の水平線ですね。
ここは、2点通っている水平線で、戻り深度も上昇波に対してのFIBO50%以上であり、押し目買いの候補ではあります。
このサポートから押し目買いを考えた相場参加者もやはり居たようなので、実際にもここから上昇波が発生しています。
しかし、買い勢力が多くはなかったので、下降調整波を崩すことが出来ずに作った押し安値候補を下抜けてしまう展開でした。
損確をタイトに設定していれば、一度損確になってしまったかと思いますが、そのような狙いのトレーダーであれば、次の本命のサポートゾーンからの反発でまた買いエントリーをしているはずですよね。
2回目のエントリーで上手く利益を上げていれば、トータルではプラスになっていると思います。
なので、スタイルの違いがあれば、他の押し目買いトレーダーとは違い一回負けるというトレードがあったかもしれませんが、「勝ち馬」を選んではいたので、トータルでは利益が出たということですね。
ただし、これが全然期待できないようなポイントでエントリーを繰り返して不毛な負けを重ねているようだと、さすがに「スタイルの違い」とは言えない範疇になってきますよね。
なので、勝ちトレーダーの共通点とは厳密に言うと、「勝ち馬を上手に乗る」ということなんですね。
「勝ち馬」を選び、そしてある程度「上手」に乗ることが求められます。
この乗り方の部分が上手なトレーダーは、間違って「負け馬」を選んで乗ってしまったとしても、微益を上げたり、微損で撤退出来たりということが出来るんですね。
ですが、それでも常に「負け馬」を乗り続けていれば、乗り方が上手でもやはりトータルで成績を上げるのは難しくなってしまいます。
なので、まずはしっかりと「勝ち馬」を選ぶことが重要なんですね。
今回の場面でいえば、しっかりとした上昇トレンドが出ているので素直に「押し目買い」など、買い勢力側に付く形でトレードプランを立てれば良かったのですが、実は環境認識的には結構難しい場面でもありました。
やはり、環境認識というのはFXチャートがフラクタル構造になっている以上、複数の時間軸のチャート分析を統合的に判断する必要が出てきますので、経験が必要になってきます。
なので、デモトレードなどを何度も繰り返して、精度の高いチャート分析が出来るように「技術」を身につける必要があります。
ローマは一日にして成らず
地道な「努力」こそが、遠回りに見えて、目的のゴールへの最短距離だったりします。