「底値」を見分ける
前に「底値」を見分ける3つのコツという記事を書きました。
FXのトレード手法としては王道な「押し目買い(戻り売り)」の場面なんかに関係してくる話ですね。
前の記事では押し目買いの場面での底値の話で進めましたが、戻り売りでも逆に同様です。
つまり、「戻り売り」をする場面での「天井値」ですね。
ちなみに3つのコツとは①「チャートポイント」②「反転の確認」③「戻り深度」でした。
この底値(天井値)を見分ける3つのコツについて、実際のFXチャートを使ってみてみたいと思います。
戻り売りの場面の天井値でも同様ですので、今回は天井値で確認します。
上の画像は、重要な安値(サポート)を下抜けることが出来た下降波を下降推進波と見立てて、戻り売りを狙う場面です。
さて、上の画像の緑色〇印のところから戻り売り勢力が入ってきて、下降波が発生しました。
この時点で緑色〇印は「天井値(底値)」になりそうでしょうか?
「チャートポイント」は一応レジスタンスにH1レベルでは上抜けてしまっていますが、H4レベルでは上ヒゲで抑えられていますので、要素としてはありそうです。
ですが、戻り深度はFIBO38.2%程と浅く、上昇調整波の反転の確認の要素も乏しいですね。
実際、上昇調整波がもう少し深いところまで進むだろうという考え方をした相場参加者の方が多く、サポートで買い支えられた勢力との攻防になり、結果的に戻り高値候補を上抜けてしまい「再調整」の展開でした。
さて、その後の水色〇印の所から戻り売り勢力が入ってきて下降波が発生しました。
この時点で水色〇印は天井値(底値)になりそうでしょうか?
注目度の高いレジスタンスからの反発であり、戻り深度も十分深いですね。
先程よりも、天井値(底値)になりそうな材料があります。
ですが、一つ欠けているとしたら、まだ上昇調整波を崩したとする材料が乏しいということですね。
実際、先程の攻防になったゾーンの上限がレジサポ転換して機能して買い支えられた後、再度レジスタンス付近でWトップ(下位レベル)の絵を描いた売り勢力と攻防になりますが、ネックラインのサポートからまた買い支えられて、結果的に上に抜けていきました。
波レベルにもよりますが、少なくともこの上昇調整波レベルにおいて、上昇調整波が崩れそう?と感じさせるレベルの「サポート下抜け」の材料が出てきていないんですね。
この水色〇印のポイントはチャートポイントの注目度、戻り深度は十分要素として満たしていましたので、後は上の画像に示したような「サポート下抜け」の材料でもあれば、天井値(底値)になった可能性は十分高かったと言えます。
次にピンク色〇印の所から戻り売り勢力が入ってきて、下降波が発生しました。
この時点でピンク色〇印は天井値(底値)になりそうでしょうか?
チャートポイントは急所のレジスタンスゾーンであり、戻り深度は十分に深い。
そして、下降波がWトップのネックラインを下抜けることに成功しています。
天井値(底値)になりそうだと判断する材料は揃っていると言えます。
上の画像の通り、上昇調整波を構成する緑色レベルの上昇トレンドのダウ安値でもあったWトップのネックラインを下抜けたという材料が大きかったと言えます。
特に、1時間足でネックラインを下抜けることが出来た大陰線は注目度が高く、その後抵抗の押し目買い勢力との攻防になった際も、この大陰線の急所のレジスタンスゾーンで売り圧力が抑えて、そこから再度下落していく展開になっています。
さて、今回は3つの天井値(底値)の候補を見てみました。
一つ目の緑色〇印のポイントは、やはり材料が足りなかったかなと。
二つ目の水色〇印のポイントは、チャートポイントの注目度と戻り深度という材料は揃っていましたので、上位環境次第ではここから下降推進波が再開することは十分期待できるポイントだったと思います。
慎重を期すなら上記したような「サポート下抜け」の材料も確認すればより確度は上がります。
ですが、スタイルによっては早仕掛けをして、損確になっても仕方ないといえるポイントでもあったと思います。
三つ目のピンク色〇印は戻り売り勢力側からすると最後の砦ですよね。
「チャートポイント」「戻り深度」「反転の確認」の要素をすべて揃えていたので、天井値(底値)になると判断する根拠は十分でした。
まとめ
さて、底値の見分け方の3つのコツというテーマで実際のFXチャートの場面を確認してみました。
今回は、この深さまで上昇調整波が押し込んできたということは、上昇調整波側もそれだけ強かったということですね。
上位環境的に上昇調整波側がもっと弱い場面であれば、水色〇印付近に天井値が出来て、下降推進波が再開という展開は十分あり得るわけですね。
もっとパワーバランスが偏りが強い場面であれば、緑色〇印付近に天井値が出来ることもあり得ます。
なので、どこが底(天井)になるかは、上位環境次第でもあるということは当たり前ですが、要素としてはあるわけです。
簡単に言ってしまえば、推進波となる勢力側がパワーバランスとして強ければ強い程、調整波は弱く、戻り深度は浅くなる傾向にあるわけです。
そして、少ない材料でも推進波が再開しやすいとも言えます。
よって、環境認識によってどちらの勢力がどのくらい強いのかというイメージを持っておくことも大事ですが、やはり取引時間軸における材料が揃っている方が判断の精度は上がります。
ですが、材料を揃えれば揃える程、確度が上がるのは当たり前の話です。
材料を確認しすぎると、今度はエントリーを考えた場合は、遅すぎるということになるんですね。
遅すぎるというのは、トレード効率が悪いということです。
なので、トレーダーはデモトレードを繰り返して、早すぎず・遅すぎずの判断のタイミングを掴む必要があるんですね。(※この範囲の中で「スタイルの違い」があります)
最後になりますが、当たり前ですが大事なことなので繰り返し書いておきます。
今回の戻り売りの場面で天井値(底値)を見分けること以上に重要なのは、今回でいえば親波の高値を抜けてしまったら、損確をしっかりとすることですね。
材料をしっかり集めて底値(天井値)を見分けたつもりでも、自分の予測が外れてしまっていることはあるわけです。
そういった時に、当初のトレードプランの核となっている根拠が崩れてしまった時には潔く損確をして撤退をし、資金管理を徹底することが何よりも重要ですね。