FXの「材料の大きさ」は発生する影響力に比例する#2

アイキャッチ画像トレード手法

「材料の大きさ」を考えるポイント

FXは、買い勢力と売り勢力のどちらが優勢なのかを判断して、いかに優勢側に身を置けるかというゲームですよね。

どちらが優勢なのかを判断する為にチャート分析をするのですが、それはチャート上に発生する「材料」を見極めることだと言えます。

ここでいう「材料」とは、「サポートを下抜けた」とか「ダブルボトムのネックラインを上抜けた」とか、のチャート上で確認できる事実・情報のことです。

「水平線を抜けた」という材料以外にも、「陽線で確定」「サポート上で下ヒゲ」「トレンドラインを抜けた」など、チャート上には非常にたくさんの情報・材料が存在しています。

その中から、トレーダーは自分でどのテクニカル分析を用いて、どういった材料を導き出して、どのように着目するか、というのがチャート分析なわけです。

そして以前、この「材料」には「影響力」という概念があることを解説しました。

FXの「材料の大きさ」は発生する影響力に比例する#1
FXのチャート分析において、チャート上に出現する「材料」を統合的に判断する必要がありますが、今回は材料の「影響力」という概念についての導入の記事です。

つまりは「材料の大きさ」を把握したいということですが、今回は「材料の大きさ」について考える時に注目したいポイントについて深堀したいと思います。

 

①「時間軸レベル」

まずは、一番分かりやすい「時間軸レベル」という考え方。

これは単純にその材料の時間軸レベルが大きければ大きい程、材料が大きくなる傾向になる、つまり材料の影響力が大きくなるということです。

「1分足の水平線を上抜けた」という事実が相場参加者に与える影響力よりも、「日足の水平線を上抜けた」という事実が相場参加者に与える影響力の方が大きいということですね。

影響力2-1

例えば、上の画像のように「レジスタンス(H4)」を上抜けたという材料であれば、その後に次のレジスタンス(H4)までの間にH4レベルより大きなレジスタンスが無ければ、伸びていくイメージは自然です。

これは、レジスタンス(H4)を上抜けたという材料が大きい為、レジスタンス(M15)の下位レベルでは一時的な押しは作れても、その材料を打ち消す程の売り注文を集めるだけの力は無いだろうというイメージですね。

影響力2-2

逆に、上の画像のように「レジスタンス(M15)」を上抜けたという材料だけでは、その材料の時間軸レベルよりも上位の「レジスタンス(H4)」を上抜けて伸びていくようなイメージをするのは不自然ですよね。

もちろん、環境次第の話にはなってきますが、その材料の時間軸レベルに影響力も比例するという考え方です。

「サポート(日足)上で日足のローソク足が長い下ヒゲをつけた」という材料が出たとすれば、この上昇反発のイメージは数日間に渡って相場参加者に影響することがありますよね。

ですが、「サポート(M1)上で1分足のローソクが長い下ヒゲをつけた」という材料での上昇反発のイメージは数分間程しか相場参加者に影響を及ぼさないはずですね。

この日足レベルとかH4レベルとかM15レベルというのは、説明上このように書いているだけで、特に時間軸レベルを決めるルールがあるわけではありません。

自分なりに目線が固定されていれば問題ないです。

 

②「注目度」

さて、小さな時間軸レベルの材料よりも大きな時間軸レベルの材料の方が影響力があるのは分かったかと思います。

次に着目するポイントは「注目度」です。

これは、同じような時間軸レベルの材料でも「注目度の高い材料」の方が影響力が大きいという考え方です。

影響力2-3

上の画像の水色〇印はどちらも、「ピンク色レベルのレジスタンスを上抜けた」という材料が発生した場面ですね。

ですが、下の水色〇印のレジスタンスはダブルボトムのネックラインになっています。

なので、ただレジスタンスを上抜けたというだけでなく、ダウ理論ベースでピンク色レベルの下降トレンドが終了したと判断される「材料」なわけですね。

同じ時間軸レベルでも相場参加者の注目度が違えば、注目度に比例して影響力も大きくなりますよね。

例えば、何度も叩いてから水平線を抜けていく場合なんかを想像すると分かりやすいかもしれないですね。

同じ時間軸レベルの水平線でも、何度も叩いた後に抜けた場合、「何度も売り圧力がかかって強いレジスタンスだったのに、ついに上抜けてしまった、、、それだけ買い勢力が強いということか、、、」と相場参加者に与える影響力が大きくなりそうですよね。

上の例の場合、注目度が高まった分だけ、「買いの材料」としても大きくなっているということです。

 

③「推進・調整」

考察したいポイント3つ目は「推進・調整」です。

これは、何かというと「推進波方向の材料の方が調整波方向の材料よりも影響力が大きい」という考え方です。

影響力2-4

上の画像では、それぞれサポートで買いが入って上昇反発したという「買いの材料」と、レジスタンスで売りが入って下降反発したという「売りの材料」が発生しています。

同じような時間軸レベルの材料ではありますが、緑色レベルで上昇トレンド中であり、この緑色レベルの上昇トレンドがまだ継続しそうな環境であれば、やはり買い勢力の方が多いわけです。

「上昇トレンド中だから、サポートで上昇反発の確認が出来たら買おう」

すると、やはり買いポジションを建てたいと思う相場参加者の方が多いわけなので、「買いの材料」の発生に反応する相場参加者の方が「売りの材料」の発生に反応する相場参加者より多くなるわけですね。

推進波方向に対しての「材料」の方が待っている相場参加者が多いので、材料が発生した時の影響力も大きくなります。

 

まとめ

FXのチャート分析において、「材料の大きさ」を考えるポイントについて深堀しました。

① 「時間軸レベル」
② 「注目度」
③ 「推進・調整」

つまり、時間軸レベルが大きく、注目度が高い、推進波方向の材料はそれだけ影響力が強いということですね。

「材料」というのは、他の相場参加者の声であり、チャート分析するにあたり重要な情報です。

大きな材料というのは、それだけ多数派に傾いているという証跡であり、また大きな材料はその影響力で次の注文を呼び込みます。

例えば、「サポート上で長い下ヒゲで確定」という材料が出たとします。

すると、タイミングは違えどこの材料を機に買い注文を入れる相場参加者が発生するわけです。

材料の影響力が大きいということは、それだけ呼び込む注文の量も多いということです。

それであれば、その材料の影響力に逆らわずに味方にしたトレードプランが有効であることはなんとなくイメージ出来ますよね。

期待値の高いトレードプランを建てるには、やはり強い材料を味方にした方が得策です。

ですが、チャート上にはたくさんの材料が存在します。

強い材料を敵に回さない為にも、逆目線の材料にも気を配る必要もあるわけです。

結果、チャート上の大小さまざまな材料を統合的に判断する必要があるので、チャート分析は難しいんですね。

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