「ブレイクアウト」「押し目買い」とは
FXのトレードを語る時に色々な用語が登場しますが、今回はその中でも「ブレイクアウト」と「押し目買い」についての話です。(※「戻り売り」も「押し目買い」と同様です)
「ブレイクアウト」「押し目買い」はFXのトレードにおいてトレンドフォローのタイミングについて語る時に出てくる用語ですね。
トレンドフォローという言葉の概念も、トレーダーによって違うかもしれませんが、「トレンドの方向に対してポジションを取ってトレードすること」です。
そのトレンドフォローのタイミングについて代表的な2つのタイミングについて。
「押し目買い」は一時的な押しである下降調整波が反転したタイミングで買いエントリーしていく戦略です。
「ブレイクアウト」は高値を上抜けて上昇トレンドの更新が確定したタイミングで買いエントリーしていく戦略です。
上昇トレンドに対して買いエントリーしていく狙いが違うのですが、それぞれメリット・デメリットがあります。
簡単には、「押し目買い」は上昇トレンドの上昇推進波の再開を早目に捉えていこうとする狙いなので、上手く早目に捉えられれば、大きく利益を取ることが出来ますし、上昇トレンドが継続せず損確をする場合も損失を小さく限定出来ます。
しかし、下降調整波の戻り売りから下落していくリスクが残っている為、勝率が低くなりがちです。
この下降調整波の戻り売りから下落していくリスクを排除して、高値の上抜け確認してから買いエントリーするという狙いが「ブレイクアウト」なんですね。
ですが、高値の上抜けを確認してから買いエントリーしている分、押し目買いよりも高い価格でエントリーすることになります。
なので、損失幅は大きく、利益幅は小さくなりがちということですね。
どちらにも、狙いがあって、メリット・デメリットがあるということです。
「ブレイクアウト」であり「押し目買い」でもある?
さて、実際のFXのトレードを考えた時に、どちらか1つの要素しかないトレードという方が実は珍しかったりします。
というのも、フラクタル構造的に波レベル・時間軸レベルが変われば、トレードの見え方が変わったりするからですね。
例えば、下の画像。
緑色の波レベルで考えれば、「押し目買い」の位置ですが、ピンク色の下位の波レベルで考えれば「ブレイクアウト」の位置でもありますよね。
取引時間軸や損確の設定次第で、そのトレーダーがどのようなトレードをしようとしているのかが変わってきます。
上位が押し目買いの環境の中でブレイクアウトのトレードをしようとしているのか?
押し目買いのトレードを考えていて、買いエントリーのタイミングを下位レベルで取っただけなのか?
どちらが正しいとかではなく、自分がどのようなトレードをしようとしているのかを認識していることが重要です。
もう1つ、下の画像。
緑色の波レベルで考えれば「ブレイクアウト」の位置ですが、ピンク色の下位の波レベルで考えれば「押し目買い」の位置にも見えます。
これも、取引時間軸や損確候補の設定次第、どのような狙いのトレードなのかが変わってきますね。
上位がブレイクアウトの環境の中で押し目買いのトレードをしようとしているのか?
ブレイクアウトのトレードを考えていて、買いエントリーのタイミングを下位レベルで取っただけなのか?
トレードプランというのはフラクタル構造を意識して、必ず複数の時間軸の中で認識されるべきものです。
結局、「ブレイクアウト」「押し目買い」というワードは自分の頭の中を整理する為にあるわけで、重要なのはどのような波レベルの波をどのようなリスクを負って、どのようなシナリオで狙っているのかをしっかり認識することです。
1つの波レベルにおいて、「ブレイクアウト」「押し目買い」という認識はもちろん存在しますし、それぞれ有利な場面というものがありますので、取引時間軸のトレードプランとしての使い分けの話はまた別の記事で書きたいと思います。
ですが、トレードプランにつける「名前」よりも、自分がどのようなトレードをしようとしているのかを理解しているかどうかが大事ということです。
まとめ
「ブレイクアウト」「押し目買い」というトレード戦略も、フラクタル構造的に見れば、波レベルの視点が変われば、呼び方も変わるという話。
取引時間軸において自分が建てるトレードプランの「名前」なんて、正直どうでもいいんですよね。
自分がどのようなトレードをしようとしているかを理解してさえいれば。
ただ、勉強する段階だったり、フラクタル構造的に考えるうえで「名前」で認識することは頭の中を整理するのに助けになったりします。
「名前」もとい「名詞」には、2つの役割があると思います。
1つは、誰かに情報を伝える時に共通理解のある「名詞」があると、情報を伝えるのが楽ですよね。
「押し目買い」というワードを使わずに、押し目買いを誰かに説明するとなると、毎回長たらしい説明をしないといけませんからね。
もう1つが、自分の頭の中で整理・認識する為の「名詞」です。
自分の中でこうこうこういった複雑なものをひっくるめて「何々」とする、と決めておけば、その複雑なものごとを名詞1つで認識して考えることが出来るようになりますね。
なので、誰かに伝える為の名詞でないのであれば、自分で勝手に名詞をつけてもいいわけです。
「押し目買い」を自分の中で「早目買い」とか呼んでもいいわけですよね。
ちなみに、僕は好きなトレードプランのことを自分流に名前をつけて「King of Kings」とか「Right Shoulder Attack」とか呼んだりしてます(笑)