FXで微妙な場面は「分割エントリー」がおすすめ

アイキャッチ画像トレード手法

「分割エントリー」とは

FXではチャート分析をして、十分期待値が高いと思える「トレードプラン」を立ててから「エントリー」をしますよね。

「絶対にこの形以外ではトレードしない」というトレードルールを持っているトレーダーも居れば、ある程度のベースになるトレードルールがあってそれ以外は臨機応変に判断するというトレーダーも居ると思います。

FXチャートは同じチャートは存在しませんし、そのルールが適用されるかどうかが微妙な時だったり、またもっと良いエントリータイミングが訪れそうだけど、このタイミングを逃すと完全に乗り遅れてしまいそうな時だったり、、、と色々ありますよね。

そんな時の1つの案として「分割エントリー」という方法があります。

「分割エントリー」というのは、読んで字のごとくですが、本来投入出来るロットを「2分割「3分割」等に小さく分けて段階的にエントリーしていく方法です。

例えば、FX資金が100万円であり、1回のトレードの許容損失割合が2%であれば、1回のトレードの許容損失額は2万円になります。

なので、「2分割」の分割エントリーであれば、最初のエントリーでは許容損失額を「1万円」に抑えて計算したロット数でエントリーをして、次のエントリーで残り「1万円」に抑えて計算したロット数で追加エントリーをするという感じですね。

分割エントリー

2回エントリーしているのですが、合計で「2万円」のリスクなので、本来の許容損失額内にリスクコントロールされています。

なので、2回目のエントリーをした後に、価格が逆行して建玉が2つとも損確になったとしても、損失は「2万円」です。

もちろん、最初のエントリーの後に追加でエントリーするような展開にならずに、損確になった場合は、損失は「1万円」なので、本来の半分の損失になっています。

分割エントリー

最初のエントリーは、まだ本命の形や条件が整っていないような時にエントリーされることが多いので、「試し玉」「試し撃ち」なんて呼ばれたりします。

さて、どんな時に分割エントリーを使うのかについて見てみましょう。

分割エントリーの場面①

分割エントリーを使う場面とは、ざっくり説明してしまうと「自信を持って、本来のロットを全部投入する程ではない、微妙な場面」という感じです。

この辺は、トレーダーごとによって色々違うところだと思いますが、人によってはトレードルールを満たしていなければ、絶対にエントリーしないというトレーダーも居ると思います。

ですが、トレーダーによっては、基本のトレードルールは満たしているけど、後少し材料があればなぁとか、環境は良いんだけど、もう少しエントリーの形が良ければなぁとか、微妙な場面ってあると思います。

もちろん、見送ってトレードをしないというのも1つの判断です。

ですが、FXチャートの分析は複雑な状況が多いので、微妙な場面というのは多いと思います。

全ての微妙な場面を見送っていたら、全然トレードが出来ないという悩みもあると思います。

なので、もしも微妙な場面でトレードをするなら分割エントリーがおすすめという話ですね。

下の画像を見てください。

分割エントリー

上昇トレンドの局面で「押し目買い」を狙うトレードプラン。

このトレーダーは、本当は下降調整波を崩した後に、さらに下降調整波からの戻り売り勢力まで確認して、その戻り売り勢力の勢いが止まるのを確認してから慎重にエントリーしたいと思っていたとします。

ですが、環境的には上昇トレンドの勢いが強く、下降調整波を崩した後は、大きな戻りを付けずにぐいぐい伸びていってしまうかもしれないという予測もあれば、微妙な場面です。

そんな時の案として「分割エントリー」です。

下降調整波を崩した場面で「2分割」に分けた「試し玉」を建てるんです。

もしも、このまま戻りを付けずに伸びていってしまったら、本来の半分かもしれないですけど、利益が出るわけですから悪くはありませんね。

この後、予想していた展開通りに、戻り売りが入ってきて、またその戻り売り勢力の勢いが止まるのを確認出来たら、満を持して残りの半分のエントリーをします。

分割エントリー

これで、2回エントリーしましたが、2玉とも損確になっても、本来の許容損失額内にリスクコントロールされています。

さて、この2回のエントリーをそれぞれ別のトレードと見立てて、それぞれ許容損失満額でのエントリーをしてはいけないのか?という疑問があるかもしれませんね。

これは、トレーダーの考え方次第とも言えます。

上の画像の2玉で言えば、基本的には同じ「上昇トレンドにおける押し目買い」がトレードプランの核(コア)になていると思います。

着目している「上昇トレンド」が継続するという予測が外れた場合は、基本的には2玉とも損確になると思いますので、それぞれ許容損失満額までロットを負ってしまうと、1つの予測に通常の2倍のリスクを負っていると捉えることが出来ます。

ですが、見方によっては、2玉目(追い玉)の方のトレードに関しては、1玉目のトレードプラン自体を「環境」と捉えた、さらに下位レベルの時間軸のトレードとも捉えることは出来ます。

分割エントリー

別のトレードであれば、それぞれ許容損失満額を負うという判断はたしかに出来ますが、やはり上の画像の2玉は同じような「根拠」を基にしていることには違いがありませんので、全く違う場面の2つトレードというよりは、同じようなリスクを負っていると考える方が自然な気がしますね。

もちろん、どういうリスクを負うかはトレーダーの判断によりますが、上の画像のような場面でそれぞれ許容損失満額を負うようなトレードを常にしているようであれば、自分が想定しているよりも大きなリスクを負っているということは認識しておくべきです。

ヴァルサラの破産確率などで確認する時の許容損失割合などは、計画と実際とでは違っている可能性がありますので、注意ですね。

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分割エントリーの場面②

さて、もう1つ分割エントリーの場面を見てみましょう。

また「押し目買い」の場面です。

分割エントリー

押し目買いで下降調整波を本命のサポートゾーンに引き付けました。

ですが、下降調整波の急所のダウ高値が高い所にあり、トレードとしては使いづらい状況です。

この後、サポートゾーンに到達した後に、都合の良いエントリーの形が出来ればよいのですが、そうなるかは分かりません。

サポートゾーンにタッチしたタイミングでエントリーを考えて、上昇トレンドの継続と「サポートゾーン」の注目度には自信があるけれど、下降調整波の反転の確認が出来ていないので微妙だなという時に「分割エントリー」の出番ですね。

とりあえずサポートゾーンに到達した時に「試し玉」を建てておき、損確はサポートゾーンの下に設定しておきます。

その後、ダブルボトムなど下降調整波の反転を確認出来て、条件の良いエントリーの形が出来れば、残りの分を追加でエントリーします。

この様に、分割エントリーの使い方は、状況に合わせていくらでも考えられます。

またチャート分析による自信の状況にあわせて「2分割」の分割エントリーだとしても試し玉に「1/3」投入して、追い玉で「2/3」投入するなんてバリエーションもあります。

まとめ

FXのトレードにおいて、資金管理は絶対必要ですが、1回のエントリーで必ずしも許容損失額を満額まで負ったエントリーをしないといけないという決まりはありません。

チャート分析における自信というのは、チャートの進行に合わせて変化したりします。

微妙な場面であれば「分割エントリー」という方法を使って、リスクをマネジメントするという案があります。

試し玉を建てて、さらによい状況になれば追い玉を建てます。

もちろん、試し玉を建てて、そのまま伸びていってしまえば、それで良しです。

また、試し玉を建ててみたものの、追い玉を建てる程良い形にならなければ追い玉を見送るなどのアレンジも可能ですね。

大事なのは、その1つの「トレードプラン」という大枠の中で許容損失額を越えないようにマネジメントをすることです。

「資金管理」はトレードを継続させていく上で常に必要なことです。

もちろん、微妙な場面は「見送る」というのも良い判断であります。

ですが、FXチャートの分析というのはたいていは常に複雑なものですので、「微妙」というジャッジが続き全然トレードが出来ないということであれば、「分割エントリー」という方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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