FXの「上値を試す・確認する」とはどのような意味なのか?#2

アイキャッチ画像トレード手法

「上値を試す・確認する」展開

以前に「上値を試す・確認する」という言葉についての記事を書きました。

FXの「上値を試す・確認する」とはどのような意味なのか?#1
FXの勉強をしていると目にすることがある「上値を試す・確認する」という表現。どうのような意味があるのか、知っておくと現在の相場がどのような状況かを自分なりに捉えるのに役に立つかも!?

今回は、その「上値を試す・確認する」という展開について、実際のFXチャートで確認してみたいと思います。

簡単におさらいですが、「上値」とは「高値(レジスタンス)・高値圏(レジスタンスゾーン)」のことであり、「上値を試す」とは価格がその上値に向かって上昇する動きであり、「上値を確認する」というのは、その上値から売り圧力が加わることを確認するということです。

まあ、言葉の定義は若干トレーダーによって違うところがありますが、大雑把には上記のような感じです。

さて、実際のFXチャートでも見てみます。

上値を確認2-1

上の画像は青色レベルにおいて「下降トレンド」中です。

そのダウ高値付近にある「上値」を試す動きが赤色矢印の動きですね。

上値を上抜けることが出来る程、買い勢力は強いのかどうか?が注目点になります。

そして、上値から売り圧力が加われば、「上値を確認する」動きになるのですが、これは「レジスタンスで反発する」ということです。

何を持って「反発」と判断するかはトレーダーによって考え方が違うところですね。

上の画像のようにある程度の下降波を確認したタイミングで「上値を確認した」と判断するトレーダーもいると思います。

上値を確認2-2

また、上の画像のように上昇調整波の中に出来上がる各種サポートを下抜けるのを確認することで、「反発」として「上値を確認」とする考え方もあります。

「上値を確認する」ことの本質とは、「売り勢力の存在を確認する」ことです。

もっと言えば、トレーダーにとっては、「下降推進波」の再開を十分に期待させるだけの強さを持った売り勢力の存在を確認したいわけですね。

なので、買い勢力の砦である「サポート(水平線)」を攻め落とすのを確認することで、「上値を確認した」とする考え方もあるわけです。

また、どのサポートを下抜けたことで判断するかという点にもトレーダーごとの違いが現れますね。

どれが正しいとかではなく、どの程度の材料を持って判断するのか?でありメリット・デメリットの話でもあるので「スタイルの違い」になってくる部分でもあります。

上値を確認2-3

さて、フラクタル構造的には今回の上値を確認して発生する青色レベルの下降トレンドの中にも、下位レベルの下降トレンドが含まれています。

その下位レベルの下降トレンドを観測してみると、やはり同じように「上値を確認して→下落する」という流れが出来上がっているんですね。

そもそもトレンドというのは、一直線に価格が伸びていくものではなく、相場参加者達の色々な思惑によって、「一時的な調整」というものを挟みながら伸びていきます。

下降トレンドの場合、あるサポートに到達した時に「含み益が十分だから利確しよう(決済買い)」と考える相場参加者や、「ここから少しは反発して上昇するかも?(新規買い)」と考える相場参加者によって、下降推進波が止まり、一時的な「上昇調整波」が発生します。

この上昇調整波が「上値を試す」動きを作っているんですね。

そして、その上値が上昇調整波を止める程、売り圧力の加わるチャートポイントでなければ、上値を抜けていってしまいますが、下降トレンドを背景とした売り圧力が加わり「上値を確認する」動きになれば、そこから下降推進波が再開しやすい状況になるわけですね。

「上値を確認する」ことで、売り勢力の存在がチャート上に現れるわけです。

この売り勢力の存在によって、「売りが強そうだから、この上値を越えられないかな?(決済売り)」と考える相場参加者や、「ここから下降推進波が再開するかな?(新規売り)」と考える相場参加者が増えることによって、上昇調整波を崩して下降推進波が再開していく流れが出来るんですね。

まとめ

下降トレンドがあるサポートに到達した時に下降トレンドの勢いが止まったのであれば、下降トレンドが継続するシナリオとしては、「上値を試す(上昇調整波の発生)→上値を確認する(レジスタンスでの反発)→下降推進波が再開する(上昇調整波が崩れる)」というシナリオしかないんですね。

しかし、到達したサポートが下降トレンドが反転してしまう程強いサポートだった場合は、試した上値をそのまま上抜けてしまったり、上値を確認してもその後にまた買い支えられてどんどん上抜けていってしまうわけですね。

なので、そもそも環境認識が重要ではあります。

そして、下降トレンドが十分継続すると期待出来る場面であれば、必ず「上値を確認する」という段階を踏むます。

なので、次の下降推進波を捉えたいのであれば、この「上値を確認した」ということが一つのシグナルになり得るわけですね。

ただし、上昇調整波が満足する上値であり、下降推進波の再開を期待している相場参加者が続いて入ってきてくれる上値であることも大事なんですね。

これ以上は複雑な話になってしまいますが、今回は単純な構造の話です。

下降トレンドが継続するには、調整に入った場合、必ず「上値を確認する」というプロセスが下降推進波が再開するには必要だということ。

「これ以上は上がらないから、下がる」

そのような意識でチャート分析している人が使う言葉が「上値を確認する」だということですね。

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