「守る」側が勝利することだってもちろんある
FXの通貨ペアの価格がぐいぐい伸びる時というのは、「攻防に決着がついてから、次の攻防が始まるまでの間」という記事を前に書きました。
以前の記事では、チャートポイントに攻め込んだ側が勝利する展開でしたが、もちろんチャートポイントを守って跳ね返す展開だってあるわけです。
チャートポイントを守る側が勝利する展開も「士気」目線で見てみます。
レジスタンスに上昇トレンドが到達して、下降反発があったものの、押し目買いが入って再度、レジスタンスに到達した場面です。
上の画像だけ見ると、「買い軍」が優勢な状況に見えますね。
ですが、「売り軍」の視点から見ても、まだ特に重要な砦を抜かれたわけではなく、押し目買いが入ってくるところまでは、ある意味想定内とも言えますよね。
また、この城(レジスタンス)が上位の注目度の高いチャートポイントで強かった場合、別の考え方でも捉えられますよね。
「ダブルトップ」で反転するストーリーが進行している
そうなんです。
城(レジスタンス)が強い場合、「売り軍」の最大の拠り所は城(レジスタンス)なわけで、城(レジスタンス)が攻め落とされるまでは、高い士気を保っていられるわけです。
城(レジスタンス)が強いという自信が「売り軍」側にあれば、レジスタンス付近での売り注文が期待できて、再度下降波が発生しやすいわけです。
また「買い軍」側にも城(レジスタンス)が強いという認識があれば、二度攻め込んだにも関わらず跳ね返されてしまい、やはり城(レジスタンス)が強いという確認をしてしまったことにもなります。
「この城(レジスタンス)は攻め落とすのは難しいから、撤退しよう」と考える人達が発生してもおかしくないわけですね。
この辺りから、「ダブルトップ」の絵が見えてきます。
ダブルトップの展開を恐れて「買い軍」から撤退する人が増えると、買い注文は減りますので、下降波は伸びやすく、押し目買い勢力も弱くなります。
そして、一度目の押し目買いがしっかり伸びていたことから、押し安値候補は「買い軍」にとって注目度の高い重要な砦となっており、いわゆるネックラインと認識されています。
この「買い軍」の砦であるネックラインを下に抜かれることで、「買い軍」の士気は大幅に下がることになります。
今回の「ダブルトップ」の展開で重要な要素は、「城(レジスタンス)が強いという相場参加者の共通認識」ですね。
もちろん、ダブルボトムの場合も同様です。
この城(レジスタンス)が強いという共通認識が無ければ、「ダブルトップ」の絵が見え始めている時でも、「買い軍」からすると、「ただ攻め込んでいるだけ、レジスタンスで抵抗があるけど、上抜けていくだろう」という心理になりがちですよね。
しかし、城(レジスタンス)が強いという認識が元々あれば、「2回弾かれた、やっぱりこのチャートポイントは強いんだ、上抜けしないかもしれないから決済(売り注文)しておこう」という心理になりがちですよね。
実際、「売り軍」に参加する人達も「この城(レジスタンス)は強いから、この城を根拠に戦おう」と思えからと、このレジスタンス付近での売り注文が増えるわけです。
今回で言えば、城(レジスタンス)ですが、要はチャートポイントです。
この攻防のキーになるチャートポイントが強いか弱いかは、取引時間軸だけではなかなか判断できません。
なので、「環境認識」が重要という話になってくるわけですね。
まとめ
FXの通貨ペアの価格がぐいぐい伸びる時というのは、「攻防に決着がついてから、次の攻防が始まるまでの間」という話。
今回は、守り側が勝利する展開について。
どちらの展開にしても、重要になってくるポイントとして「チャートポイントの強さ」を想像する必要があるということ。
その為には、取引時間軸だけでなく上位時間軸のチャート分析をする「環境認識」が重要だという話。
結局、耳にタコが出来る程聞く「環境認識が大事」という話にたどりついてしまったりします。
今回の攻防も、もっと大きな攻防の一部なわけです。
大局を俯瞰で見渡すことで、その中にある小さな攻防の展開を読む精度を上げることが出来ます。
攻防のキーになっているチャートポイントが「木で作った張りぼての城」なのか、「石で築いた頑丈な城」なのか。
これを知らずして、攻防の展開を予測していては精度が上がるはずもないですよね。
もちろん、チャートポイントの強さはある程度想像することはできませんが、他の相場参加者達がどのように認識しているかは定かではありません。
なので、そのチャートポイントを巡る攻防をローソク足を分析することにより情報を得て、より良い精度で予測出来るようにしたり、タイミングを測ったりするわけです。
俯瞰で見ることも大事ですし、詳細に見ることも大事。
どちらも大事ということです。