何を分析しようとしているのか?
前に書いたこんな記事。
https://laplace-fx.com/psycho-sp2/
FXで利確をする時に誰しもが考えたことがある「自分の設定した利確ラインに1pointだけ届かなかったらどうしよう」という不安。
自分が設定しておいた利確ラインに向かってぐいぐい価格が伸びて含み益が大きくなっていたのに、ギリギリ利確ラインに届かないところから反転してしまい、その後大きく逆行してしまい含み益が無くなってしまった、、、
数学的にはどこに利確を設定しようが起きうることなのですが、やはり手堅く利確しようとして、到達目標とするチャートポイントの手前に利確ラインを設定する相場参加者は一定数存在するわけです。
そして、ローソク足からその「手前」の利確ラインを設定する相場参加者の存在から、高値・安値の手前にチャートポイントが存在するという内容をFXチャートでも確認したというのが前出の記事ですね。
さて、前出の記事を読んで、この高値・安値の手前のチャートポイントを分析する時に、どの時間軸のローソク足で分析するのか?と疑問を持った方もいるのでは。
極論を言えば、どの時間軸のローソク足の四本値もすべてがチャートポイントです。
ですが、チャートポイントなので、やはり注目度が重要ですよね。
その波において、注目されやすい時間軸のローソク足というのがあるわけですね。
上の画像は、緑色レベルにおいて上昇トレンド中であり、やはり下降調整波に対して押し目買いが入ってきて、上昇推進波が再開した場面ですね。
下降調整波も結構強かった為、中腹のサポートでは反転せずに安値を目指している展開でした。
ですが、やはり下降調整波にとっての上位である緑色レベルにおいてトレンドが逆らっている為、下降調整波に売りポジションを乗せている相場参加者の中には無理して、安値まで利確を引っ張るのではなくて、「手前」で手堅く利確しようとする人もいたわけですね。
その利確注文と新規の買い注文によって買い支えられて、上昇推進波が再開する流れになったのですが、、、このFXチャート(1時間足)で上昇波の起点となっているローソク足(コマ足)の高値に届いて反発したわけではなかったんですね。
さて、一つ上の4時間足のチャートを見てみます。
4時間足チャートで確認出来る緑色レベルの上昇波の起点となっているローソク足の高値が「手前」のチャートポイントとして機能していますね。
なので、今回は4時間足のチャートのローソク足の高値に注目する相場参加者が多かったということ。
これは、あくまで「見え方」の問題です。
今回分析の対象としている緑色の波レベルをトレードしようとしている相場参加者達にとって、どのような見え方が自然なのかということです。
なので、厳密にこのサイズの波であれば、必ずこの時間軸で確認されるという法則のようなものはありません。
法則はありませんが、ある程度の自然なサイズ感というのは何度もチャートを見ていれば自然と身に付くと思います。
分かりやすい例として、さらに一つ上の「日足レベル」に上げて今回の場面を見てみます。
どうでしょう、「日足」のチャートでは今回分析したい緑色レベルの波がそもそも認識出来ないですよね。
今回は、緑色レベルの上昇トレンドにおいて下降調整波に乗っている売り勢力が意識する安値の「手前」のチャートポイントを分析したいわけです。
そういった相場参加者達がどのようにチャートを見て分析しているのかを想像する必要があるわけですね。
なので、「日足」では分析したいものが見えてきません。
日足ではもっと大きな波レベルを分析してしまうわけですね。
逆にもっと小さい時間軸の場合も同様です。
緑色レベルの波を意識している相場参加者の心理を分析したいのに、時間軸を小さくし過ぎると、緑色レベルよりも小さな波レベルの分析をしてしまっていることになるわけですね。
さて、押し目買いが入った後の展開をもう少し詳細に見てみます。
押し目買いが入った上昇波が抑えられているチャートポイントがあります。
これは、下降調整波を構成しているピンク色レベルの高値の手前のチャートポイントを意識したレジスタンスゾーンを引いてみると見えやすくなりますね。
上昇波に乗っている買い勢力の中には、まだはっきり崩しきれていない下降調整波の戻り売りを警戒して、短期的に手堅く利確しようとする相場参加者がいるわけですね。
そして、高値まで無理して引っ張るのではなくて、手前のチャートポイントで利確している人がいるのだと思われます。
そういった人達の利確の注文と、下降調整波を売り支えようとする新規の注文が合わさって、上昇波を2回程押し返しています。
この時点で、上昇推進波の押し目買い勢力(サポートゾーンH4レベル) VS 下降調整波の売り勢力(レジスタンスゾーンM30レベル)という構図が見えてきます。
結果的に買い勢力側が勝利したのですが、素直な展開と言えますよね。
まとめ
高値・安値の「手前」で利確しようとする相場参加者の心理によって出来上がるチャートポイント。
このチャートポイントを分析したいのであれば、その波レベルをトレードしている相場参加者の心理を想像しなくてはいけません。
その波レベルをトレードしている相場参加者はどの時間軸のチャートでどのように波レベルを捉えているのかなという想像力が必要なわけですね。
なので、この時間軸のローソク足の注目度が高そうだし、こっちの時間軸のローソク足の注目度も高そうだと、絞りきれない時だってあります。
そういう時は反発を確認するという方法もありますが、まずは他の多くの相場参加者と「ズレ」を作らないことが重要ですね。
どの波レベルを意識した、どんな相場参加者の心理を分析したいのか?
これを意識して分析すれば、大きくずれることはありません。
これは、高値・安値の「手前」のチャートポイントの分析に限ったことではなく、FXのチャート分析全体に共通する重要なことだったりします。