FXの価格を動かす4つの力
FXでは、為替差益を狙ってトレードをするのがほとんどですよね。
為替差益を得る為には、その通貨ペアの価格の動向を予測しなくてはいけません。
その為に、「チャート分析」をするのですが、色々なテクニカル分析を覚えて、インディケーターをたくさん使ったり、複雑なことをしていると、難しいことをしているという満足感とは裏腹に、チャート分析の本質からかけ離れていたり・・・
そもそも、何の為にチャート分析をするのか?
通貨ペアの価格の動向を予測する為ですね。
なので、FXの価格を動かしている正体を知らないと、そもそも何を分析しているの?っていう迷子になってしまいがちなんですよね。
さて、FXの価格を動かしているものは何なのか。
それは、4つの注文の力なんですね。
4つの注文とは、「新規買い注文」「新規売り注文」「決済買い注文」「決済売り注文」です。
そして、この4つの注文の力のパワーバランスの偏りによって、FXの価格は動くんですね。
注文の力とは、単純に「量」です。
買い注文の量が売り注文の量よりも多ければ、通貨ペアの価格は上昇します。
逆に、売り注文の量が買い注文の量よりも多ければ、通貨ペアの価格は下降します。
上の画像にはありませんが、買い注文と売り注文の量が同じであれば、価格は動きません。
「買い注文」側 VS「売り注文」側
という多数決の対決構造にも見えますよね。
そして、この多数決の優勢側にFXの価格は動いていくんです。
つまり、FXの価格は「多数決の原理」で動いていると言えますね。
ちなみに、注文の「量」とは「注文数」ではなくて、FXで言えば「ロット数」です。
なので、例えば10人の売り注文と1人の買い注文があったとして、10人の買い注文の総量が1000ロットであり、1人の売り注文の量が2000ロットであれば、売り注文の量の方が多いので、価格は下がります。
この例の場合であれば、10人の意見よりも、1人の意見の方が強く反映されています。
価格を動かす「多数決の原理」という観点からすると、原理を覆す要因です。
資金がある人の意見の方がより強く反映されるというのは、選挙であればとんでもないことですが、FXにはある種の不平等が存在します。
これはテクニカル分析通りにチャートが動かない理由の1つでもありますが、取引量という「分母」が大きくなることで、このある種の不平等は緩和されます。
なので、テクニカル分析を主にトレードをする人達には、取引量の多いメジャーな通貨や大きな時間軸が好まれるんですね。
4つの力の偏りを分析する
さて、FXの価格は「4つの注文の量の偏り」、つまり「多数決の原理」で動くということでした。
そして、この4つの力のパワーバランスは変遷していきます。
例を簡単に見てみましょう。
ざっくりですが、このような感じで、4つの力のパワーバランスは変わったりします。
上の画像には書かれていませんが、チャートポイント付近で買い注文を約定する人ももちろんいますが、チャートポイントが機能する場合、売り注文の増加の方が大きくなり、結果として4つの力のパワーバランスが逆転します。
さて、上の画像の例であれば、手前の「上昇」や、チャートポイントに到達後の「下降」は4つの力の偏りですね。
この4つの力の偏りは、「注文の人気」の偏りとも言えます。
つまり、「買い注文の方が売り注文よりも人気」なので価格は上昇して、「売り注文の方が買い注文よりも人気」なので価格は下降します。
「買い注文が人気の状態」を言い換えると、広義の意味で「上昇トレンド」ですね。(※逆は同様に下降トレンド)
広義の意味で「トレンド」とは、は注文の人気の状態です。
狭義の意味で「トレンド」とは、トレーダーごとに定義しているトレンド判断の状態になります。「ダウ理論」をベースにしているのであれば「高値・安値の切り上がり・切り下がりの状態」によるだろうし、「移動平均線」をベースにしているのであれば「移動平均線の傾きやローソク足の位置」によったりします。
つまり、「トレンド(波)」とは4つの力の偏りであり、「チャートポイント(波止場)」とは4つの力の偏りが変化する可能性がある場所、ということなんです。
FXで価格の動向を予測したいのであれば、4つの力の偏りとその変化を予測したいということですよね。
なので、チャート分析は「トレンド」と「チャートポイント」を把握して分析することが基本になるんですね。
この「トレンド」と「チャートポイント」を分析するテクニカル分析方法はたくさん存在しますが、結局この「4つの注文のパワーバランスを読み解く」という本質を意識していないと、インディケーターに振りまわされたりと、本質を捉えたトレードが出来なくなってしまいます。
「トレンド」と「チャートポイント」を分析する時に、「ここから新規の買い注文が入ってくるのでは?」とか、「ここで決済の売り注文が大量に発生するのでは?」といった、相場参加者の心理を想像するということが重要だということです。
「移動平均線がゴールデンクロスしたから買い」とか、「このインディケーターがこうなったから売り」とか、「手法」をただ実践しているようでは、本質を捉えたトレードが出来ているかは怪しいです。
FXの価格が4つの注文の力の偏りで動くということを理解して、その4つの注文の状態を分析しようとすると、自然と想像力が働くと思います。
まとめ
FXの価格を動かしている4つの力とは、「新規買い注文」「新規売り注文」「決済買い注文」「決済売り注文」の4つの注文のこと。
この4つの注文の量の偏りが、価格を動かしています。
↓
つまり、買い注文側と売り注文側の多数決の原理。
↓
価格の動向を予測することは、この「多数決の動向」を予測すること。
「多数決の動向」を予測する為に、相場参加者達の心理を想像します。
今どちら側の陣営に多くいるのか?
どちらの陣営に参加しようとしているのか?
どちらの陣営から去ろうとしているのか?
どのタイミングで参加しようとするのか?
このように、相場参加者の心理を想像することは、トレードにおいて重要なポイントです。
より精度を高く、相場参加者の動向を把握する為に「チャート分析」をするわけです。
そして、この分析の仕方には、ネット上に多くの情報がある通り、さまざまな方法があります。
論理的な分析方法であれば、どの分析方法を採用するのも自由だと思いますが、どの「手段」を採用しても「目的」は同じはずです。
「4つの力の多数決」に意識が払わなければ、インディケーターに振り回されたりということになります。
ちなみに、ラプラスFXでは「ローソク足」の分析を重視することを推奨しています。
その理由は、また別の記事に書きますが、簡単には「ローソク足」が非常にメジャーであり、加工がされていないダイレクトな情報だからです。
個人的には、インディケーターなどによって加工された情報は、チャートを別の角度から見せてはくれますが、「4つの力の多数決」という本質からは離れがちだと思います。
もちろん、ローソク足以外のテクニカル分析を否定するわけではありませんし、ラプラスFXでも他のテクニカル分析も使用します。
ただし、FXの価格を動かしているのは4つの力の偏りであり、その4つの力の多数決の動向を予測する為に「相場参加者の心理を読み解く」という意識は常に持っておきたいですね。