「Wボトム」の展開をどこまで考える?
以前に書いた記事の続きです。
下降調整波が水平線(サポート)に到達して、ここから他の相場参加者達の買い注文が集まって、下降調整波がトレンド転換して上昇推進波が発生するのでは?という期待で買いポジションを持つようなトレード手法が「押し目買い」ですね。
この押し目買いが入ってきて上昇反発をし始めた後には、さまざまな展開が考えられるのですが、いつまで「Wボトム」の展開を考えるのか?
今回は、実際のFXチャートで見てみたいと思います。
早速、下の画像を見てください。
上昇波に対して押し目買いが入った場面。
大きな上昇反発が起きていますが、下降調整波のダウ高値付近のレジスタンスゾーンで止まっている状況です。
この後、このレジスタンスゾーンとの攻防になり、一度押し安値候補となっていた価格を少し下抜けてWボトムを形成しています。
その後、Wボトムのネックラインを上抜けた勢いで下降調整波のダウ高値も上抜けて伸びていきました。
Wボトムの展開になった要因の一つとして、やはり下降調整波継続支持派の戻り売り勢力がレジスタンスゾーンから入ってきたことが考えられます。
なので、最初の上昇反発を確認した時点で買いエントリーをしたとしても、まだ下降調整波のダウ高値を上抜けていない以上、この攻防から再度押し安値候補を下抜けていくWボトムの展開は十分あり得たわけですね。
次の画像を見てください。
また押し目買いが入ってきている場面ですが、今度は発生した上昇波が下降調整波のダウ高値を上抜けていますね。
親波の高値を一気に上抜けていく展開とはならずに、高値付近のレジスタンスゾーンからの売り圧力によって下落する流れですが、下降調整波のダウ高値を上抜けた上昇波を評価する相場参加者も多くいる為、この上昇波に対する押し目買い勢力も強くなりやすいわけですね。
なので、押し目買い勢力によって発生した上昇波をまた親波とする押し目買いを考える相場参加者が増えることで、Wボトムの展開にはなりづらいと言えます。
上の画像の場面では、深いところまで下落が差し込んできていますが、もっと浅いところから上昇推進波が本格的に再開する場面も十分期待できる場面です。
この場面では、「下降調整波のダウ高値の上抜け」と「親波の急所のレジスタンスゾーン到達」という2つの材料が揃った上昇波が発生したわけですが、「下降調整波のダウ高値の上抜け」だけの上昇波もあり得るわけですね。
「買い勢力」にとっては、「上昇していくのでは?」と期待させる買い材料が多ければ多い程、その後の展開でも買い注文が集まることが期待出来ます。
買い材料が豊富に出た場面であれば、「Wボトム」のような売り勢力に再度押し安値候補の根拠を奪われるような展開にはなりづらいわけです。
まとめ
押し目買いが入ってきて上昇反発が始まった場面において、どこまで「Wボトム」の展開の可能性を考えるのかという観点で実際のFXチャートを見てみました。
ちなみに、戻り売りも逆に同様ですね。
上昇反発によって出来上がった「買いの材料」が大きければ大きい程、その後の展開での他の相場参加者達の買い注文の集まりが期待出来るということ。
なので、下降調整波のダウ高値をまだ崩せていないような状況であればWボトムの可能性は十分考えておくべきだし、親波の高値付近まで攻め込んだのであれば、再度押し安値候補を割るような展開の方が不自然なわけですね。
上の画像の水色点線のように親波の高値付近まで伸びたにも関わらず、再度大きく下落してきて押し安値候補(※上の画像では高値更新しているので新しいダウ安値)を割るような展開は、むしろ緑色レベルでの「Wトップ」のネックラインを割ったと見る方が自然ですよね。
これは、そもそも押し目買いを考えた場面で、緑色の上昇トレンドが到達したレジスタンスを越えて伸びていくと分析したこと自体が外れていたということ。
到達したレジスタンスが弱く、緑色レベルの上昇トレンドの到達目標はまだ先であり伸びていくという分析通りであれば、上の画像のように高値を越えて次のレジスタンスまで伸びていく展開になるわけですね。
押し目買いのタイミングで懸念する「Wボトム」はあくまで、下降調整波の勢いや、レジスタンスからの売りを考える勢力を受け止める過程で発生するパターンです。
もちろん、すべてがテクニカル分析通りになるわけではありませんが、「こうなることが多い」という大数的な考え方が大事です。