「チャートポイント」から「チャートポイント」へ
FXにおけるチャート分析で、どのような感じでチャートを見ればよいか定まらないという方へヒントとなるような「視点」を紹介したいなと思います。
それは、FXのチャートにおいて「価格」の波というのは、必ず「チャートポイント」から「チャートポイント」へ移動するということ。
これは、言い換えると価格の波の流れが反転した時には、必ずそこに「チャートポイント」が存在しているということです。
そもそも「チャートポイントって何?」という方は下の記事をどうぞ。
簡単に説明すると、「チャートポイント」とは相場参加者が注目する価格(帯)のことです。
多くの相場参加者が注目する価格付近には、多くの注文が集まることになりますので、それまでの波の流れが基本的には「反転」するという働きが発生します。
これは大きな時間軸レベルのチャートポイントであればある程、また注目度が高ければ高い程、強く作用して波を反転させる力も強くなります。
あれ?チャートポイントが無いところでも、波が反転している時があるよ?反転したからといって、そこに必ずチャートポイントがあるわけではないのでは?
と思った方もいるかもしれません。
ですが、これは考え方を変えれば、「チャートポイントが無いところで波が反転した」のではなくて、「波が反転したチャートポイントを自分が把握出来ていなかった」ということなんです。
FXの価格は「多数決の原理」で動きます。
買い注文側の勢力が強ければ、価格は上昇しますし、逆もまたしかり。
その多数決のパワーバランスが変わってしまう場所が「チャートポイント」なんですね。
もちろん、チャートポイントの強さには大小ありますので、もの凄い小さいものまで含めてという意味では、チャートポイントをすべて把握することは不可能です。
ですが、価格の波の動きに対して大きな影響を与える「重要」なチャートポイントはなるべく把握しておきたいですよね。
「重要」なチャートポイントというのは、言い換えると「注目度」の高いチャートポイントということです。
「注目度」が高いチャートポイントというのは、それだけ多くの相場参加者と同じ視点でチャートを見る必要があるということですよね。
つまり、出来る限り多くの相場参加者と同じテクニカル分析を使うべきなんです。
なので、「ローソク足」をテクニカル分析の主役に据えることをお勧めすることを、何度も記事で書かせていただいているわけです。
逆を言うと、「ローソク足」のようなメジャーなテクニカル分析では見つけられないような小さなチャートポイントは無視してしまう方が、チャート分析としては「芯」を食っていて、シンプルになるということです。
もちろん、ご自身のチャート分析が複雑になっても、混乱しないという方は「ローソク足」以外のテクニカル分析を併用することは全然ありだと思います。
さて、下の画像を見てください。
緑色の線は、FXチャートの価格の波の動きです。
このように動いたチャートが存在していた時に、実際には下の画像のような「チャートポイント」が存在していたわけです。
価格の波が「反転」したところには、必ず「チャートポイント」が存在しています。
自分が把握出来ていたかどうかに関わらず、結果として波が反転したのであれば、事実として、そういうことなんです。
なので、価格の波の動きを精度良く予測したいのであれば、なるべくこういったチャートポイントを事前に把握しておきたいわけです。
ですが、上の画像は結果として反転したところにチャートポイントを描き加えただけであり、実際には「あまり機能しなかったチャートポイント」というのも実際には存在しますよね。
上の画像のように、この時間軸レベルにおいては、波を反転させる程の力が無かったというチャートポイントも存在します。
これは、「注目度」がこの時間軸レベルにおいては小さかったということ。
ですが、視点を少し変えると、このようにも見えるんです。
それが、下の画像。
緑色の波の時間軸レベルでは、反転させる程の力は無かったとしても、下位レベルにおいては、波を反転させていたりします。
つまり、「注目度」によってチャートポイントには「レベル」感があるということを意識しないといけないということ。
また、他の記事にも書いていますが、「チャートポイント」は上位のトレンド方向に対して機能しやすいという特徴があります。
簡単には、例えば上位が上昇トレンドであれば、「レジスタンス」は機能しづらく、「サポート」は機能しやすいということ。
というか、このような特徴が無ければ、上昇トレンドと呼べるような波の形にはなっていないはずですよね。
以上のような、チャートポイントの性質を踏まえて、次は「トレード」においての考え方を見てみましょう。
「トレード」での考え方
FXチャートにおいて価格の動きが「チャートポイント」から「チャートポイント」へ移動するという事実を、トレードではどのように考えればよいか。
まずは、下の画像を見てください。
上で説明しました「チャートポイント」の性質を踏まえると、上記のような「予測」が出来ます。
上の画像は、さらに上位レベルにおいて上昇トレンドという背景があります。
その背景において、「サポート」されて波が反転すれば、波は「チャートポイント」でしか反転しないので、少なくとも次のレジスタンスまで進むという予測が出来ます。
ですが、上位が上昇トレンドという背景があれば、到達したレジスタンスも結果としては抜けていき、さらに次のレジスタンスまで進んでいくという予測が出来ます。
なので、上の画像の外側の薄いピンク色のエリアは「買いが有利」なエリアとして見ることが出来ます。
さらに、途中のレジスタンスを上抜けたという事実が確定した後は、次のレジスタンスまで進む確率がより高まっていますので、「より買いが有利」なエリアとして見ることが出来ます。
さて、上の画像ではサポートされた後の波を青色点線で描いていますが、実際には一直線に伸びていくことは稀ですよね。
先程と同じく、上の画像には緑色レベルよりも下位レベルのチャートポイントが描かれていません。
実際には、さらに下位レベルのチャートポイントで小さく抑えられたり、またサポートされたりしながら、進んでいくことになります。
先程の画像に、下位レベルのチャートポイントと細かい波の動き(青色点線)を加えたものです。
上の説明の通り、ピンク色のエリアは緑色の時間軸レベルで「サポートでの反転からレジスタンスまで上昇していく」と予測されている「買いが有利」なエリアです。
なので、下位レベルのチャートポイントにおいて、レジスタンスが弱く、サポートが強いという特徴が出るはずです。
ここで、上の画像の青色点線の波レベルにおいてトレードをする時、ピンクのエリアにおいて「このサポートで反転して、このレジスタンスまで上昇するだろうから、買いが有利なエリアだな」と把握することが「環境認識」という作業なんですね。
この環境認識の基、青色点線の波レベルで「買う」というトレードプラン(用語解説)を立てれば、期待値の高いトレードが出来そうだなというのが分かるかと思います。
トレードプランの立て方にはトレーダーごとに色々あると思いますが、少なくとも上の画像のような環境下であれば、「買い」を狙ってトレードプランを立てた方が、利益を出しやすいはずですよね。
ただし、このピンク色の「買いが有利」というエリアも、「上位が上昇トレンド」という背景が前提条件になっていましたよね?
なので、実際には「上位が上昇トレンド」であるかどうか、もっと言うと「どのチャートポイントからどのチャートポイントへ向かっている最中なのか」を上位レベルでもチャート分析をする必要があるということなんです。
これが、マルチタイムフレーム分析(用語解説)の必要性の話です。
以上のような流れから、このサイトで何度も書いている通り、チャート分析の基本は「トレンド(波)」と「チャートポイント(波止場)」の把握であり、さらにマルチタイムフレーム分析によって、統合的に判断する必要性があるという話になるんですね。
まとめ
FXチャートにおいて、価格は「チャートポイント」から「チャートポイント」へ動くという話。
「重要」なチャートポイントを出来る限り把握しておく為に、「ローソク足」の分析をテクニカル分析の主役に置くことをおすすめしている。
そして、チャートポイントには「レベル感」という概念があり、また上位のトレンド方向に対して機能しやすくなるという性質があるということ。
これらを踏まえてチャートを分析することで、どちらの方向にトレードをすべきか?また、どこからどこまでが有利なエリアなのか?が見えてきます。
つまり、チャート分析の基本は「トレンド(波)」と「チャートポイント(波止場)」の把握であるということ。
また、FXのチャートはフラクタル構造(用語解説)になっているので、期待値の高いトレードをする為には、マルチタイムフレーム分析の必要があるということ。
少しはチャート分析のイメージが湧くように、この記事が手助けになれば幸いです。