FXのチャートパターンから学ぶ「本質」【フラッグ編#1】

アイキャッチ画像トレード手法

「チャートパターン」とは

FXのチャート分析において「チャートパターン」という要素があります。

一般的にチャートパターンとは、FXチャートの形によく見る「形」であり、統計的にその形から「トレンドの転換」だったり「トレンドの継続」だったりの「サイン」として認識するというものです。

簡単には、「チャートにこの形が現れると、この後はこうなることが多い」というパターン集という感じですね。

ただ単にチャートパターンを「形」だけで覚えてチャート分析に組み込むのは、少しもったいないんですよね。

なぜその形になったのか?その形になった後は、なぜその展開になることが多いのか?を本質的に理解しておいた方が、他の場面でもチャート分析に活かせます。

今回は、色々あるチャートパターンの中から「フラッグ」と呼ばれるチャートパターンについて見てみます。

「フラッグ」の場合

チャートパターンの「フラッグ」は、トレンドが「継続」するサインと言われています。

なぜ「継続」のサインとされているのか?まずは、「フラッグ」のチャートパターンの形を見てみます。

フラッグ1

上の画像は、上昇トレンドの時の「フラッグ」のチャートパターンです。

上昇推進波を「フラッグポール(旗棒)」と見立てた時に、下降推進波の部分が「フラッグ(旗)」に見えるような形になっているチャートパターンですね。

緑色レベルでは「上昇トレンド」中ですが、時間軸レベルを落とすと、下降調整波も立派なトレンドだったりします。

なので、その下降調整波(下降トレンド)にトレンドラインとチャネルラインを引いた時に、上の画像のように「フラッグ」の形に見えて、直前の上昇推進波が「フラッグポール」のように見える関係にあるものが「フラッグ」のチャートパターンとして認識されることが多いですね。

トレンドライン・チャネルラインの引き方も厳密ではなく、大方「フラッグ」の形に見えれば「フラッグ」のチャートパターンとして認識しても良いと思いますが、この辺りはトレーダー次第で差異があるところだとは思います。

さて、なぜこの「フラッグ」のチャートパターンがトレンドが「継続」するサインとされているのか?

ポイントは2つあります。

「フラッグの形」「フラッグポールとの関係性」です。

フラッグ2

「フラッグ」の形になる時には、下降調整波において「大きな下落」「大きな上昇」も起きてないんですね。

レジスタンスに到達して、下降調整波が発生しだして、安値を下抜けてもすぐに買い勢力が入ってきて上昇波を作ります。

ですが、この上昇波が大きく伸びることはなく、下降調整波を完全に崩す手前辺りでまた売り勢力側が優位を取り戻して、再度下落していきます。

このフェーズは「この下降調整波(下位レベルでは下降トレンド)自体の人気がすごいあるわけではなく、上位の上昇推進波の再開を期待して早い段階から買い勢力が入ってきているものの、かろうじて下降調整波を保っている」状態だと言えます。

下降調整波(下降トレンド)を構成している上昇波の部分が、下降調整波(下降トレンド)を崩さないまでも何度も入ってきているというのが、背景として上位の上昇トレンドの継続を期待している相場参加者が少なからずいるということを裏付けているわけですね。

しかし、一旦下降調整波(下降トレンド)に入ってしまったので、この下降調整波(下降トレンド)を支持する勢力も存在するわけで、このフェーズではかろうじて下降調整波の継続を支持する勢力が強い状態ということ。

例えると、火にかけた鍋の蓋をぐつぐつ沸騰し始めた蒸気が押しているものの、蓋がかろうじて抑えているような状態。

この蓋を押している「蒸気」の存在が、下降調整波の中に現れている上昇波なわけです。

この「蒸気」が蓋を押しのけないまでも、かたかたと蓋を押すことで、この後の展開を予期させているわけですね。

もう一つのポイントが「フラッグポールとの関係性」。

フラッグ3

上の画像の下降調整波もトレンドラインとチャネルラインの間に収まっており、「フラッグ」の形をしてはいます。

ですが、フラッグポールである上昇推進波の波の勢いよりも、フラッグである下降調整波の波の勢いの方が強いと、「フラッグ」のチャートパターンとしては認識されづらいんですね。

先の「フラッグの形」のところでも書きましたが、フラッグは「鍋の蓋を蒸気がかたかたと、今まさに押しのけようとしている」ような状態が本質なわけですね。

上昇トレンドの上昇推進波を期待する相場参加者が潜在的に多いという背景の中、待ちきれずに買いエントリーをする人達の勢力を下降調整波がなんとか抑え込んでゆっくり調整下落している状況であるから、その後の上昇推進波の再開が期待されるんですね。

なのに、直前の上昇推進波よりも強い勢いで下降調整波が下落していくと、「あれ?上昇推進波は本当に発生するのかな?」とトレンドの「継続」を考える相場参加者が減ってしまうわけです。

なので、フラッグポール(推進波)よりも弱い勢いの波であるフラッグ(調整波)という関係性が「フラッグ」というチャートパターンとして多くの相場参加者に認識されるには必要なんですね。

そして、本質的に考えても、推進波よりも強い調整波が発生しているという事実は、その調整波は本当に調整波なのか?到達したチャートポイントは一時的な「調整」を発生させるものではなくて、「トレンド転換」をさせてしまうチャートポイントなのでは?という考えが生まれます。

まとめ

今回は「フラッグ」のチャートパターンについて深堀してみました。

多くの相場参加者に「フラッグ」のチャートパターンとして認識されるポイントとしては「フラッグの形」「フラッグポールとの関係性」。

フラッグというチャートパターンの本質は、「沸騰して鍋の蓋がこぼれ落ちそうなのをかろうじて耐えている」状態であると言えます。

フラッグの形に「蒸気」の存在が含まれていることと、かろうじて蓋が抑えている(下降調整)ものの、フラッグポールとの強弱の関係性からも、蓋がこぼれ落ちる(上昇推進波の再開)のが予期されるということ。

これは、他のチャートパターンにも言えることですが、チャートパターンはあくまで統計的に見たときの「傾向」であり一つの材料です。

なので、フラッグのチャートパターンが形成されたからといって、必ずトレンドが継続するわけではないんですね。

やはり重要なのは上位の環境だったりします。

上昇トレンドが継続しそうな上位の環境時に「フラッグ」のチャートパターンが発生することで、「よりトレンドが継続しそうだぞ」と判断することが出来るわけですね。

その辺りも踏まえて、別の記事で実際のFXチャートを使って「フラッグ」についてもう少し深堀してみようと思います。

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