チャートポイントを「抜ける」と期待できる場面を見極める#2

アイキャッチ画像トレード手法

「抜けると期待できる場面」

前にチャートポイントを「抜ける」と期待できる場面を見極めるコツについての記事を書きました。

チャートポイントを「抜ける」と期待できる場面を見極める#1
FXのトレードプランの王道である「押し目買い・戻り売り」の精度をあげるコツにもつながらる話です。チャートポイントを抜けて伸びていくのでは?と期待するには根拠が必要です。

チャートポイントを抜けると期待できる場面は、大きく分けて2つです。

「チャートポイントが十分弱い場面」「チャートポイントを抜ける準備ができた場面」です。

今回は、それらの場面を実際のFXチャートで見てみましょう。

 

①「チャートポイントが十分弱い場面」

まずは下の画像を見てください。

抜ける期待2-2

何度も売り圧力がかかった注目度の高いレジスタンスゾーンを上抜けた場面ですね。

レジスタンスゾーンを上抜けた上昇波がレジスタンスに到達して押しが入り、その後サポートゾーンから押し目買い勢力が入ってきて、レジスタンスを上抜けて伸びていく展開でした。

つまり、この場面はチャートポイントを上抜けることが期待できた場面だったわけですね。

さて、この場面を上位時間軸レベルでも見てみます。

抜ける期待2-3

上抜けた上昇波に対して押しを作ったレジスタンスゾーンは、緑色レベルのレジスタンスゾーンですね。

ですが、同じ緑色レベルの注目度の高いレジスタンスゾーンを攻防の末上抜いた直後であり、また緑色レベルでは上昇トレンドにすでに転換しており、戻り売りが入る期待をするにしてもFIBO38.2%程の浅い水準なのであまり期待が出来ないレジスタンスと言えます。

つまり、注目度の高いレジスタンスを上抜けた上昇波にとって、「十分に弱いチャートポイント」だったことから、押し目買いが成功してチャートポイントを抜けることが出来たわけですね。

 

②「チャートポイントを抜ける準備が出来た場面」

また下の画像を見てください。

抜ける期待2-1

今度は「戻り売り」の場面ですが、トレンドフォローという意味では押し目買いと基本的には同じですね。

ですが、今回はレジスタンスゾーンからの戻り売りがサポートを抜けられずに戻り高値を上抜けてしまい、戻り売りが失敗している場面ですね。

これは、緑色レベルの下降波の戻り売りにとって、到達していたサポートが一時的な「戻り(調整波)」を作るだけの弱いチャートポイントではなかったということですね。

さらに、時間を進めてみます。

抜ける期待4

戻り売り失敗を機にサポートからの買い圧力を受けた「上昇調整波」が発生しています。

上昇調整波がしっかり深いところまで調整完了した本命のレジスタンスに到達したところから、本命の戻り売り勢力が入ってきています。

この戻り売り勢力によって発生した下降波が上昇調整波の急所であるダウ安値を割って、下降推進波再開の流れを作ります。

まだ上昇調整波のトレンド継続派が残っていますので、押し目買い勢力も最後の抵抗で入ってきますが、レジスタンスから戻り売りがしっかり入ってきて、押し安値候補を下抜けていき、このエリアでの攻防は大方決したという感じですね。

その後、安値抜けをする前に弱い戻り・調整が入りますが、しっかり戻り売りが入って先ほどのサポート(上位)を下抜けていくという展開でした。

さて、先に紹介した緑色レベルの戻り売りはサポート(上位)を抜けられずに戻り売り失敗に終わってしまいましたが、上の画像の右の方にある同じような緑色レベルの戻り売りからの下降波はサポート(上位)を下抜けて伸びていく展開です。

この違いが「チャートポイントを抜ける準備が出来た場面」です。

最初の戻り売り失敗の場面は、サポート(上位)に初めて到達した場面ですし、緑色レベルの下降トレンドにとっても、上位のサポートですし、それまで緑色レベルの戻り売りが何回が続いていましたので、ちょうど「到達目標」にもなっていたんですね。

なので、緑色レベルの下降トレンド継続を支持する相場参加者よりも、サポート(上位)からの反発上昇を支持する相場参加者の方が多かった為、戻り売り勢力があまり集まらず、チャートポイントを抜ける展開にならなかったわけです。

ですが、その後上昇調整波は「調整完了」と思われるレジスタンスまで伸びて、そこから上位の戻り売り勢力が入ってきます。

そして、サポートからの上昇波継続の買い勢力との攻防になった結果、売り勢力が勝利する展開でした。

この攻防を売り勢力が勝利した直後の緑色レベルの戻り売りは、環境が全然最初の例と違っているのが分かると思います。

もう、サポートからの上昇を期待して買い注文を入れる相場参加者が減っていますし、むしろ攻防を制した売り勢力に乗っかろうと売り注文を入れる相場参加者が増えているという状況ですよね。

つまり、「チャートポイントを抜ける準備が出来た」というわけです。

まとめ

今回、実際のFXチャートを使ってみた場面のように、押し目買い・戻り売りが成功するかどうかは、「環境」が重要だということが分かるかと思います。

つまり、期待値の高いトレードをする為には「環境認識」が重要だということです。

取引時間軸だけを見ていれば、押し目買い・戻り売りの形はどれも似ているわけですが、環境認識をすれば期待が持てるかどうかは全然違ったりします。

そして、チャートはフラクタル構造になっており、上位にはさらに上位の環境があるわけですし、トレンドの強さ・チャートポイントの強さもデジタル的に判断出来るものではないんですね。

なので、デジタル的なルールに乗っ取りロボットのようにトレードをしてトレード成績を安定させることは難しいわけです。

期待値の高い場面を見極める為には、やはり自分自身で何度もチャート分析を繰り返して、自分自身のチャート分析の検証と精度の向上に努めるのが、遠回りなようで近道だったりします。

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