「フィボナッチリトレースメント」
FXのチャート分析をするにあたり、ローソク足(水平線)をテクニカル分析のメインに据えることをラプラスFXでは推奨しています。
その理由は、他の記事に譲ります。
ローソク足(水平線)をメインに分析をしますが、他のテクニカル分析を補助として使うこともあります。
その1つが「フィボナッチリトレースメント」です。
フィボナッチリトレースメントは「トレンド(波)」の始端と終端に定規のように引くツールです。
詳しい説明は、上の記事に譲るとして、簡単に説明すると「押し目買い・戻り売り」が入る「戻り深度」を測るツールです。
また、代表的な戻り深度である「38.2%」「50%」「61.8%」などがチャートポイントとしても機能します。
今回は、「戻り深度」を測るツールとしてフィボナッチリトレースメントがおすすめである理由を解説します。
「調整」はFIBO50%以上に及ぶことが多い
価格の動きを「波」として捉えて認識した時に、波は相場参加者の多数決の結果を受けて、多数決の優勢側に伸びていきます。
ですが、基本的に一直線に伸びることはなく、「推進→調整→推進→調整→推進・・・」というリズムを刻んで伸びていきます。
この詳しい説明も上の記事に譲りますが、簡単に説明すると複数の時間軸がフラクタル構造で存在して、また様々な思惑の相場参加者がいるから、複雑な波動になるわけです。
さて、フィボナッチリトレースメントはこの「推進→調整→推進」のリズムを刻む時に挟まれる「調整」の割合を測るツールなわけです。
下の画像を見てください。
『EURUSD』の5分足チャートを緑色レベルで波認識しています。
これは、緑色のように波を認識することが正解という話ではありません。
このチャートをどのように波認識するのもトレーダーの自由です。
上の画像は該当チャートの波認識の1例ですね。
そして、このエリアでは大まかに見るとゆるやかな下降トレンドであると言えますね。
ですが、やはり一直線に価格が伸びていっているわけではなく、上昇波と下降波を繰り返しながら伸びています。
このエリアでは総じて下目線、つまり「戻り売り」を狙っていた相場参加者が多かったことから、価格が下がっていったと考えられます。
さて、次の条件で波を見ていきます。
① 上昇波が直近の高値を上抜けていれば「上昇推進波」、下降波が直近の安値を下抜けていれば「下降推進波」② 上記推進波に対して「押し目買い・戻り売り」が入り、結果として高値・安値まで到達出来た
上の条件を満たしている簡易的な「押し目買い・戻り売りが成功の場面」を抽出します。(※あくまで簡易的です)
そして、この場面において「戻り深度」つまり親波(推進波)に対して調整が何%進んだところから、本命の押し目買い・戻り売り勢力が入ってきたのかを調べます。
例えば、下の画像の部分を詳しく見てみます。
上の画像のピンク色の枠で囲った波の場面は直近の安値を下抜けた下降推進波に対して戻り売りが入って、安値まで到達しているので、簡易的な「戻り売り成功」の場面です。
さて、下位足のチャートに落として見てみます。
先程の場面の波に「フィボナッチリトレースメント」を引いてみると、FIBO約61.8%程まで調整波が進んでから、本格的な戻り売り勢力が入ってきて、下降していき戻り売りが成功していることが分かります。
ちなみに、この場面では最終的に上昇調整波を食い止めたのがFIBO約61.8%程の価格ですが、それまでに戻り売り勢力が入っていないわけではないんですね。
今回の波でいうと、FIBO38.2%程、FIBO50%程のところでも下位レベルでは下降波が出ているのが分かりますね。
つまり、途中でも戻り売り勢力が入って来ているわけです。
ですが、上昇調整波を崩す程強くはなかったということです。
これが「再調整」の展開ですね。
どのように損確を設定するかにもよりますが、タイトに損確を設定していた場合、途中のポイントで売りポジションを建てていたら、損確になっているかもしれませんね。
さて、このようにして様々な場面でみなさんもぜひ同じようにデータを取ってみてください。
「押し目買い・戻り売り」が成功している場面は最終的な戻り深度が「FIBO50%以上」に達していることが多いことが分かると思います。
もちろん、中にはFIBO38.2%くらいの浅い調整の戻りから、推進波が再開して波が伸びていくこともあります。
ですが、統計データ的にも調整がFIBO50%以上進むことが多いと分かっているのであれば、論理的に考えてFIBO50%程まで調整波を引き付けてから「押し目買い・戻り売り」を狙った方が効率の良いトレードが出来そうではないですか??
FIBO38.2%程の浅い戻りから伸びていってしまった場合は、エントリーすることが出来ずに悔しいと思うかもしれませんが、別に資金が減るわけではありません。
むしろ、FIBO38.2%程くらいの浅い戻りからがんがんエントリーしているようだと、「再調整」の展開で含み損を抱えたり、最悪の場合は損確になってしまうことが多いはずです。
たしかに、浅い戻りから仕掛けられる場面もありますが、トレード成績が安定していないうちは、あえて難しい場面を選ぶ必要はありません。
対象とする親波(推進波)のFIBO50%程まで調整が進むのを腰を据えてじっくり待ちましょう。
「戻り深度」の話だけではありませんが、しっかり待つことは効率の良いトレードをするコツの1つです。
まとめ
FXのテクニカル分析の主力は「ローソク足(水平線)」がおすすめですが、補助として「フィボナッチリトレースメント」はおすすめです。
今回はその理由の1つについて。
上記で紹介したような簡易的な「押し目買い・戻り売り成功」の場面をみなさんも過去チャートでたくさん見てもらえれば分かると思いますが、「調整」はFIBO50%以上まで進むことが多いんですね。
その手前から伸びていってしまうこともありますが、「再調整」のリスクも考えたら、しっかりとFIBO50%程までは引き付けてから押し目買い・戻り売りのトレードプランを立てた方が効率の良いトレードが出来ます。
ちなみに、上記で紹介した簡易的な「押し目買い・戻り売り成功」の場面について、戻り深度がFIBO10%とかFIBO20%程の浅い戻りは自然と含まれていないと思います。
その理由は、波認識するときに戻り深度が浅すぎると、そもそも「調整局面」にその波レベルでは移っているように見えないからですね。
FIBO20%くらいの浅い戻りで伸びていっている場面は、おそらく下位レベルでは「推進→調整→推進」の波が描かれていると思います。
結局、フラクタル構造なわけですね。
その場合、下位レベルの「推進→調整→推進」の「調整」の戻り深度をフィボナッチリトレースメントを使って測ってみてください。
おそらく、FIBO50%以上調整が進んだ後に推進波が本格化して伸びていっている場面の方が多いはずです。
押し目買いの場面などで、陽線が出たから伸びていってしまいそうだからといって買いポジションを建てて飛び乗ってみたけど、結局伸びずに戻ってきてしまい含み損を抱える、なんてトレードをしている人。
フィボナッチリトレースメントを引いて、FIBO50%よりも手前でエントリーして上記のような含み損を抱えることが多いのであれば、最低でもFIBO50%までじっくり引き付けることを覚えるだけで、要らないエントリーを減らせると思いますので、ぜひ参考に。