FXで「破産・退場」する理由
FXの失敗話で「FXを始めた頃、トレードが上手く出来ずにFX資金を〇〇百万円溶かしてしまいました・・・」なんて話をよく聞きませんか?
聞くというより、ネット上の記事などで目にすることが多いかもしれませんが、実際の自分の周りにもそういう人が居ました。
いわゆるFX破産で退場を余儀なくなくされたという話です。
「破産・退場」の定義は曖昧ですが、少なくともFXトレードをすることでFX資金をだいぶ減らしたということですよね。
今回は、FXトレードにおいて「資金を減らす理由」について考察してみます。
① 「下手なトレード」
まず最初に思いつくのが、「下手なトレード」ですね。
「下手なトレード」というのは、テクニカル分析的に拙いという意味です。
FX破産・退場話というのは、「FX始めた頃に・・・」というのが定番ですから、まだ「環境認識」や「トレンド・チャートポイントの把握」というテクニカル分析の技術を習得しておらずに、下手なトレードを繰り返してFX資金を減らして破産・退場してしまったというのが理由の1つでしょうか?
たしかに、論理的には「期待値がマイナス」のトレードを繰り返せば、いずれ破産・退場することになります。
ですが、実はそれは継続的に利益を上げ続けることと同じくらい難しいことだったりします。
もしも、安定してFX資産を減らし続けるトレードが出来ているのであれば、「逆」のトレードをすれば安定してFX資産を増やし続けることが出来るということです。
テクニカル分析の技術が無いということは、「安定して負けるトレード」というよりも「暗闇の中の手探りトレード」という感じが本質的には近いと思います。
つまり、ただ単に運で勝ったり、運で負けたりしているような状態です。
すると、本質的には「期待値が0」に近いようなトレードをしているのではないかと思います。
ですが、やはり「下手なトレード」をしているFXトレーダーはたしかにFX資金を減らしているわけです。
もっと、他の資金が減る理由を考察してみます。
② 「スプレッド・スリッページetc」
FXトレードをするにはFX業者を仲介することになります。
そこで「スプレッド」、FX業者によっては「取引手数料」などの費用をトレード毎に払うことになると思います。
また、「スリッページ」もある意味ではトレードにかかる費用とも言えます。
たしかに、「期待値が0」のトレードを繰り返していても、トレード毎にこれらの費用がかかっていれば、いずれ破産・退場することになります。
ですが、スプレッド・スリッページの費用を積み重ねるだけで、大きくFX資金を減らすというのも実は結構なトレード数がかかるはずなんです。
なので、スプレッド・スリッページなどの費用が破産・退場の決定的な理由とは言えません。
③「プロスペクト理論」
FXにおいてプロスペクト理論とは「損確はずるずると先延ばしにしてしまい、利確は伸ばすことが出来ずにすぐに決済してしまう」という心理的な傾向が人間にはあるということです。
上に紹介した記事にも書いていますが、「損小利大」「損大利小」というのは、数学的には期待値に影響を及ぼしません。
この辺は少し複雑なので、上に紹介した記事を読んで欲しいのですが、簡単には「損大利小」のトレードスタイルでも期待値がプラスなら、FX資金は増えていきます。
ケースによってはプロスペクト理論によって期待値が減少している可能性はもちろんあるのですが、やはり破産・退場になる決定的な理由とは言えません。
ですが、それは次の項目でもある1つの前提条件を守っていればの話です。
④ 「資金管理」
プロスペクト理論に陥って「資金管理」を守っていなければ、話は違います。
当初、損失許容割合を「2%」に定めた損確を設定してエントリーしたのに、プロスペクト理論に陥って、損確をずらしてしまい結果として「5%」の資金を一気に失ってしまった、、、
このように「資金管理」が守れていないパターンは非常に危険ですね。
ここまでに挙げたFXで資金が減る理由もそれぞれが資金を減らしている要因にはなっていると思います。
ですが、FXを始めて数か月などの短期間で破産・退場となってしまうような場合は、一番の要因はこの「資金管理」が出来ていないことだと思います。
上の当初の損確をずらしてしまう行為も非常に危険ですが、破産・退場する人に多いのは「危険な損失割合」の設定ではないでしょうか。
つまり、1回のトレードに負けただけでFX資金の10%以上を失ってしまうような過剰なロットの投入です。
FXはどこまでいっても「確率」の世界です。
なので、トレードを続けていれば必ず「連敗」「負けが混む」という現象は発生します。
その時に過剰なロットを投入していると、一気にFX資金を大きく減らしてしまいます。
そして、大きく減ってしまったことに焦って、すぐに取り戻したいという感情から、また過剰なロットを投入して、大きな損失を出してしまう・・・
このような負の連鎖がFXで破産・退場するシナリオで一番多いのではないでしょうか。
むしろ、「資金管理」さえしっかり守っていれば、短期間で破産・退場する程資金を減らすのはかなり難しいとさえ言えます。
実際、僕もFXを本格的に始めて1年以上トンチンカンなトレードを繰り返していましたが、資金管理だけはしていたので、特に大きく資金が減ったりはしていなかったんですよね。
「資金管理」をせずに、過剰なロットを投入してトレードを続ければ、簡単に破産・退場出来てしまいます。
この怖さに気づかずに、罠に嵌ってしまったFX初級者が破産・退場してしまうのだと思います。
まとめ
FXで破産・退場になるには資金をだいぶ大きく減らしているということ。
資金が減る理由には①「下手なトレード」②「スプレッドなど費用」③「プロスペクト理論」などがあるが、一番大きな理由は④「資金管理を守っていない」ことなんですね。
むしろ「資金管理」を守っていれば、短期間で破産・退場する方が難しいわけです。
当初の損確をずらす行為も論外ですし、危険な許容損失割合を負う過剰なロットの投入などをしていれば、簡単に破産・退場出来てしまいます。
前にも似たような記事を書いていますが、本当に「資金管理」は重要なので、また違った角度から書きました。
特にFX初級者の人は上手にトレードが出来るように成長するまで破産・退場しないことが重要です。
ラプラスFXではデモトレードで十分経験を積んでからリアルトレードに進むという流れを推奨していますが、それでもやはりデモトレードとリアルトレードは別物です。
なので、リアルトレードのプレッシャーでデモトレードと同じようにトレードが出来ずに資金を減らしてしまう場面があると思います。
ですが、「資金管理」さえ出来ていれば短期間で破産・退場するなんてことはほとんどないはずです。
どうしても短期間で〇〇万円をFXで稼ぐ必要がある、など特殊な状況下であれば「ギャンブル性」を認識したうえで過剰なロットを投入するのも1つの選択かもしれません。
しかし、FXを収入の柱として長期間の目線で考えている人は、しっかり「資金管理」をして着実に歩みを進めていくことをおすすめします。