FXで「ドテン」の展開を考えるか考えないかの違いとは?#1

アイキャッチ画像トレード手法

「ドテン」とは

FX・株式相場などで「ドテン買い」「ドテン売り」という言葉があります。

例えば、ドテン買いは元々売りポジションを持っていたのに、売りポジションを決済するだけでなく、買いポジションに持ち直すことを言います。

ドテン」とは、人や物がひっくり返るときにする「どたん!どてん!」という音が由来になっているとか。

つまり、「ドテン」とは「ひっくり返る」という意味であり、トレードにおいては「逆のポジションに持ち変える」ということなんですね。

今回はトレードをするかどうかは置いておいて、相場観として「ドテンの展開」を考えるかどうかという点について考察してみます。

ドテン1

上の画像は、緑色レベルにおいてダウ理論ベースでは上昇トレンド中でした。

なので、「押し目買い」をイメージして買いエントリーをしたとします。

この時点で買いでトレードをしているのであれば「買い目線」ですよね。

つまりは「買い勢力」側が優勢だという相場観です。

ですが、その後「ダウ安値」を下抜けてしまいました。

この時点で今度は「売り目線」になるかどうかというのが今回のテーマですね。

ダウ安値を下抜けたのでトレーダーにもよりますが、ダウ理論ベースで分析しているトレーダーなら「売り目線」「売り目線?」だと思います。

ですが、これはあくまで定義上の話ですね。

「ドテン」をするかどうかというのは、トレードする程の「売り目線」かどうか?ということです。

ドテンで「売り目線」に切り替わる場面とはどんな場面でしょうか?

ドテン2

例えば、上の画像のような環境。

上昇トレンドが実は上位環境においては「上昇調整波」であり、到達していたレジスタンスが上位の戻り売りの候補となり得るレジスタンスだった場合。

上位環境としては、ここから戻り売りが入ってきて、下降推進波が発生していくような展開は十分予測出来ますよね。

そして、そのような場面で実際に緑色レベルでダウ安値を下抜けたという材料が発生したことで、いよいよここから下降推進波が発生していく展開になるのでは?

ということで、緑色のダウ安値を下抜けた時点で売りポジションに持ち変える、これが「ドテン売り」ですね。

ですが、この上記の説明の流れを読んでいて違和感を感じませんか?

そうなんです、このような環境であれば、そもそもレジスタンスに到達後の「押し目買い」からの買いエントリーをしていないような気がしませんか?

ドテン3

先程とは違い、上位環境において上昇トレンドが「上昇推進波」であって、到達したレジスタンスも注目度の高いものではなく一時的な押しを形成するレジスタンスに過ぎない場面。

このような環境であれば、緑色レベルのダウ安値を下抜けてダウ理論ベースで上昇トレンドが終了したと判断されても、ドテン売りでポジションを持ち帰る程の売り目線に切り替わらないですよね?

上の画像のように「ダマシ」のような展開で再度上昇していく流れだったり、いつ買われてくるのかという不安から売れるような場面ではなさそうです。

緑色レベルで「上昇トレンド」が終了したからといって、「売れる」には必ずしも繋がるわけではないですよね。

さて、2つの例を見てなんとなく分かったかとも思いますが、「推進波・調整波」という見立てや、チャートポイントの強さというのは、あくまでトレーダーの分析であって、常に正しいものでもありませんし、そこには「自信」というものが付きまといます。

なので、先の例であればそもそも買いエントリーをしていないと思いますが、2つの例の中間の環境というのが多分に存在しているわけですね。

そのような場面で「ドテン買い」「ドテン売り」は発生する可能性があります。

つまり、相場観がかなり微妙な場面ということですね。

「買い」のシナリオも「売り」のシナリオも、どちらも考えられるような微妙な場面でどちらかのシナリオを選択してポジションを持ったけれど、その後にそれを覆すような材料が発生したのを機にポジションを持ち帰ることで「ドテン」が発生します。

逆に、片方のシナリオしか想像できないような場面であれば、覆すような材料が発生しても「ドテン」の展開を考えるのは難しいわけです。

ドテン4

相場観が微妙になる場面の代表といえば「レンジ」ですよね。

レンジを形成している場合、静観するのも1つの判断ですが、レンジを利用して端からトレードをしていく考えもあります。

上の画像のように、レンジの上限付近でまだレンジが続くと期待して売りエントリーをしている時点では価格が下落していくと予測しているので「売り目線」ですね。

ですが、その後レンジが終わってしまい、上限を上抜けた時に上位の環境もあると思いますが、ブレイクして上昇して伸びていくと考えれば、買いエントリーもあり得ます。

これが「ドテン買い」ですね。

買っているわけなので、価格が上昇していくと予測しているので「買い目線」です。

「売り目線→買い目線」へ「ドテン」の展開になったわけですが、それは「微妙な相場観」が前提としてあったということですね。

まとめ

ポジションを持ち変える「ドテン」の展開について少し掘り下げてみました。

ポイントはポジションを持ち変える程の相場観の「逆転」です。

「ダウ安値を下抜けた」という事実はダウ理論ベースでその波レベルでの上昇トレンドの終了と判断出来ますが、必ずしも「売り」でトレードが出来るということに繋がるわけではありません。

そもそも、事前に買いポジションを持っていたのであれば、多分に「買い材料」が存在するトレード場面だと言えます。

そこに新たな「売り材料」が発生したとしても、「買えなくなった」ことに繋がるとしても、一気に「売れる」まで形勢が変化するとは限りません。

特に、明らかに「買い」しか考えられないような場面を選択してトレードをしていたのであれば、「買う」という選択肢が消えたとしても、いきなり「売り」にはならないですよね。

「ドテン」の展開とは「相場観の逆転」です。

良く言えば相場の展開に上手くついていっていると表現出来ますが、悪く言えば「振り回されている」と表現も出来ます。

ドテンのトレードが多い人で上手くいっている人は問題ありませんが、トレード成績が安定していないのであれば、この「振り回されている」に該当するかもしれません。

実際、FXのチャートは微妙な場面の方が多いですし、ドテンのトレードが悪いわけではありません。

ですが、「ドテン」のトレードが有効だと言える場面を選択することは、FX初心者向けとは言えないのが事実です。

「ドテン」の展開があり得るということは、「買い」勢力と「売り」勢力がある程度拮抗しているような場面ですね。

失敗トレードをドテンで短期的にトレードしてカバーするといったトレードは上級者の技とも言えます。

まずは、自分の目線が「買い」「売り」のどちらかに定まるような場面を選択して、一方向のみにトレードを考えるようなトレードを心掛けるとトレード成績が安定すると思います。

 

 

 

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