「伸びる」場面を実際のFXチャートで確認
FXの通貨ペアの価格がぐいぐい伸びる時というのは、「攻防に決着がついてから、次の攻防が始まるまでの間」という記事を前に書きました。
買い側と売り側の攻防が行われている間は「調整」や「持ち合い」の局面だったりして、攻防に決着がつくと多数決のバランスに大きな偏りが出来てぐいぐいと価格が伸びる時があります。
エリオット波動的考え方だと「第3波」というイメージですね。
さて、今回の「攻防→決着→伸びる」という展開を実際のFXチャートで見てみようと思います。
さっそく、下の画像を見てください。
下降トレンドがサポートに到達して、上昇反発してきた場面です。
つまり、下降トレンド継続を期待する「売り側」とサポートからの上昇を期待する「買い側」の攻防が予測されます。
さて、続きを見てみます。
上昇調整波がレジスタンスに到達した時にやはり戻り売り勢力が入ってきて下降波が発生しました。
その後、上昇調整波を親波とした押し目買いが入って買い支えることで再度上昇していきレジスタンスを攻め立てます。
互いに士気が高い攻防の状態ですね。
さらに続きです。
しかし、上昇はレジスタンスで止められてしまいダブルトップのチャートパターンが形成されてしまい、ネックラインになったサポートを下抜けてしまう展開でした。
これは、「買い側」の士気を下げる材料です。
一応、サポートゾーンで買い支えられましたが、環境次第ではこれでこのエリアの攻防に決着がついてしまってもおかしくない材料です。
さらに続きです。
サポートゾーンで2回程買い支えられた結果、レジスタンス(下位)を上抜ける展開でした。
ダブルトップのネックラインを割れるという負の材料があっても、まだサポートからの上昇を期待する相場参加者が多くいたということですね。
つまり、まだ「買い側」の士気は無くなっていなかったわけです。
買い側が少し盛り返した形です。
さらに続きです。
しかし、負の材料が少し出ましたが、やはりトレンド側なのでレジスタンスゾーンから戻り売りがしっかり入ってきて、再度下落していきます。
レジスタンスゾーンでしっかり反発するというのも、「売り側」にとってプラスの材料であり、「買い側」にとってマイナスの材料です。
そして、サポートゾーンに3度目のアタックをしかけていき、下位レベルでの上昇反発はあったもののついに下抜ける展開でした。
この何度も買い支えたサポートゾーンが下抜かれてしまったことで、このエリアの攻防に決着がついた模様です。
この後は、下降推進波が次のレジスタンスまでぐいぐいと伸びていきました。
「ダブルトップのネック割れ」で決着がつかず、「レジスタンス(下位)を上抜き」で少し粘るものの、「買い支えたサポートゾーン下抜け」で決着という流れでした。
攻防があったエリアと攻防の決着がついた後伸びていったエリアは上の画像のようなイメージですね。
互いの士気が高い局面では多数決のバランスが大きく偏るということがなく、一方にぐいぐい伸びるという展開にはなりづらいです。
攻防の決着がついてしまうと多数決のバランスが大きく偏り、ぐいぐいと伸びる展開になったりします。
そして、次のチャートポイントに到達することで、また逆目線側の士気が高まり、次の攻防が始まります。
この流れをフラクタル構造的に次々と繰り返していたりするんですね。
今回の攻防も、もっと大きな攻防の一部だったりという感じですね。
なので、大局的に俯瞰して戦場を見渡すがごとく、マルチタイムフレーム分析が重要だったりします。
まとめ
FXの通貨ペアの価格がぐいぐい伸びる時というのは、「攻防に決着がついてから、次の攻防が始まるまでの間」という記事の内容を実際のFXチャートで確認してみました。
「ダブルトップのネック割れ」で決着がつかず、「レジスタンス(下位)を上抜き」で少し粘るものの、「買い支えたサポートゾーン下抜け」で決着という流れでした。
今回のように、大きな材料が出ても粘ったり巻き返したりという展開はよくあります。
ですが、大雑把に見れば、「下降トレンドがサポートに到達して、少し買い側の抵抗があったものの、下降トレンドが継続していった」という展開です。
上位の環境認識のもと、この大筋の予測が出来ていれば、あとは「タイミング」の問題なわけですね。
さて、今回の場面をエリオット波動的にも見ておきます。
ダブルトップの展開あたりから、早目に仕掛けていく「先発隊」である第1波。
まだ、逆目線の士気が残っているかもしれないというリスクを覚悟で攻めていく勇者たちですね。
実際、今回の場面でも逆目線の粘りがあり、第2波は下位レベルでレジスタンスを上抜く展開でした。
しかし、下降トレンドが強く戻り高値であるレジスタンスゾーンからの戻り売りが強く再度下落が始まったあたりからが、本命の「本隊」の第3波と言えます。
何度も買い支えて注目度が高まったサポートゾーンを下抜けて、いよいよ下に伸びていくというあたりが「第3波の中の第3波」という感じですね。
トレーダーによっては第1波あたりから仕込む人もいれば、第3波の存在を確認してから乗っていく人もいると思いますし、トレードプランの立て方は人それぞれだと思います。
早目に仕掛けるのは有利なポジションを建てれますが、第2波のような波にポジションを刈られてしますリスクがあります。
第3波を待って仕掛けようとすると、ポジションは不利な位置になることも多く、タイミングを逃すと乗れないなんてリスクもあります。
メリット・デメリットですね。
出来れば、ポジションを持った状態で第3波を捉えられるようなトレードが理想的です。
なので、チャート分析をして、今回の環境・展開であればどのタイミングで入っていくのが効率の良いトレードになるのかを探るのがトレーダーの仕事と言えます。
その為には、逆目線側の相場参加者の心理も想像することがポイントだったりします。