FXも商売と基本は同じ
FXのトレードも物を売る商売も基本は同じという話。
物を売る商売では、まず卸業者から商品を仕入れたりします。
そして、仕入れた時の価格よりも高い価格で消費者に売って、その差額が利益になるわけです。
つまり、「安く買って、高く売る」ことで利益を出しているんですね。
FXも買いポジションを持った時、価格が上昇してポジションを持った時よりも高い価格の時に決済をすることで差益が発生します。
これも同じように「安いポジションを買って、高いポジションを売る」ことで利益を出しているわけです。
さて、ここで重要なのは「安いとは?高いとは?」ということです。
例として、「りんご」を売る商売を考える時、1個100円という価格で仕入れるのは高いでしょうか?安いでしょうか?
この情報だけでは何とも言えませんよね。
その時の「りんご」の人気次第ですよね。
市場で「りんご」が人気であり、1個150円で売れるのであれば1個100円の仕入れ価格は「安い」と言えますが、「りんご」が不人気であり、1個50円くらいでしか売れる見込みがないのであれば、1個100円の仕入れ価格は「高い」と言えます。
なので、「りんご」が不人気の時に、そもそも1個100円で仕入れる人はいないと言えますね。
すると、「りんご」を売りたい人はもっと安い価格で売るしかないわけです。
なるべく自分のりんごが売れるように値下げ競争が起きます。
この事例から分かることは、「高い安いという考えは、その市場に関わる人達の思惑次第」ということであり、1個100円が高い時もあれば、安い時もあるということですね。
そして、その思惑に合わせるように「りんご」の価格は動いていくわけです。
FXで言えば、相場参加者の総意として「高い」と判断されれば価格は下降していき、「安い」と判断されれば価格は上昇していくということですね。
「高い」と「安い」が切り替わる
さて、実際の世界では「りんご」の人気はそんなにコロコロ変化するものではありませんね。
ですが、FXチャートの短い時間軸の世界においては、その通貨ペアの人気は一日に何度も変わったりしています。
その価格の変化を「高い」「安い」という意識の側面から深堀してみます。
上昇トレンドの場面を見てみます。
上昇トレンドとは、「りんご」で言えば「りんごの人気があり、りんごの価格が将来的に上がる見込みがある」状況と言えます。
将来的に価格が上昇すると期待される(りんごが人気)場面において、価格が一時的に下がれば下がる程「安い(お買い得)」ということになりますね。
そして、人はなるべく安く、お買い得な価格で買いたいという心理が働きます。
どのくらいの価格まで下がれば、手が出てしまう、買いたくなる程「安い」と思える価格なのかは人によって違いますよね。
人それぞれ考え方がまったく同じはずはないので違いがあって当然です。
そんな様々な思惑・考え方を持った相場参加者の総意はチャート上に価格の動きとして表現されます。
つまり、チャートから相場参加者の総意を読み取れるとも言えますね。
上の画像の青色エリアは、相場参加者の総意として「まだ高い」と判断されて、結果的に売り注文の方が多く価格が下降したエリアですね。
(※もちろん、「まだ高い」ではなく「高い」という意思も含まれていますが、、、今回は割愛)
赤色エリアは、相場参加者の総意として「安い」と判断されて結果的に買い注文の方が多く価格が上昇したエリアです。
上の画像の青色点線のような展開もありえたわけですが、今回のシチュエーションでは上の画像のような展開が相場参加者の総意だったわけですね。
もちろん、状況が違えば価格の動き方も違ったはずです。
上昇トレンドが継続するにしても、もっと高い価格から「安い」と判断されて上昇していったかもしれないし、もっと安い価格まで「安い」と判断されなかったかもしれません。
ただ、今回は上の画像のような価格まで下がった時に相場参加者の総意として「安い(お買い得)」という判断に切り替わったわけです。
この相場参加者全体の総意が「高い」から「安い」に切り替わったというのがポイントですね。
「心理に変化があった」とも言えますよね。
上の画像のようにエリアを分けてみると、「とても安いエリア」まで価格が下がってから買った方がよりお買い得であり、有利なトレードが出来たはずですが、実際には相場参加者の総意としては「安過ぎた」為にそこまで価格が落ちなかったわけですね。
良い取引をする為にも「なるべく安く買いたい」のですが、買えなくては取引自体が出来ませんね。
なので、同じ価格でも「高いエリア」では買われてなかったのに、「安いエリア」では買われるという現象が起きて、価格は上昇していったりします。
つまり、相場参加者の総意として心理に変化があったわけですね。
上の画像の例でいえば、前回高値のレジサポ転換した水平線が、今回の相場参加者の総意に心理の変化を及ぼした価格帯(チャートポイント)だったということですね。
これは、毎回レジサポ転換の水平線で転換するということが言いたいのではなく、「心理の変化」には基本的に「チャートポイント」が存在するということです。
それは、もちろん水平線とは限らず、移動平均線やトレンドライン、他のテクニカル分析から導き出される価格帯かもしれません。
上の画像には描かれていませんが、他にもたくさんのチャートポイントが存在はしていたわけです。
ですが、そのチャートポイントを意識して注文を入れた相場参加者が少なかったので、相場参加者の総意としては心理の変化を及ぼす程ではなかったということですね。
相場参加者の総意に影響を及ぼすには、やはり多くの相場参加者が同じような価格帯(チャートポイント)で同じような思惑を持たないといけません。
なので、ラプラスFXではチャートポイントを分析する時に「ローソク足(水平線)」を主軸にすることをおすすめしています。
まとめ
物を売る商売と同じように、FXでも人は「なるべく安く買って、なるべく高く売りたい」という心理が根底にあります。(※FXの場合は「なるべく高く売って、なるべく安く買いたい」というのも成立しますね)
そして、そのような心理において「どのくらいの価格を安いと捉えるか、高いと捉えるか」という考えは人によって様々です。
その相場参加者の総意が価格の動きとして表現される時、総意の心理に変化が起きる価格帯には基本的に「チャートポイント」が存在するということですね。
もっと言うと、相場参加者の総意に変化を及ぼす程注目度の高いチャートポイントが存在したから、総意の心理に変化が起きて価格の動きが転換したわけです。
効率の良いトレードとは「なるべく安く買って、なるべく高く売る」ということですよ。(※「売り」も逆に同様)
上の画像のようなエリア分けを事前にイメージできるかどうかが重要ですよね。
今回は「トレンド」の話にはほとんど触れていませんが、「トレンド」と「チャートポイント」の分析が上手な商売をする為には欠かせないことが分かるかと思います。
今回の話はトレードの根底にある心理と、その心理に影響を及ぼすチャートポイントについての話の一部分です。
これに、トレンドやらフラクタル構造やらの話が掛け合わさってくるので、FXトレードは難しいんですよね。