大きな建物には大きな土台が必要
FXのチャート分析の基本である「トレンド(波)」と「チャートポイント(波止場)」。
すべてのトレンド(波)はチャートポイント(波止場)を起点に生まれていると見ることが出来ますが、その時にその波の大きさに応じた「土台」が必要なんですね。
その波の大きさに比例した「土台」になりやすい話なんですが、この「土台」は言い換えると「反転の形」だったりします。
この辺りを実際のFXチャートで確認してみます。
緑色レベルの上昇トレンドにおいて、サポートに下降調整波が到達した後に押し目買い勢力が入って買い支えています。
結果的にWボトムの展開からネックラインを上抜けていく展開でした。
上の画像のピンク色のWボトムのネックラインを上抜けた結果として、緑色レベルの上昇推進波が本格的に再開して、上昇して伸びていったわけです。
このWボトムの中を下位レベルで見てみます。
上の画像の左側の水色枠の中もWボトムを形成していますね。
M30レベルのサポートに到達して押し目買い勢力が買い支えた場面です。
M5レベルのネックラインを上抜けて上昇調整波を作りますが、ここでは戻り売り勢力が入ってきて、安値を下抜けていく展開です。
しかし、安値をほとんど更新できずに再度押し目買い勢力が入ってきて、またWボトムを形成しているのが右側の水色枠。
このネックラインを上抜けることで再度上昇波が発生します。
そして、この上昇波は先ほど確認したピンク色枠のWボトムのネックラインも上抜けていき、さらに大きな上昇波へと「波及」していく流れでした。
この展開の中で、水色枠のWボトムの流れから発生した上昇波のレベルはそれぞれのWボトムの大きさに準拠したものであり、およそM5レベルですね。
ですが、右側のWボトムから発生した上昇波は、大きなWボトムの「右ボトム」の位置にあり、大きなWボトムの絵を期待した上位の買い勢力によって、より大きな上昇波へと「波及」していったわけですね。
結果として、大きなWボトムのネックラインの上抜けが成立しており、この大きなWボトムの影響により、その後大きな上昇につながっています。
上の画像の通り、小さいWボトムを由来とした波は小さい波になり、大きいWボトムを由来とした波は大きい波となります。
もちろん、これはトレンドに沿っていて、伸びる環境にある時の話ですね。
上位のトレンドに逆らっている場合などは、Wボトムのネックラインを上抜けても、ダマシの展開で下落していったりします。
まとめ
波がチャートポイントに到達した際に反転の展開、そして生まれる波のサイズがやはりフラクタル構造になっていることを実際のFXチャートを使って確認してみました。
今回は、反転の形が「Wボトム」でしたが、Wボトム以外でも基本的に同様ですね。
もちろん、「V字」のような展開もあるので、必ずこのようになるわけではありませんが、時間軸が大きな波の転換にはその時間軸レベルの時間が必要になることが多いということです。
時間軸レベルが大きければ大きい程、そのトレンド(波)が持っているエネルギーも大きいわけです。
すると、車がブレーキをかけて止まるまでに必要な制動距離と同じような関係がイメージしやすいですね。
速度が遅ければ(時間軸小さければ)車が止まるのにブレーキをかけてからすぐに止まります(反転の形が小さい)が、速度が速ければ(時間軸が大きければ)車はすぐに止まれず制動距離が長くなります(反転の形が大きい)。
まあ、なんてことはないFXチャートはフラクタル構造になっているという話です。
けど、トレードをしていて視野が狭くなっている時、このことを忘れがちです。
自分が狙っている波レベルに対して、小さい反転の形に対して、反転が完了したと考えてしまうと、思ったように推進波が再開せずに、「なんで?」となってしまいます。
もちろん、小さい材料から入っていく考え方もあるので、それをしっかり認識出来ていれば良いですが、確認した材料に対して、期待出来るモノを大きく見過ぎていると、チャート分析の精度に影響がありますので、要注意です。