FXは「フラクタル構造」を考えるだけでトレードの基本も見えてくる!?

アイキャッチ画像トレード手法

「フラクタル構造」から考える

FXで一時的ではなく、継続的に利益を上げ続ける為には、「期待値の高い」トレードをすることが重要だということは、何度も書かせていただいています。

期待値の高いトレードをする為には色々な要素を統合的に考える必要がありますが、その1つの要素が「フラクタル構造」です。

FX用語解説「フラクタル構造」
ラプラスFXの用語解説。FXチャート分析において超重要な概念である「フラクタル構造」について解説。これを知らずにチャート分析をするのは、「猫の首に鈴を付ける」がごとし。

「フラクタル構造」については、上の記事でも解説していますが、今回は「フラクタル構造」について考えていくと、FXではトレードをどのように考えていけば良いのかというイメージが理解できるということを紹介したいと思います。

その為に、まずは「ローソク足」自体がトレンドであることを理解しましょう。

フラクタル1

ダウ理論ベースでトレンドを判断する時、上昇トレンドの波の形は上の画像のような形になりますよね。

ダウ理論ベースのトレンド判断でなくても、上昇トレンドと判断される波の形は基本的には「右肩上がり」の形になっていると思います。

そのような波を上位時間軸のローソク足1本で表現すると「陽線」1本になるわけです。(※「陰線」も同様ですね)

つまり、フラクタル構造的に「陽線」は「上昇トレンド」を表現してるわけなんですね。(「陰線」は「下降トレンド」を表現)

そして、上位時間軸のローソク足1本は、フラクタル構造的に下位時間軸のローソク足複数本で構成されています。

下の画像のような構図ですね。

フラクタル構造2

大きなローソク足の中に、小さなローソク足が複数本入っているわけです。

ここで、「ローソク足」はそれ自体が「トレンド」という話でしたね。

なので、「大きなトレンド」は「小さなトレンド」が複数合わさって構成されているということなんです。

これが「フラクタル構造」です。

そして、陽線(上位)の中には、陽線(下位)と陰線(下位)が含まれていますが、「陽線の方が数が多く、大きい傾向にある」という特徴があります。

 

トレードを考える

さて、「上昇トレンド」の場面でのトレードを考えてみます。(※実際はもう少し複雑になるのですが、今回は要点を掴むために上昇トレンドであるという前提)

まず、タイミングを計ることは出来ないという条件の元でトレードをしなくてはいけないとするならば、「買い」と「売り」のどちらをするか?(※厳密には色々条件設定の話がありますが、今回は大枠の話ということで)

「上昇トレンド」でポジションを持つなら「買い」の方が有利

というのは、なんとなく分かると思います。これを論理的に詰めてみます。

まず「上昇トレンド」というのが上位時間軸のローソク足1本だとして、これからするトレードプランが下位時間軸のローソク足1本分だとします。(下位足1本分の間でエントリーして決済するというプラン)

先程の画像において、ランダムなタイミングで「買い」ポジションを建てるトレードを考えるならば、自分がエントリーしたタイミングの下位足が「陽線」になれば勝ち、「陰線」であれば負けという感じですよね。

だとすれば、陽線(上位)の中では、陽線(下位)と陰線(下位)を比べれば、「陽線の割合が多く、また大きい」という特徴がありますので、それは「買いの方が勝率が高く、また利益が大きい」ということに繋がることが分かると思います。

フラクタル3

これが「上昇トレンド」では「買い」を選択するべき論理的な理由ですね。

もちろん、「陰線」に当たってしまうこともありますが「確率」を考えれば、「陽線」に当たる確率が高いのですから、「買い」を選択するべきですね。

そして、「陽線の方が大きい」という特徴があるわけですから、勝った時の利益も大きくなりやすいわけです。

これは、「損益率」が大きくなるという要素ですので、「勝率」とあわせて考えると、やはり「買う」という行動の方が「期待値が高い」と考えられます。

というか、今までの話の中で「売りたい」とは思わないですよね。

でも、実際には「売る」人もいるんです。

上記の話からすると、「確率が低いのに、期待値が低いのに、どうして売るの?」という感じですよね。

これには、色々な理由があります。もちろん、他の時間軸のトレーダーの売り注文というのがあると思いますが、この時間軸の波の形だけで考えても「売る」という発想が出てきます。

それが「タイミング」なんですね。

先程の話は、陽線(上位)の中には陽線(下位)の割合の方が多く大きくなりやすい、という特徴があるので、陽線を狙った方が効率が良いという話でした。

ですが、裏を返せば割合は少ないし小さいかもしれないけど、陰線(下位)も少なからず存在するとも言えますよね。

すると、「タイミングを計りさえすれば、この陰線を狙える」という発想が生まれるんですね。

先程の話は「タイミングを計ることは出来ない」という条件設定をしていましたから、その条件なら論理的な考えも持つ人なら、みな「買い一択」です。

ですが、実際にはトレーダーはトレードをする「タイミング」を自由に選ぶことが出来ます。

なので、「タイミングを計りさえすれば、この陰線を狙える」という発想で「売り注文」がこの時間軸レベルでも発生するんですね。

この「売り注文」の源になっているのは、元は「利確」です。

波はある程度伸びると、大きく膨らんだ含み益を人間は確保したくなりますので、「利確」が発生します。

上昇トレンドにおける「買い」ポジションの利確の注文は「売り注文」ですね。

なので、「利確」がある程度発生すると「売り注文」の量が大きくなります。

すると、この利確の売り注文の量が大きくなる「タイミング」にあわせて、先程の発想を持ったトレードによる「新規」の売り注文も発生して、これらが合わさることで、一時的な価格の下落が発生するわけです。

これが陽線(上位)の中の陰線(下位)を生んでいる要因の1つです。(※他にも理由はありますが、今回は割愛)

さて、この「タイミング」というのは、どういった「タイミング」なのか?

先程の画像にある要素を追加してみます。

フラクタル4

そうなんです、トレンド(波)が転換するところには、必ずチャートポイント(波止場)が存在するんですね。

もちろん、上の画像には描いていませんが、上抜けたり、下抜けたりしているチャートポイントもありますが、トレンドが転換するところには、必ずチャートポイントが存在します。

これは、自分の分析の中ではチャートポイントが無いところでも、トレンドが転換したのであれば、自分の分析では見えないチャートポイントが存在したということです。

先程の話に戻すと、含み益を抱えた状態でチャートポイントに価格が到達すると、そのチャートポイントで利確を一旦しようというトレーダーが発生します。

その利確の注文の力に乗っかる形を狙った新規の注文も発生します。

すると、チャートポイントが十分に注目度が高い場合には、価格の流れが「反転」する作用になるわけです。

「反転」する可能性があるのであれば、せっかくの含み益が減るのが嫌だなということで、やはり含み益を抱えているトレーダーは利確したくなりますよね。

「鶏が先か、卵が先か」のような話ですが、上記のような仕組みで「注目度の高いチャートポイントではトレンドは反転する可能性がある」ということです。

そして、これが上で出ていた「タイミング」の話です。

「反転」する可能性があるチャートポイントに価格が到達した時、陽線(上位)の中では割合が少ないし小さいかもしれないけど、陰線(下位)を狙ったトレードをする「タイミング」になっているわけです。

さて、「陽線(上位)」つまり「上昇トレンド」の中で無作為にトレードをするなら「買い」の方が「売り」よりも「期待値が高い」という話でした。

ここで、さらに「タイミング」を自由に選んでトレード出来るなら、より「期待値の高い」トレードが出来そうですよね。

上昇トレンドの中であれば、ただ単純に「買う」というトレード自体が効率が良いのですが、「陽線が発生しやすいタイミング」を選んで「買う」というトレードをすれば、より期待値が高まりますよね。

この「陽線が発生しやすいタイミング」の計り方はトレーダーごとで違いますが、共通しているのは「トレンド」と「チャートポイント」を分析することで、見出しているということです。

実際はもっと複雑

「上昇トレンド」の中で、下位足の「トレンド」と「チャートポイント」を把握して分析することで、期待値の高い「買う」というトレードが出来そうな気がしてきたと思います。

ですが、概略化したモデルプランでは理解出来て、そのようなトレードが出来そうだなって思っても、実際には難しかったりしますよね。

それには、いくつもの理由がありますが、大きな理由の1つが、これも「フラクタル構造」なんです。

上記の話は「上昇トレンドの中」という前提条件でした。

そうなんです、本当に上位が「上昇トレンド」であれば、上記の話でほぼほぼ「期待値の高い」トレードが見えてくるんです。

ですが、実際には「本当に上昇トレンドなのか?」という判断もしなくてはいけないんですよね。

上記の話の場合だと、陽線(上位)が本当に陽線になるのか?ということです。

実際に、陽線(上位)になれば、上昇トレンドだったということなので、下位レベルにおいては「陽線(下位)の割合が多く、大きい」という特徴が出ているはずですね。

フラクタル5

ですが、結果として陰線(上位)になってしまった場合、下位レベルにおいて上昇トレンドの特徴は現れずらくなってしまいます。

前出の話は、「陽線(上位)」になる、つまり上昇トレンドである、というのが前提でした。

なので、上昇トレンドの特徴を意識することで、期待値の高いトレードプランを立てられるという話でしたが、そもそも陽線(上位)にならなければ、根底が崩れてしまいますね。

つまり、実際には上位のローソク足(上位のトレンド)が「陽線になるかどうか」という判断も重要なポイントだということが分かると思います。

そして、この判断においても絡んでくる要素が「フラクタル構造」なんです。

実は、「陽線になるかどうか」っていう話、今まで話していた話そのまんま同じなんですよね。

つまり、さっきまで話していた「トレード」の話の考え方を、そのまま上位にも当てはめて考えるということ。

フラクタル6

先程のまでの話を、すべて1つ時間軸レベルをあげて考えることで、先程までの「トレードプラン」の位置に上位足が来るイメージですね。

これも、チャートがフラクタル構造で出来ている為です。

なので、さらに上位レベルにおいての「トレンド」と「チャートポイント」を分析することで、上位足が「陽線」になるのか「陰線」になるのかを、予測する必要があるということ。

これが、「マルチタイムフレーム分析」の必要性の部分ですね。

FX用語解説「マルチタイムフレーム分析」
ラプラスFXの用語解説。「マルチタイムフレーム分析」について説明。環境認識をして、トレードプランを立てて、精細なトレードをする為に、マルチタイムフレーム分析は重要なポイントなんです。

ちなみに、当たり前ですが、さらに上位レベルを見た時に、上上位が「上昇トレンド」とは限りません。

上上位が「陰線(下降トレンド)」の中の陽線(上位)かもしれないですよね。

フラクタル7

これらを複合的に考えていく必要があるので、期待値の高いトレードプランを立てるというのは、難しいんですね。

これらの話が理解出来れば、どのくらい複雑であるかが分かるかと思いますが、これが「知識」を「技術」に昇華させる必要があると、度々書かせていただいている理由にもなります。

「知った」だけでは、なかなか「出来る」ようにはなりません。

チャートのフラクタル構造を意識しつつ、統合的に判断するというのは「知識」というより「技術」という認識であり、習得する為に「努力」が必要になると考えるべきです。

もちろん、「正しい知識」が基にあっての「技術」であるのは言わずもがなです。

まとめ

ローソク足1本、それ自体が「トレンド」であると考えた時、大きなローソク足の中に小さなローソク足が複数含まれている。

つまり、「大きなトレンド」の中に「小さなトレンド」がいくつも含まれているという「フラクタル構造」で、FXのチャートは出来上がっている。

「トレンド」と「チャートポイント」を把握することで、期待値の高いトレードプランを立てることが出来るが、それは上位の「トレンド」を予測出来ていることが前提である。

つまり、同じこと(「トレンド」と「チャートポイント」の把握と分析)をさらに上位レベルでもすることによって、上位のトレンドを予測する必要がある。

ちなみに、これを「環境認識」と呼びます。

FX用語解説「環境認識」
ラプラスFXの用語解説。「環境認識」について説明。質の高いトレードをする為に、上位の時間軸を分析して、どのような状況でトレードをしようとしているのかを認識する必要があります。

「環境認識」「フラクタル構造」「マルチタイムフレーム分析」という言葉は、FXのチャート分析において、「親戚」のような関係性ですね。

FXが難しい理由の1つでもあるのが、今回の「フラクタル構造」の話です。

「知っている」と「出来る」には、雲泥の差があります。

「知っている」を「出来る」に昇華させる為の「努力」を出来るかどうかが勝てるトレーダーになれるかどうかの分水嶺だったりします

それは地味で、必要な努力の量には個人差があります。

「努力をしないといけないのか、、、」と思うか、「努力をすればいいだけか」と思うのかは、その人次第です。

前者の人は、「もっと楽に勝てる必勝やトレード手法があるのでは?」と商材を探し求めるFX迷子になってしまいがちな思考ですので、要注意です。

商材を探し求めることを、すべて否定はしませんが、「努力をしないで、FXで本当に勝てるようになるのか?」と一度冷静になってみることをおすすめします。

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