2020/04/20-24『EURUSD』チャート解説
2020年04/20-24の週の『EURUSD』のFXチャート解説です。
まずは、04/20-24の週のEURUSDの「H4」と「H1」のFXチャートから見てみましょう。
この週の「EURUSD」は、H4レベル以上の波の戻り売りが先週入って来て、下降推進波が発生し始めたけど、上昇調整波の急所のゾーンに当たり、さすがに一度「調整」に入ったところでした。
この週のポイントは、この「調整」がどこまで調整に戻るのか?
そして、どのタイミングで下降推進波の再開があるのか?ですね。
まずは、上昇調整波の急所のゾーンに当たった後の展開を見てみましょう。
H4レベルの上昇調整波の急所のゾーンに到達して反発上昇した後は、下降推進波をもう1つ下位レベルで見た時の急所のゾーンと、H1レベルのネックラインが重なったところで、早くも抑えられる展開に。
この重なったレジスタンスゾーンとH4レベルの上昇調整波の急所のサポートゾーンの間で挟まれて「横の調整」が進み、結果として「横の調整」が済んだ後に本来の下降推進波の方向である、下に抜けていきました。
この「横の調整」の展開の中身も、少し詳細に見てみましょう。
H4レベルの上昇調整波の急所のゾーンに反発した波が、ダブルボトムのネックラインを抜けたことで、H1レベルの下降推進波は一旦停止。
レジスタンスゾーンに頭を抑えられて、押しが入るが、もう少し調整に上昇するだろうと考える人達がある程度いる為、押し目買いが入り、再度上昇。
再度レジスタンスゾーンで抑えられてしまうが、下位レベルの急所のサポートゾーンでサポートされて、再度押し目買いが入ります。
しかし、この上昇波が高値を更新出来ずに、急所のサポートゾーンを下に割れてしまった時点で、「FIBO50%近くまでは上昇調整したし、ネックラインで頭を抑えられる強い展開」の可能性が強くなります。
つまり、上昇への「調整」は完了していて、ここから下降推進波が再開していくという見立てですね。
ですが、これは「下降推進波の再開が始まったという見立てが強まった」という段階であり、まだ「再調整」の展開の可能性は十分残っています。
その証拠に、H1レベルの上昇調整波の急所のゾーンで反発があり、再度強い上昇が発生します。
これは、「まだ縦の調整が終わってないぞ、まだまだ調整に上昇する再調整の展開だ」と考える人がそれなりに多かったことの証ですね。
ダウ理論的には、ネックラインを下抜けた時点で、この波レベルでは上昇トレンドではありませんが、これも「押し目買い」の一種です。
「再調整」の展開でレジスタンスゾーンを抜けていくという期待や、少なくともレジスタンスゾーンまでは再度上昇するのではという期待などが集まった買い注文の力。
実際、このサポートに何度も下降波が突入していますが、最後は大きな上ヒゲを上抜けてしまいます。
ここで、さらに下位レベルでは目線が変わっています。
なので、下位レベルでは「再調整」の展開を予測する見立てが強まっています。
ですが、H1レベルでは下降波の急所を抜けてはいないので、「調整完了しており、下降推進波が再開する」と見立てている人達にとっては、この上昇も「さすがにこの安値は一度では抜けなかったので、一度下位レベルで調整の展開かな」という波に過ぎないんですよね。
H1の下位レベルでは買い目線に切り替わっているので、再度押し目買いが入り高値更新を目指す雰囲気が発生します。
ですが、レジスタンスゾーンを上抜けることが出来ずに、逆に押し目買いのサポートゾーンを下抜けてしまう展開に。
これで、「再調整」派のシナリオのほとんどが崩れてしまったので、一連の攻防は決着という感じになりましたね。
ここから、下降推進波が本格化していきました。
今回のこの「横の調整」の中身は、やはり「横の展開」らしく、お互いの目線が互いに主張しあっています。
どちらの目線の勢力も、攻防の決着が着くまでは、ある程度存在したので、どちらの目線で見てもある程度、シナリオが成立するような形なんですよね。
なので、ある程度しかるべきゾーンに引きつけてトレードをして、手堅く利確するということを意識していれば、どちらの目線でもトレードプランが成り立つ所は多かったかなという印象です。
この横の展開を下抜けた後は、H4レベルの上昇調整波の急所のゾーンの下限を抜ける際に、一旦強く反発上昇してきます。
緑色レベルではダウ理論上、上昇トレンドが転換と判断される状況ですが、1つ上位の青色レベルで見ると、急所のゾーンにすぐに到達して、戻り売り勢力が多く入ってくる展開です。
これは、波レベルを柔軟に見ることが出来ないと、よくハマッてしまうパターンですね。
横の展開を抜けて本格した下降推進波として、青色レベルにとっては最初の急所のゾーンへの戻りなので強く戻り売りが入ることが多いところです。
ですが、緑色レベルの波認識しかしていないと、この戻り売りポイントが上手く見えずに、この展開が予測出来なくなってしまうので、要注意ですね。
結局、この戻り売りで再度安値を抜けていき、下位レベルの上昇調整波が入ったところで、この週は終了です。
実戦紹介
では、この週の中から実戦の場面を1つ紹介します。
まずは、下の画像を見てください。
この週の頭、H4レベルの上昇調整波の急所のサポートに当たり、ダブルボトムのネックラインを上抜けたことによって発生した上昇波を上昇推進波(1波)と見立てた予測。
上で解説したように、ネックラインとレジスタンスゾーンが重なった所で早くも頭を抑えられて下降してきますが、まだ調整が不十分であり、「再調整」の展開で再度上昇していくという見立ての元で「買う」トレードプランを立てます。
上の画像の「トレード場面」の枠の中を詳細に見てみましょう。
「再調整」でH1レベルの上昇波が再度上昇して、上に抜けていく展開を予測しているので、上昇波の急所のゾーンまで引き付けて、「押し目買い」を狙っていく。
さらに、下位レベルでトレードプランを見てみます。
M5レベルでダブルボトムのネックラインを抜けたタイミングで買いエントリーする案。
または、さらに下位に落として、M1レベルで下位上昇波の急所のゾーンに再度引き付けて、反発を確認して買いエントリーする案。
損確に関しては、ダブルボトムの安値の少し下に入れる案と、ゾーンの少し外に入れる案がありますね。
さて、ベースとしては「再調整」で上抜けていく展開を予測しているので、基本的にはレジスタンスゾーンに到達しても、ホールドしていると思われます。
ですが、慎重な人は「再調整」を優勢側と見てはいても、「調整完了」の可能性も十分にあり得ますので、手堅くレジスタンスゾーンで積極決済をするという判断もあると思いますし、今回に関してはその慎重さが吉と出ましたね。
また、ホールドしていたとしても、ダブルトップのネックライン割れでは「微益」で決済しておきたい場面ではあります。
なぜなら、「再調整」の予測を元にしていますが、乗っている波はあくまで調整波であり、やはりネックラインまで到達して、FIBOも50%近くまでは調整しているので、「調整完了」しているという可能性が十分にあるからですね。
M1レベルにまで落とし込んでエントリーしていれば、利益も十分乗っていますし、M5レベルのダブルボトムのネックライン上抜けでエントリーしていても、微益ではありますが、損失を出さずにクローズ出来ているのがポイントです。
今回のトレードプランは、結果から言うと、大元の「再調整」で上抜けていくという予測が間違っていたことにはなります。
ですが、しっかり環境認識が出来ており、自分が今「調整波」に乗っているというリスクを把握していれば、悪くても「微益」で決済出来ているんですね。
それは、トレードプランにしっかり「順張り」の要素を持たせて、しかるべきポイントまでエントリーを引き付けているから、というのがポイントです。
今回の横の展開の中で、同じように「買いエントリー」をしてしまっても、なんとんか利益を出しているトレードプランがすぐ後にもありますが、やはりしっかり引き付けることや、手堅い利確をすることなどが、このような調整波に乗る場面ではポイントになったりします。
まとめ
この週の「EURUSD」は、H4レベルの上昇調整波の急所のゾーンに到達して、どのくらい調整が入るのか?が一番のポイントでした。
結果としては、一番最初に抑えたネックラインと下位のレジスタンスゾーンが重なったところを抜けることが出来ず、「横の調整」をする展開にはなりましたが、上位の推進波の方向感通りに下に抜けていきました。
今回、実戦の紹介ではあえて「上位レベルの波の方向感が外れていた」場合のトレードプランを選んでみました。
環境認識がしっかり出来ていれば、「調整波」に乗ろうとしていることが分かるはず。
「調整波」に乗る時は、いつもよりも慎重になることが結果として「吉」になることが多いです。
エントリーする場面やタイミングであったり、利確の判断などで、上に紹介したように、読み間違えていても、利益を出して終わらせることが出来たりします。
ポイントは、自分の立てた予測とは逆側の目線も常に意識しておくことです。
自分が乗る波が調整波なら、なおさらです。
推進波も、「調整」が十分に完了したという同意が得られなければ、再開が本格化しません。
ですが、やはり推進波なので、「調整」が浅い所から、予測よりも早く調整が完了したと他の相場参加者の多くが判断して再開することがあります。
そういったリスクを相手に回しているという意識が調整波に乗る時は必要ですね。
ですが、「調整波」もれっきとした「波」、つまり「トレンド」なので、「調整がまだ進む」という予測があれば、トレードすることも可能な場面は結構あります。
今回の実戦紹介は環境認識の「再調整」の予測が外れてしまっている場面ですが、調整が十分でなければ「再調整」の展開になることは多々あります。
ですが、やはり「調整波」なので、「慎重さ」とセットでトレードをしたいということです。
今回も、また微妙な場面を紹介してしまいました。
トレード成績が安定していない人にとては複雑な場面だし、いきなり真似しようとすると、難しいトレードであることは間違いないです。
取引時間軸の上位レベルでも推進波であり、取引時間軸も推進波であるような場面を厳選して素直にトレードした方が、慣れない内はトレード成績が安定すると思います。
トレードの考え方のヒントになるようなものは、いくつもあったと思いますので、そういった要素を参考にしてもらえればと思います。