2020/04/27-5/1『EURUSD』チャート解説
2020年04/27-5/1の週の『EURUSD』のFXチャート解説です。
まずは、04/27-5/1の週のEURUSDの「H4」と「H1」のFXチャートから見てみましょう。
「EURUSD」は前の週の最後、H1レベルで大きく反発してきて、波の転換が起きるかどうかという展開でした。
この波がどいういった要因で発生している波なのか?
もう1度「H4」のチャートを見てみます。
「H4」のチャートを見ると、一度左の方で反発した後に、下降推進波の戻り売り勢力に抑え込まれて、再突入しているサポートゾーンであることがわかる。
4時間足では下ヒゲになっているので、一応ギリギリこのサポートゾーンでサポートされて上昇してきている勢力だということですね。
推進波の方向からも、ここでダブルボトムを形成して、上昇していくという予測は不自然なので、H1ないしH4レベルの戻り売りポイントにて戻り売り勢力が入ってきて、下に抜けていくという見立てが自然。
「H4」チャートの手前の波に関しては、途中で横の展開が長く入ったので、2波と見ていますが、もちろん1波で下げたと見る人もいますよね。
フラクタル構造的には上位と下位の関係性になりますが、どちらにしろ、上の画像の青色のレジスタンスゾーンが戻り売り勢力が入ってくるゾーンと見るのが自然です。
その視点から、レジスタンスゾーンに到達した後の展開を「M15」のチャートで見てみます。
レジスタンスゾーンに到達したので、H1ないしH4レベルの戻り売り勢力が入ってくる予測です。
実際に、上の画像の緑色レベルの上昇波は抑えられて、持ち合いの形になり、青色レベルにおいて、ネックラインを抜けて反転していきます。
H1ないし、H4レベルの戻り売り勢力を本命として見ていますので、この青色レベルの波が本格化していくという見立てですね。
緑色レベルでは上昇トレンドなので、やはりサポートゾーンで押し目買い勢力が入ってきて、青色レベルの下降波が一旦止まります。
青色レベルの戻り売り勢力と少し持ち合うような絵になりますが、その後再度サポートゾーンに突入して、下に抜けていく展開かなと思いきや、サポートゾーンの下限でギリギリ持ちこたえるようにサポートされます。
しかし、このサポートされた勢力が予測に反して強かったんですね。
青色レベルでの急所のレジスタンスゾーンで抑え込んで下に抜けていく展開もあるかなと思いきや、下位レベルでの抑え込みはあったものの、上抜けていき、予想以上の強さで緑色レベルの高値も一気に上抜けていきました。
この時点で、ベースにあった「H1ないしH4レベルのレジスタンスゾーンでの戻り売りからの下落」という予測がだいぶ崩れた形になります。
もちろん、レジスタンスゾーンの上限でギリギリ抑え込んで、再度の下落から下抜けていくという展開も残っていますが、それにしても上昇が強く一気の展開なので、少なくとも「逆目線」の勢力がかなりいる、もしくは「逆目線」の勢力の方が多数派であることを、頭に入れる必要があります。
テクニカル分析は「常に絶対」ではありません。
なので、上記のような展開になった時に、自分の予測とは反対側の「逆目線」の勢力の方が予想以上に強いとか、また「逆目線」の勢力の方が多数派であるかもしれないという考えを持てるようにしておきましょう。
予想外の強い上昇に、「H1・H4のレジスタンスゾーンからの戻り売り」というシナリオを撤回した後ですが、かといってすぐに上昇していくというわけではありません。
やはり、「H1・H4のレジスタンスゾーンからの戻り売り」というシナリオが崩れると確定するのはレジスタンスゾーンが上抜かれた時なので、上限ギリギリで抑えこまれた形になれば、まだ期待する勢力がいるわけです。
なので、今回もしばらく横に持ち合う展開になりました。
ですが、この持ち合いの中も、サポートゾーンはどんどん機能してサポートされ、レジスタンスゾーンは少し抑え込んだりするものの、相対するサポートゾーンを抜くことは出来ずに、上抜かれるという展開が下位レベルで続きます。
こういった情報は、この持ち合いはレジスタンスゾーンを上抜いていくのではという予測を強める「材料」になっていますね。
持ち合いの最後の最後に、「H1・H4のレジスタンスゾーンからの戻り売り」を成功させようという少し大きな勢力が現れて、下位レベルではサポートを下抜けるような形になりましたが、この持ち合いの上昇勢力側の急所であるサポートまでは抜けずに、途中のサポートで押し目買い勢力が入ってきて、結果的に持ち合いを上抜いていきました。
この大きな戦いを制した「買い」側の勢力は一気に次のチャートポイントまで上昇していき、この週は終わりました。
このレジスタンスゾーンまで一気に上昇して到達しましたが、一応上ヒゲで止まりました。
このレジスタンスゾーンを抜けるまでは、H4レベルではやはり「下目線」なので、次はこのゾーンからの反発を確認していくことになりそうですね。
実戦紹介
では、この週の中から実戦の場面を1つ紹介します。
まずは、下の画像を見てください。
直前の展開から、レジスタンスゾーンを上抜けていく可能性も多分に上がっている状況。
もちろん、まだレジスタンスゾーンの上限で抑えられて、下落していく可能性も残っている。
緑色レベルの波のサポートでしっかり押し目買い勢力が入ってきて、下降波の急所まで伸びることを確認。
ここから、下位レベルでサポートに引き付けて押し目買いをしていく狙いでトレードプランを立てます。
ですが、上記のような理由から、利確は手堅くした方が今回のような状況は吉かなと。
さて、下位レベルを見てみます。
サポートから下降波の急所のゾーンまで到達した上昇波に対して、押し目買いを考えます。
調整がFIBO61.8%まで戻ってきた所に、ネックラインのレジサポ転換が重なり、また下位レベルの上昇波の急所のゾーンが重なっています。
条件が複数重なってもいますので、ここから上昇していくイメージで押し目買いをしていくトレードプランですが、エントリーのタイミング案は色々ありますが、下位レベルで反発を捉えていく案もありますし、下位レベルの波の反転を確認してから買いエントリーする案もありますね。
利確に関しては、上位の環境がレジスタンスゾーンを上抜けていく予測が強まっている中ではありますが、まだ上位の戻り売りが入ってくる可能性もありますので、手堅い利確がおすすめです。
上の画像の通り、この場面ではいくつもエントリータイミング案はあると思います。
ちなみに、上のエントリー案の中だと、左側のタイミングだとすぐに下位レベルで安値割れがあるので、もしかしたらここで決済しているかもしれませんが、それも悪い判断ではありません。
右側のエントリータイミングでは、先の戻り売り勢力を確認した上での再上昇を捉えに行っているので、より高値抜けが期待出来ます。
ですが、今回は環境的に上位レベルでの波及を期待してのホールドは微妙かなと。
下降波の急所のゾーンの中で積極決済をしてもよいですし、少なくとも下位レベルでの安値抜けでの反転時には一旦利確をする方がよい環境かなと。
結果的に、上位としてはレジスタンスゾーンを上抜けて伸びていくのですが、その直前に大きな売り勢力が発生しています。
ホールドをしていた場合、損確の位置にもよりますが、これに狩られていた可能性が大ですね。
上位の環境で、伸びていく自信がはっきり無い時には、手堅い利確も悪い選択肢ではありません。
まとめ
今週のEURUSDは、H4レベルでサポートの反発勢力を確認した上で、戻り売り勢力が入ってきて、再度サポートゾーンに突入して下抜けていく展開かな、というのが当初の予測ではありました。
そのサポートゾーンの下限でギリギリサポートされた勢力が発生するまでは、想定の範囲内ではありますが、その勢力が予想よりも勢いがあることから、途中で環境認識を修正しています。
このように、テクニカル分析に基づく予測はあくまで「予測」なので絶対ではありません。
当たり前ですが、自分の予測を修正していく能力も、FXチャートの分析においては重要な技術です。
ちなみに、予想に反して強い上昇勢力が発生しましたが、H4レベルのレジスタンスゾーンの上限ではギリギリで上ヒゲで止まった状態です。
このゾーンを上抜けるまではまだH4レベルでは下目線なので、このレジスタンスゾーンからの反発からの展開をしっかり確認していく必要があります。
また、今回の実戦例のように、上位の環境に明確な自信が無い時は、手堅く利確していく方が結果として期待値が高いトレードが出来ることが多いです。
上位の環境に明確な自信が無いという時は、そもそもトレードをしないというのも選択肢の一つですが、取引時間軸次第では「順張り」の要素を持たせて、またしっかりとしたチャートポイントまで引き付けることで、十分期待値の高いトレードプランを立てることも出来ます。
ですが、さらに上位の波及まで期待して伸びる場面なのかどうか、しっかり判断する必要がありますね。
トレード成績が安定していない人は、まずは手堅く利確するトレードから覚えるのがおすすめです。