「高値」「安値」とは
「FX初心者向け」コンテンツの記事でも、度々「高値」「安値」がしれっと登場していて簡単な説明はありましたが、今さらですが「高値」「安値」とは?と深堀りです。
わざわざ、深堀りする理由があるんです。
まず、定義としては「高値」とは、ある期間で最も高い価格のことであり、「安値」とは、ある期間で最も安い価格のことでしたね。
ローソク足で見るとこんな感じ。
また、チャート概略図で見るとこんな感じ。
また、実際のチャートで見るとこんな感じ。
どれも、「高値」「安値」ですね。
すると、こんな疑問が湧きますよね。
下の画像を見てください。
上の画像の緑丸の部分も、小さいけれど「高値」「安値」に見えますよね?
これらは高値・安値ではないのか?
・・・
そうなんです、結論から言うと、緑丸の部分も「高値」「安値」と呼ぶことが出来ます。
「呼ぶことが出来る」というのがポイントです。
高値の定義は「ある期間」の中の最も高い価格、安値の定義は「ある期間」の中の最も安い価格、でしたよね。
つまり、「ある期間」が変われば、高値安値の位置や認識が変わるということなんですね。
チャートを「短い期間」つまり細かく見れば、高値・安値は細かく出現して認識されます。
またチャートを「長い期間」つまり大雑把に見れば、高値・安値は大雑把に出現して、認識されます。
つまり、「期間」レベルごとに高値・安値は存在するということなんです。
実は、トレンドをダウ理論をベースに判断する時に、「時間軸ごとにトレンドが存在する」のも、この「期間」レベルごとに高値・安値が存在することが根本的な理由なんですね。
高値・安値の切りあがり・切り下がりの状況でトレンドを判断しているので、高値・安値の位置や認識が変われば、トレンド判断が変わるのは当然ですね。
さて、「呼ぶことが出来る」の話に戻りますが、これはチャートを見て、どのレベル感で高値・安値を認識するかはトレーダーの自由という意味なんですね。
大雑把に認識してもよいし、細かく認識してもいいんです。
その高値・安値をどの時間軸のチャートで認識・分析するかという違いだけなので、トレーダーの認識・分析しやすいように自由にすればいいんですね。
前出の画像のように認識してもよいし、下の画像のように大雑把に認識してもいいんです。
こんな感じに、大雑把に高値・安値を捉えてもよいですし、また下の画像のように、細かく捉えてもよいです。
ただし、重要なのが、チャートの中や、時間軸を変えた時などに、その高値・安値の認識基準が変わってはいけないということです。
チャートの左側では細かく認識していたけど、右側では大雑把に認識するとか、4時間足のチャートでは細かく認識していたけど、30分足のチャートでは大雑把に認識するなどはいけません。
これをやってしまうと、分析の精度が落ちてしまいます。
高値・安値の認識基準を変えずにチャートを見ることが出来れば、その時間軸のチャートで捉えきれない高値・安値も他の時間軸のチャートで認識出来るはずなんです。
つまり、そのレベルの高値・安値をどの時間軸のチャートで見るかという、トレーダーのスタイルの違いに過ぎないんですね。
なので、認識基準が統一されてさえいれば、トレーダーの好きなレベル感で高値・安値は認識すればいいんです。
ちなみに、この高値・安値の認識基準が変わらないという前提があれば、「トレンド」と同じように、「時間軸ごとに違う高値・安値が存在する」と言えるんです。
もちろん、チャートを見るのに慣れてくれば、1つの時間軸のチャートを見ながら、複数の時間軸の高値・安値とトレンドを把握することも出来るようになりますが、そんな能力は複数のチャートを見ればよいだけなので、必要ないとも言えますね。
さて、次は「高値・安値とは?」という問いに対して「定義」の部分ではなくて、「本質」の部分を見て見ましょう。
高値・安値と「チャートポイント」
高値を例にして考えてみます。
まず、高値はある期間の中の最も高い価格ですね。
これは、その期間中に高値以上に価格が上昇しなかったということです。
また言い換えると、その期間中に「その高値で価格の上昇が抑えられた・反転した」ということですね。
つまり、高値・安値は価格の波の流れが抑えられた・転換した価格であるということ。
なぜ、その価格で価格の波の流れが抑えられた・転換したのかというと、その価格が相場参加者の多くから注目されて、その価格付近に様々な思惑の注文が集まったからなんですね。
このように、相場参加者から注目される価格のことを「チャートポイント」と呼ぶんでしたね。
上の画像のように、含み益を利確する人がいたり、その利確の力に乗ろうと新規の売りをする人がいたりと、そこまで上昇してきた価格の波の流れが反転することで、「高値」が形成されます。
「安値」も逆に同様ですね。
つまり、「高値・安値」とは、そこにチャートポイント(注目された価格)が存在したという証でもあるんです。
そして、チャート上に「高値・安値」が出来上がると、今度はその「高値・安値」が相場参加者に注目される価格となります。
つまり、「高値・安値」とはチャートポイントでもあるんです。
チャートポイントについては、下の記事で詳細に解説していますので、「FX初心者向け」コンテンツを読み終えた後に、読んでみてください。
さて、チャート分析の基本は「トレンド」と「チャートポイント」を把握して分析することです。
このチャートポイントについては、様々な分析方法があるのですが、これも「トレンド判断」の時と同じように「出来る限り多くの相場参加者と同じような方法」で判断するのが理想です。
忘れてしまった人は、下の記事でおさらいを。
なので、チャートポイントの分析方法についても、世界的にメジャーである「高値・安値」いわゆる「水平線」をベースに判断することを、ラプラスFXでは推奨しています。
次回、価格の波が高値に到達すると、前回と同じような思惑が発生したり、高値がチャートポイントとして機能して、価格の波の流れが反転する可能性がありますので、見やすいように高値に「水平線」を引いておきます。
この水平線を「レジスタンス」と呼びます。
同様のことが安値にも言えますので、安値に引く水平線を「サポート」と呼びます。
移動平均線・トレンドライン・フィボナッチ・一目均衡表など、様々なテクニカルを使うことでも、チャート上にチャートポイントを見出すことが出来ますが、どれを使用しているかはトレーダーによって違います。
ですが、ほぼすべてのトレーダーが価格の動向を把握する為に、「ローソク足」などをチャート上に基本的には表示しています。
テクニカル分析は、多くの相場参加者に注目されている価格を割り出すことが目的なのであれば、なるべく多くの相場参加者が使用しているツールをベースに分析することが理に適ってますよね。
さて、水平線について1つ注意点。
価格の波の流れが「レジスタンス」や「サポート」に到達したからと言って、必ず波の流れが反転するわけではありません。
まあ、当然ですよね。もし、必ず水平線で反転するなら、チャートの形は大変なことになってますね。笑
これは、実際のチャートを見ても分かることですが、「水平線」はチャートポイントでありますが、あくまで反転する可能性がある目安ということです。
これは、結構重要なポイントです。
また、水平線で波の流れが反転する確率が高いもの程、「強い水平線」なんて表現をしますが、この水平線の強弱の話は少し複雑になるので、「トレード手法」のコンテンツに譲るとします。
まとめ
定義として「高値」とは、ある期間で最も高い価格のことであり、「安値」とは、ある期間で最も安い価格。
期間レベルごとに、高値・安値は存在する。
トレーダーの好きな基準で高値・安値を認識すればよいが、基準は常に統一されている必要がある。
基準が統一されている前提の元、ダウ理論をベースにすれば、「トレンド」「高値・安値」は時間軸ごとに存在すると言える。
また、高値・安値はチャートポイントが存在したという証であり、また高値・安値自体がチャートポイントである。
世界中のトレーダーが、価格の動向を把握する為に「ローソク足」などをチャートに表示させている為、チャートポイントの把握には高値・安値に引いた「水平線」をベースにすることを推奨している。
つまり、チャート分析の基本である「トレンド(波の流れ)」と「チャートポイント(波止場)」の把握には「ローソク足」をベースにすることを推奨しているということです。
ラプラスFXにおいても、他のテクニカル分析を用いたりします。
ですが、それはあくまで「補助」であって、チャート分析の主役になることはありません。
ほぼすべてのトレーダーが使用している「ローソク足」のような価格情報を、加工することなく、ダイレクトに分析することが、一番信頼度の高い分析方法だと思っています。
さて、ここまでで「ローソク足」が表示されているチャートを見ることで、「トレンド(波の流れ)」と「チャートポイント(波止場)」をなんとなく把握出来るようになっていると思います。
「FX初心者向け」コンテンツの仕上げとして、次の記事では「基本的なトレード方法」について説明したいと思います。