FX基本の注文方法について【#3】

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「注文方法」について

FXの基本の注文方法について解説します。

さて、FX口座開設まで終わって、FX業者の取引ツールの準備が出来ているものとします。

取引ツールのインストール方法などは、各FX業者のHPの情報を参考にしてみてください。

また、各FX業者によってFX取引や注文方法の仕様などは、微妙に違うところもあるかと思いますので、あくまで基本的な内容ということで参考にしてください。

FXで取引する為に「注文」を出す必要がありますが、この注文を出す為に「通貨ペア」「注文方法」「ロット数」「買いor売り」など、いくつかの事項を決定しないといけません。

 

「通貨ペア」

FXでは「通貨ペア」を取引します。株式取引でいうところの「銘柄」ですね。

「米ドル・日本円(USD/JPY)」「ユーロ・米ドル(EUR/USD)」など、取引する通貨ペアを選択します。

 

「注文方法」

「注文方法」については、詳しく後述しますが、「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」など、約定させる方法を選択します。

また、注文方法次第では「価格」を指定する必要もあります。

 

「ロット数」

「ロット」というのは、FXにおける取引単位です。「1ロット=1万通貨」だったり、「1ロット=1千通貨」だったり、FX業者によっても違うので、注意が必要です。

「1ロット=1万通貨」のFX業者であれば、「10ロット」取引するということは、選択した通貨ペアを「10万通貨」分の取引をするということです。

 

「買い or 売り」

当たり前ですが、その通貨ペアを「買う」為の注文なのか、「売る」為の注文なのかを選択しないといけません。

 

また、FXは将来必ず反対取引することを前提とした差金決済システムになっています。

なので、「新規注文」「決済注文」の2種類の注文が必ずセットになっています。

FXは新規注文で建てたポジションは、将来必ず決済注文で閉じないといけません。(※分割で決済することは出来ますが、最終的にはすべてのポジションの反対取引をして決済するという約束です)

注文方法1

ちなみに「新規注文」を約定することを「買う・売る」以外に「ポジションを建てる・持つ」「エントリー」なんて呼びます。

また「決済注文」を約定することを、「ポジションを閉じる」「手仕舞い」「イグジット」なんて呼びます。

新規注文の成行注文があれば、決済注文の成行注文も存在しますが、注文方法によっては決済専用の注文方法があったりもします。

さて、次は「注文方法」について詳しくみてみましょう。

色々な注文方法

① 成行注文

「成行注文」は、リアルタイムで注文を出して、現在の「価格」での約定を指示する注文方法です。

FX業者ごとで呼び方は色々と違っていますが、すぐに約定を指示できるスピーディーな注文方法です。

ただし、値動きが激しかったり、通信のタイムラグなどの影響により、クリックをした時の価格と約定された価格にズレが生じる「スリッページ」という現象が発生することがあります。

どの程度のスリッページまで許容するかを設定出来るFX業者がほとんどですので、自分で許容範囲を設定しておきましょう。

 

② 指値注文

「指値注文」は、リアルタイムで約定指示を出す成行注文とは違い、指定した価格に到達したら約定するように事前にセットしておく注文方法。

「指値注文」は「売り」であれば、現在の価格よりも高くなってから売りたい時に使います。

「107円の売りの指値注文」とは、現在より価格が上昇して107円に到達したら売ることを事前に指示しておくという注文方法です。

取引方法2

なので、売りの指値注文は現在の価格よりも安い価格は指定できません。

また、「買い」の場合は逆に考えればいいだけです。

指値注文は、新規注文でも決済注文でもよく使われますね。

現在の価格ではまだ買いたくないけど、この価格まで安くなったら新規で買いポジションを持ちたいという時や、この価格まで下がって利益が膨らんだら、売りポジションを決済をしたいなという時などですね。

指値注文が決済注文で使われる時は「利確」になります。

 

③ 逆指値注文

「逆指値注文」は指値注文と似ていますが、頭に「逆」と付いている通り、指値注文とは逆の注文方法です。

何が逆かというと、「逆指値注文」は「売り」であれば、現在の価格よりも安くなってから売りたい時に使います。

「105円の売りの逆指値注文」とは、現在より価格が下降して105円に到達したら売ることを事前に指示しておくという注文方法です。

注文方法3

なので、売りの逆指値注文は現在の価格より高い価格は指定出来ません。

逆指値注文も、新規注文でも決済注文でもよく使われます。

この価格を突破したら下降が加速しそうだから新規で売りポジションを持ちたいという時や、この価格を抜けてしまったら、上昇は期待出来ないから、買いポジションを決済したいなという時など。

逆指値注文を決済注文で使う時は「損確」になります。

FX用語解説「損確」
ラプラスFXの用語解説。「損確」について説明。「損切り」に無駄に悪いイメージを持たせる必要なんてないんです。自分が取るべき行動なのに、悪いイメージを持たせる「名前」をつけること自体が論理的じゃないなって思います。

 

④ OCO注文

「OCO注文」の「OCO」とは「One Cancel Other」の略です。

意味としては、「1つの注文が約定したら、もう1つの注文はキャンセル」という感じです。

OCO注文は、指値注文と逆指値注文の2つの注文を同時に事前に指示しておくという注文方法です。

なので、値動きがあって指値注文が先に約定すれば逆指値注文はキャンセルされますし、逆指値注文が先に約定すれば指値注文がキャンセルされます。

一般的には、決済注文で「利確」と「損確」を同時に設定しておきたい時に使われる注文方法です。(※新規注文でも使えます)

注文方法4

OCO注文は新規注文でも使えますが、あまり新規注文で使うことはないと思います。

その理由は、テクニカル分析(用語解説)マルチタイムフレーム分析(用語解説)といった内容を勉強していけば、分かるかと思います。

なので、基本的にはOCO注文は決済注文で「利確」と「損確」を同時に設定しておきたい時に使われます。

 

⑤ IFD注文

「IFD注文」も、FX業者によって呼び方は違うかと思いますが、いわゆる「イフダン注文」です。

「イフダン」とは、「IF(もし)-DONE(実行されたら)」の意味です。

「IFD注文」は、もし新規注文が約定されたら発注される決済注文を新規注文と同時に設定しておく注文方法です。

注文方法5

IFD注文では「逆指値注文」も設定出来ます。

なので、個人的にはIFD注文を使うのであれば、決済注文は逆指値注文にすることで、新規でポジションを持つと同時に「損確」を設定するという使い方がお勧めです。

予期せぬ価格の急変動などで、予想外の損失を出さないように、持っているポジションに対してはすべて「損確」を設定しておくことが必要ですが、IFD注文を使用すれば、ポジションを持つと同時に「損確」が設定されますので、安心ですね。

 

⑥ IFO注文

「IFO注文」もFX業者によって呼び方は違うと思いますが、「IFD注文 + OCO注文」という2つの注文方法を組み合わせた注文方法です。

IFD注文では、新規注文が約定された後に、指値注文か逆指値注文のどちらか1つの注文しか発注されませんでしたが、IFO注文では2つの注文を両方ともセットしておけます

注文方法6

新規注文が約定されると、設定しておいた「指値注文」と「逆指値注文」が発注されますが、この2つの注文はOCO注文なので、どちらか先に約定されれば、もう片方の注文はやはり自動でキャンセルされます。

「新規注文」「利確の決済注文」「損確の決済注文」をすべて事前に設定しておくのが、IFO注文なんです。

この価格でエントリーして、この価格まで順行したら利確して、万が一この価格まで逆行したら損確しよう、という感じのトレードシナリオを初期設定しておく感じです。

まとめ

FXは「差金決済システム」なので、「新規注文」「決済注文」が必ず存在する。

発注するには、「通貨ペア」「ロット数」「買い or 売り」「注文方法」などの事項を決定する必要がある。

注文方法には「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」「OCO注文」「IFD注文」「IFO注文」などがある。

注文方法の呼び方については、FX業者ごとに違いがありますし、また上記の注文方法はあくまで基本なので、これ以外にもFX業者ごとの独自の注文方法なども存在します。

自分のトレードにおいて使い易い注文方法があるかどうかや、注文を発注する際の取引ツールの使い易さなども、FX業者を選択する際の1つのポイントですね。

ちなみに、どんな注文方法を選択したとしても、新規注文が約定された後は、必ず速やかに「損確注文」が発注されている状態にすることはリスクマネジメントにおいてとても重要です。

自分が使用しているFX業者の取引ツールの設定なども確認して、損確注文を設定し忘れることがないようなルーティンワークを確立することをおすすめします。

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