FXチャート解説 『USDJPY』2022/1/5頃
2022年1月5日頃の『USDJPY』のFXチャートについての解説です。
H1レベルの上昇トレンドに対して押しが入った場面。
上昇波に対して押しが入る展開になって、下降調整波が下落してきた後、FIBO50%程から押し目買い勢力が入ってきています。
この押し目買い勢力によって発生した上昇波によって、「押し安値候補」が出来上がっていますが、その後上手く上昇することが出来ずにこの押し安値候補を下抜けてしまう展開でした。
結果的に、この押し安値候補からの押し目買いは失敗に終わったわけですが、この押し目買いが入ってから押し目買い失敗に終わるまでの過程を少し詳細に見てみたいと思います。
まず押し目買いが入って発生した上昇波を見ると、緑色レベルで下降トレンドを形成していた下降調整波の重要なダウ高値のレジスタンスも上抜けています。
この下降調整波のダウ高値を上抜けたことで、押し目買い勢力側としては自分達のシナリオを裏付ける大きな材料を得られたわけですね。
なので、この緑色レベルのダウ高値を上抜けることが出来た上昇波はまた一つしっかりとした上昇波として見られることになりますし、その上昇波を生んだ安値は「押し安値候補」として見られることになります。
まだ「押し安値」ではなく「押し安値候補」なのは、親波としている「高値」にまだ到達していないからですね。
その後、緑色レベルでWトップを形成して、このネックラインを割ってくる展開ですが、これも押し目買い勢力からすると予定通りのシナリオですね。
下降調整波のダウ高値を上抜けた後、そのまま一気に高値を抜けていくのが一番理想的な展開ですが、やはり多くの場合高値抜け前に売り勢力の粘りによって、一度休憩(押し)を挟むことが多いわけです。
押しが再度入った後は、上の画像のように再度押し目買い勢力が入ってきて高値抜けをしていくイメージを持っています。
中段のサポートなどではあまり買い注文が集まらずに下降調整波(小)が進み、押し安値候補の安値ぎりぎりまで下落が進む展開でした。
ですが、安値ぎりぎりで買い支えられて上昇反発を開始して、その後下降調整波(小)のダウ高値を上抜けていく流れになり、この時点で上の画像の水色点線のように上昇推進波が再開して高値抜けしていくイメージは描けます。
ここまでは、押し安値候補ぎりぎりまで押し込まれることはあっても、まだ押し安値候補からの上昇推進波再開のシナリオは十分に描ける状況ではあると思います。
問題はこの後の展開ですね。
下降調整波(小)のダウ高値の上抜けは、Wボトムのネックライン抜けとも捉えられるので、大きな買い材料です。
その後、下降調整波(小)を生んだWトップのネックラインがレジサポ転換してレジスタンスとして機能して緑色レベルの上昇トレンドの頭を押さえています。
下降調整波も崩したし、出来れば上昇波(小)を構成する緑色レベルの上昇トレンドンが継続したまま、上昇推進波が再開してぐいぐい伸びていくのが押し目買い勢力側としては理想の展開でしたが、、、
結果的には、大きな「H&S」を形成してネックラインを下抜けていく流れでした。
これは、直前のWボトムのネックライン上抜けの材料を上書きするような、押し目買い勢力にとっては負の材料ですね。
この「H&S」のネックライン割れで、判断の早い人だと、押し安値候補からの押し目買いの失敗を嗅ぎ取っていると思います。
その後に、再度押し目買い勢力側が粘って買い支えることで、大きな下ヒゲが出来上がっている場面があります。
ですが、この大きな下ヒゲも戻り売り勢力によって食われてしまいます。
これも押し目買い勢力にとっては負の材料であり、このエリアにおいて売り勢力が強いと感じ取れる材料なので、やはりこの押し安値候補からの押し目買い失敗を嗅ぎ取れるタイミングですね。
その後、押し安値候補まで再度押し込まれて、押し安値候補上でヒゲを作り最後の押し目買い勢力側の抵抗がありますが、しっかりと下抜けてしまいここまでですね。
押し安値候補をしっかりと下抜けた時点で、この「押し安値候補からの押し目買い」というシナリオ失敗が確定です。
まとめ
自分が思い描いていたサポートから押し目買い勢力が入ってきて、下降調整波側の重要なレジスタンスを上抜けるなどの展開は、押し目買い勢力側としてはイメージ通りの展開ですね。
その後、一気に抜けることが理想的ですけど、再度押し(小)が入ってくるのもまだ押し目買い勢力側にとっても想定内だと言えます。
ですが、その押し(小)を形成していた下降調整波(小)の重要な拠点を奪った後は、ある程度買い勢力優勢の展開で伸びて欲しいものですよね。
今回は、そこからむしろ直前の大きな買い材料(Wボトム)を上書きするような負の材料(H&S)が出来上がってしまった時点で、「あれ?」という感じになり、大きな下ヒゲが出来上がったにも関わらず食われてしまったタイミングで「やはり、、、」という感じ。
もしも自分が押し安値候補からの押し目買いのシナリオをイメージして買いポジションを持っていた時に、どのタイミングで撤退するのかはトレーダー次第だと言えます。
今回の「H&S」の負の材料が出た後からも再度、買い勢力が粘って買い支えて、結局上昇推進波が再開という展開もあり得ますし、実際大きな下ヒゲが出来上がってはいます。
厳密には、環境認識を含めて総合的に判断することになるはずですね。
今回の場面は、実はこの後は大きく下げていく展開でした。
なので、この押し安値候補からの押し目買いが失敗に終わっただけでなく、もっと大きな時間軸で下落に転じていく場面だったわけです。
もしも、上位環境的にも潜在的に買い勢力が十分に多く構えている場面であれば、押し安値候補からの押し目買いが失敗に終わっても、もう一段下の次のサポートからの押し目買いが成功して高値抜けしていく展開になることも多々ありますよね。
今回は、取引時間軸から嗅ぎ取れる材料についての話でしたが、そもそもその押し目買い・戻り売りが成功するかしないかの鍵を握っているのは、上位環境だったりします。