FXチャート解説 『EURUSD』2018/06/07頃
2018年6月7日頃の『EURUSD』のFXチャートについての解説です。
M5レベルで上昇トレンド中にレジスタンスに到達して、ダブルトップを形成した状況です。
上の画像だとラインを引いて少しわかりづらくなってしまっていますが、5分足では終値確定でダウ安値を下抜けた状態です。
ダウ理論ベースで判断するならば、上昇トレンドは終了と判断できます。
ですが、やはり「車は急に止まれない」です。
それまで上昇トレンドだったので、やはり「買い目線」の人達がそれなりに存在している為、押し目買いが入ったりするんですね。
結果的に、再度高値まで上昇します。
トレンドは「勢いのついた車」のようなものです。
「レジスタンスに到達した」「ダブルトップを形成した」「ネックラインを抜けた」という信号があって、もちろんブレーキを踏み始めた人達もいるけれど、ピタッと止まるわけではないんですね。
実際の車と同じく、ブレーキを踏み始めてから、「制動距離」があるわけです。
「制動距離」の区間は、あくまで車はまだ元の進行方向に向かって進んでいるわけです。
FXの場合では、「制動距離」の区間も元のトレンド方向に対しての注文が入ってくるわけです。
相場参加者がみな同じタイミングでトレンド転換という判断を下すわけではないからですね。
さて、チャートはその後高値には到達しましたが、やはりレジスタンスは上抜けられずに再度下落していき、今度はさっきよりもはっきりとダウ安値を下抜ける展開でした。
これで先ほどよりも、より上昇トレンド終了を示す材料が出てきました。
「トリプルトップ」「三尊」名前なんでもよいですが、上昇失敗の絵は先ほどよりも明確になり、重要な安値を下抜けたことで、上昇トレンド終了と判断する材料がより強くなりました。
ですが、それでもまだ「車は急に止まれない」です。
まだ価格が上昇していく展開を予測している相場参加者の押し目買いがサポートから入ってきて、再度上昇していく流れでした。
あれだけの上昇トレンド終了の材料が出たにも関わらず、まだ価格が上昇していく展開を期待する相場参加者がいるわけです。
さながら、勢いのついた車にかかる「慣性力」のようなものです。
これは、実際の物理法則と同じように、元の勢いが強ければ強い程「慣性力」も強くなるようなイメージですね。
ですが、ブレーキをかけ始めて制動距離もそろそろ終わり頃です。
やはり、残りの上昇力はそこまで強くはなく高値には到達できず、手前のレジスタンスゾーンで抑えられて下落していく展開でした。
この下落の後は、この波レベルにおいてはレジスタンスが強く、サポートが弱い、「下降トレンド」の展開になっていきました。
つまり、この波レベルにおけるトレンド転換の「制動距離」が終わったわけですね。
今回の場面を上位の時間軸で観測すれば、レジスタンスに到達した波がシンプルに反発していったように見えると思います。
ですが、実は下位の時間軸で見れば、トレンドの「慣性力」が働いていることが分かると思います。
まとめ
今回は、レジスタンスに到達した上昇トレンドが転換していく場面でした。
「車は急に止まれない」
勢いのついたものは急には止まらずに慣性の法則が働くということですが、これはFXの世界でも同じだということです。
相場参加者の多くがピタっと同時に同じ判断を下すわけではなく、トレンド転換の判断が早い人、遅い人が存在するわけです。
なので、トレンド転換の場面でも瞬間的にトレンド転換が起きるというよりは、一度慣性を受け止めるような形になることが多いというわけです。
ちなみに、今回は「車は急に止まれない」の車側の「慣性」がメインの視点の話でしたが、「ブレーキ」側の話もあるんですよね。
つまり、今回の場面でいえば「レジスタンス」、つまりブレーキとはトレンド転換を促す「チャートポイント」ですね。
もちろん、実際の車と同じように「ブレーキ」が強ければ強い程、制動距離は短くなるわけです。
つまり、トレンド転換が素早く起きます。
ですが、「ブレーキ」が弱いとなかなか車が止まらないのと同じように、トレンド転換が完了するまでの時間もかかります。
FXでいえば、「横の展開」だったりします。
また、「ブレーキ」が弱すぎると、減速はしたものの車が止まらずに、途中でブレーキが壊れて、再度加速していくなんてこともあるわけですね。
FXでは、チャートポイントで「押し」を作ったけれど、トレンド継続のパターンとかですね。
なので、「ブレーキ」側の評価ももちろん重要なのですが、今回はトレンドはピタっとは止まらず「慣性」の力が働く可能性があることをイメージしておくと、よりチャートの動きを予測しやすいという話でした。