FXチャート解説『AUDUSD』2020/7/1頃
2020年7月1日頃の『AUDUSD』のFXチャートについての解説です。
M15レベルで上昇トレンド中にダブルトップが形成されて、ネックラインを割った場面ですね。
「ダブルトップ」イコール「トレンド転換」と安易に考えて、「ここからは下落していくのかな?」なんて考えていると、、、
この後の場面を見てみます。
「ダマシ」の展開から、すぐに上昇していく流れでした。
ダブルトップのネックライン割れから、売りポジションを建てた人は「騙されたー」と思っているかもしれませんね。
「ダブルトップの完成は下落開始のサインじゃないの?」
たしかに、ダブルトップのネックライン割れは「売り材料」の1つです。
ですが、あくまで売り材料の1つであり、その材料を機に相場参加者のパワーバランスがその後も売り優勢になっていくかどうかは、その時の環境次第なんですね。
さて、今回の場面をもう少し色々な角度から見てみます。
まず、そもそもですが、今回のダブルトップは「調整波に転換しただけ」という見方が出来ますよね。
たしかに、青色レベルにおいては、下降トレンドに転換したと判断出来ます、1つ上位の緑色レベルにおいては、「下降調整波」つまり「押し」が入っただけと見なすことが出来ますよね。
なので、押し目買いが入ってきて、上昇推進波が再開しても不思議ではないし、むしろ素直な展開ですよね。
そして、上の画像の押し目買いが入ったところは、ちょうどFIBO50%の水準ですので、本格的に押し目買いが入ってきてもおかしくないんですね。
上位のトレンドの押し目買い「FIB50%調整完了」というのは、「買い材料」の1つと言えます。
さて、別の視点でも見てみます。
上の画像のように、少なくとも3点以上で引けるトレンドラインが存在しますね。
トレンドラインはテクニカル分析のメインでは使いませんが、上の画像のように3点以上で引ける、自然と目につくレベルのトレンドラインは無視する方が不自然なので、補助として分析に使います。
そして、注目度の高いトレンドラインを抜けた後に一度戻ってきてトレンドラインに「戻りタッチ」した後に、再度伸びていくというケースはよく見かけます。
なので、ダブルトップのネックラインを下抜けたけれど、トレンドラインに戻りタッチをして、下ヒゲを作った時点で売りポジションを建てる人は、慎重になるチャンスがあったと言えますね。
今回の場合、注目度の高いトレンドラインを上抜けて、戻りタッチで下ヒゲを作るのは「買い材料」の1つです。
さて、もう少し別の視点からも見てみます。
H4レベルで環境認識してみると、上の画像のような状況だったんですね。
H4レベルの押し目買いが入ってきた後、下降調整波のダウ高値は上抜けたけど、売り勢力の粘りがあって、横の展開になっていました。
その後、サポートゾーンで買い支えがあって、重要なレジスタンスを上抜けたタイミングが今回の場面です。
横の展開からのレジスタンス抜けで、いよいよ「ぐいぐい期」に入ってもおかしくない場面とも見れますよね。
なので、FIBO50%程からも本格的に押し目買い勢力が入ってきてたんですね。
環境認識的にも「レジスタンス抜けからのぐいぐい期が期待できる」ということで、これも「買い材料」の1つですね。
このように、ダブルトップのネックライン割れはたしかに「売り材料」の1なんですが、それ以上の「買い材料」が見つかるのが今回の場面だったわけです。
それぞれの買い材料を根拠にした相場参加者は、それぞれ別の視点だったかもしれませんが、買い注文としてまとまることで、売り注文よりも大きな勢力になり、結果として売り目線からすると「ダマシ」の展開になって、上昇波を形成していったわけですね。
まとめ
今回は、取引時間軸レベルの1つの材料に意識が偏り過ぎると、「ダマシ」にあってしまうという典型的な例でしたね。
まあ、取引時間軸のチャートだけ見ていても、あまり「売りたい」と思うような形ではありませんが、様々な視点からチャート分析をすることで、より「買い」目線でトレードプランを建てた方が良さそうだという判断が出来ていればOKですね。
どのタイミングで買いエントリーをしていくかは、トレーダーのスタイルによるところですが、少なくとも今回の場面で「売り」を選択していなければ、問題ありません。
もちろん、今回の取引時間軸のチャートのような形、つまり「ダブルトップのネックライン割れ」から売っていく方が期待が持てる場面もあるわけですね。
それは、やはり環境次第ということです。
ダブルトップのネックライン割れを機に、色々な視点から見ても「売りポジション」を建てたくなるような環境なのかどうかが重要なんですね。
「環境認識」が重要だといわれる理由です。