FXチャート解説 『EURUSD』2019/10/2頃
2019年10月2日頃の『EURUSD』のFXチャートについての解説です。
M30レベルの下降トレンドがサポートに到達した後に、トレンド転換していく場面ですね。
上の画像で見ると、サポートを一度下抜けており、次のサポートに向かっていくのかと思いきや、ダマシの展開のように見えますが、、、
このサポートはかなり上位の週足レベルのサポートなんですね。
なので、M30レベルで一度下抜けたように見えても、週足レベルの下ヒゲの部分を作っているに過ぎなかったわけです。
この週足レベルのサポートの価格が何度も意識されながら、トレンド転換していったことが分かりますね。
最初に到達した時から「反発上昇」→「下抜け」→「レジサポ転換してレジ(2回)」→「上抜け」→「レジサポ転換してサポ」という流れ。
週足レベルで見ると、ただの下ヒゲ一本ですが、下位レベルで見るとこういった遷移があるわけです。
これはトレンド転換の流れでもありますね。
先程の画像よりも、さらに下位レベルで認識した画像です。
週足のサポートが一度は下抜かれて、レジスタンスとして機能していたところ、その後上抜かれてしまう流れの所で上の画像の水色枠の「逆H&S」がピンク色レベルで形成されています。
この逆H&Sは週足のサポート上に形成されたこともあり、ネックラインを上抜けたところではピンク色レベルのダウ高値を上抜けています。
この材料から、結果的にも大きく上昇反発していく流れだったので、この時点で相場参加者の多くはこの時間軸レベルでは「上目線」に切り替わっていたというわけですね。
ですが、トレンド転換時には直前のトレンドの惰性に囚われている相場参加者が多くの場合存在します。
上の画像の緑色レベルのレジスタンスゾーンからの戻り売りはそんな残存勢力によるものですね。
もちろん、残存勢力であることは後にはっきりすることなので、ここで戻り売りを狙っている相場参加者は前出の「週足サポート上での逆H&S」の材料では、緑色レベルの下降トレンドは崩れないと考えているわけですね。
その後、週足サポートで押し目買いが入って発生した上昇波がレジスタンスゾーンも緑色レベルのダウ高値も上抜いていきます。
ただし、緑色レベルのダウ高値をほんの少しだけ上抜いたところで最後の残存勢力が粘りを見せます。
トレーダーによっては1ポイントでも抜けたら、その高値・安値は抜かれたと判断する人もいれば、少し抜けてもヒゲで反発すればまだ抜けていないと判断する人もいます。
緑色レベルのダウ高値がまだギリギリ守られて下降トレンドが継続していくと考える残存勢力の売りによって、ダウ高値を大きく抜けずに再度下落していきますが、、、
やはりそれまでの買い材料が揃っていますので、この残存勢力に乗っかる相場参加者も多くはなく、むしろ浅い調整の段階から押し目買いが人気の展開になって、上抜けていく流れでした。
まとめ
週足レベルのサポート上ではっきりとした逆H&Sが完成した時点で、このエリアでは「上目線」に切り替えた相場参加者が多かったわけですね。
それは、結果的にもその後大きく上昇していくことで分かるのですが、逆H&Sから上昇トレンドに転換していく流れの中でも、やはり直前の下降トレンド(緑色)の惰性のような力が働くことが多々あります。
その惰性の力のメインになっているのが残存勢力の存在ですね。
もちろん、この残存勢力の力を警戒して、買いポジションを短期で決済する売り注文の力も混じっています。
今回の場面のように、緑色レベルの下降トレンドが明確に終了するまでは粘る相場参加者の存在は基本的には居ると思ってイメージしておくとよいと思います。
車は急に止まれない
世界に慣性の法則が常に成り立つように、FXチャートの世界にも慣性の法則が働きます。
その力がローソク足にどの程度現れるかどうかの違いです。
残存勢力がほとんど力がなくて、一気にトレンド転換していくパターンもありますが、残存勢力が現れて、最後の攻防のような形を作ってくれた方がトレードしやすかったりもします。