FXチャート解説 『EURUSD』2021/11/29頃
2021年11月29日頃の『EURUSD』のFXチャートについての解説です。
H1レベル(緑色レベル)の上昇波がH1レベルのダウ高値の上抜けに成功した場面。
週報にも書いた場面ですね。
ダウ高値(H1)を勢いよく上抜けた上昇波なので、この上昇波を親波とした「押し目買い」を考える相場参加者が現れるのは不思議ではありませんよね。
背景として、この上昇波を生んでいるのは週足レベルのサポートが存在しているので、大きく上昇反発していく展開を考えるのも分かります。
さて、今回注目したいのは、なぜこの価格帯から押し目買い勢力が多く入ってきたのか?です。
もちろん、トレーダーによって考え方は様々なので、いくつかの視点で考察してみます。
①「FIBO50%」
まずは、単純に「FIBO50%」の調整が完了したからという視点。
勢いのある上昇波なので、FIBO50%程の調整から推進波が再開するケースはよくあります。
なので、FIBO50%の調整が済むところまでは下降調整波を引き付けておいて、そこから買っていこうという考え方ですね。
この考え方の人は、フィボナッチリトレースメントを使って引けるラインを水平線と同じように使いますので、「FIBO50%」の水平線に到達したから、とか下ヒゲを作ったからとか、そんな感じでエントリーしていきます。
②「Wボトム」期待
「FIBO50%」到達などの材料で買いエントリーするトレーダーが増えた為に、FIBO50%程の価格帯で4時間足で「下ヒゲ」が完成していますね。
少し下位レベルで見てみます。
この上昇波に対して、戻り売りが入ってきて再度下落してきています。
ですが、この上昇波によって、4時間足でも「下ヒゲ」が出来ていますので、「Wボトム」の展開を期待する相場参加者が現れるわけですね。
いわゆる「二番底」を狙うような買い勢力によって、一度出来ていた「押し安値候補」を水平線として、この水平線を買い支える動きが確認出来ますね。
結果的にも、この二番底のエリアで出来上がった「攻防」を買い勢力側が勝利したのを機に、Wボトムのネックラインも上抜けていき、上昇推進波が再開していく展開でした。
③「前回圧力」が加わった価格帯
さて、①②の視点だけでも今回の展開は十分説明出来ると思いますが、一応もう一つの視点も紹介しておきます。
それが「前回圧力」です。
前回に圧力が加わった価格帯は、背景が変わっていなければ、再度同じように圧力が加わることがある、という考え方ですね。
上の画像は、押し目買いの親波とする上昇波がダウ高値(H1)を上抜けていく様子を下位レベルで見ています。
ダウ高値(H1)を上抜ける際に、やはりダウ高値を守ろうとする売り勢力側が存在していますね。
それに対して、ダウ高値(H1)を上抜かせようとする買い勢力側が買い支えて、攻防になっています。
そして、最終的にダウ高値(H1)の上抜けに成功した上昇波の起点になっているサポートゾーンには、「大口」が存在しているという考え方があります。
「攻防」に決着をつけて勝利させるには、パワーバランスを傾けるだけの大きな買い注文が必要になりますが、攻防を決着させて勢いのある波を生むような勢力の起点には、機関投資家やファンドなどのある程度大きな注文を出せる「大口」が存在していると考えるのはたしかに自然ですね。
そして、背景が変わらずに同じ価格帯に戻ってきた時に、また「大口」が自分達のポジションを守る為に買い支えたり、また大口の買い支えを期待して、他のトレーダーの買い注文が集まる、ということが起きる可能性があります。
なので、攻防を決着させたり、勢いのある波を生んだ起点の価格帯というのは、一つのチャートポイントになり得るんですね。
今回は、そういった「前回圧力」が加わった価格帯と、FIBO50%という水準が重なった為に、買い注文が集まったと考えることが出来ます。
まとめ
今回、いくつか押し目買いの買いエントリーを考えるうえでの視点を紹介しました。
「前回圧力」という考え方は、馴染みのない方には見づらいかと思いますが、実際に過去チャートなどで確認してみてください。
ポイントは、逆側の勢力を打ち負かす程の波の起点となっているような価格帯ですね。
上位の時間軸などで、「コマ足」で攻防が表現されていて、そのコマ足を抜けるように強い波が発生して、逆目線のチャートポイントを抜くような展開の時に、このコマ足の価格帯は、チャートポイントと捉えることが出来ます。
さて、波が反転する時は、それまでの4つの力のパワーバランスが逆転しています。
パワーバランスを逆転するということは、相場参加者全体の意識にそれだけ変化が起きているということであり、その変化を生んでいるのが「チャートポイント」なわけです。
トレーダーはテクニカル分析などを使ってチャートポイントを捉えていくわけですが、チャートポイントの捉え方は、トレーダーによって違います。
ですが、別のテクニカル分析を使っていたとしても、同じような価格帯が導き出せれていれば、同じような価格帯に注文が集まります。
チャートポイントは重なっている程、強くなるという論理ですね。
今回は、押し目買いを考えたトレーダーにとって、買いエントリーしていく価格帯の考え方について、いくつかの視点を紹介しましたが、上記で紹介したような視点それぞれの買い注文が合わさって、結果的に売り勢力の売り注文よりも多く集まった為に、結果的に反転して、上昇推進波が再開するという展開になったわけです。
なるべく信頼出来る材料が集まって、優位な状況でトレードするのが理想ですね。