FXチャート解説 『USDJPY』2017/5/15頃
2019年5月15日頃の『USDJPY』のFXチャートについての解説です。
M15レベルの下降トレンドがサポートに到達した場面です。
サポートに到達したことで、下位レベルでダブルボトムの展開からネックラインを上抜けて「調整」の展開に入りました。
緑色レベルで下降トレンドなので「上昇調整波」の発生ですね。
この時点では、この上昇調整波が戻り売りが期待されるレジスタンスに到達して、本格的に戻り売り勢力が入ってくることで、下降推進波が再開される、そんな展開をイメージするのが素直ですよね。
実際、水平線目線だとどのレジスタンスに注目が集まったのかは分かりづらいですが、やはりある程度調整が進んだところから、戻り売り勢力が入ってきて、強い下降波が発生しています。
この局面は「サポート到達→調整→戻り売り→推進波再開」と分かりやすい局面ですね。
ですが、その下降波が上昇調整波の急所のサポートに到達したところで強く買い支えられました。
サポートで買い支えられるまでは、「下降トレンド継続」のシナリオとしても自然な流れとして受け止められましたが、下位レベルのダウ高値も本格的に戻り売りが入って出来上がった戻り高値候補のレジスタンスゾーンも上抜けてしまいました。
このことによって、上の画像の水色枠の局面は「サポート(上昇調整波)→調整(?)→レジ上抜け→戻り売り失敗」という流れから判断が難しい局面になったと言えます。
この上昇勢力の背景にあるのは、上の画像の一番下のサポートに到達したことによる上昇反発力ですね。
ですが、緑色レベルの下降トレンドにおいては、戻り売り失敗の流れで「再調整」の展開になってしまってはいますが、まだ「ダウ高値」を上抜いたわけではないので、まだ下降トレンド継続のシナリオが残っています。
じっさい、緑色レベルの下降トレンドの急所のレジスタンスゾーンから売り圧力が加わります。
その後、売り勢力と買い勢力の攻防が出来上がり、何度も買い支えがあり買い勢力の砦となったサポートを下抜けることで、売り勢力が勝利します。
この売り勢力の勝利によって、また自然な流れに戻ったと見ることが出来ます。
その後、上昇調整波の急所のサポートで最後の抵抗の買い支えがあったものの、戻り売りが入り、次は本格的に下降推進波が再開してサポートを下抜けてぐいぐい伸びていく展開でした。
局面としては、「下降トレンドが継続するだろうな」→「戻り売り失敗?」→「攻防を売り勢力が制して、やはり下降トレンド継続」という変遷がありました。
真ん中の「戻り売り失敗?」の局面は下降トレンド継続支持派からすると「再調整」の見立てでありますが、わりかし深い所からしっかりとした下降波が発生した戻り売りが失敗に終わったことによって、「上昇勢力も強いぞ、本当に下降トレンドが継続するのか?」と考える支持者も現れており、判断が難しい局面になっています。
なので、緑色レベルの下降トレンドの急所のレジスタンスゾーンから売り圧力が加わった後に下位レベルでは複雑な動きになる「攻防」が出来上がっていたわけですね。
まとめ
今回の場面は、大きな目線で捉えれば、下降トレンドがサポートに到達して、「調整」を経て、サポートを下抜けていったという流れでした。
「下降推進波(推進)→上昇調整波(調整局面)→下降推進波再開(推進)」という流れは大きな目線で捉えれば、素直な展開ですが、この真ん中の「調整局面」をM15レベルで観測すると、局面の変遷がありました。
下降トレンド目線で見ると「素直」→「難しい」→「素直」という局面の変遷がありましたが、真ん中の「難しい」局面というのは、「戻り売り失敗→攻防」という局面ですね。
この攻防はサポートからの上昇勢力が一時的に拮抗するような攻防ができあがる程、思いのほか強かったことによって、出来上がったわけです。
下降トレンドが最終的にサポートを下抜けていくような環境認識を持っていれば、真ん中の「難しい」局面では売り仕掛けるのは難しいですよね。
ですが、逆に「難しい」という局面を売り勢力側が勝利することによって、サポートからの上昇を期待する勢力を叩くことが出来たので、その後の局面では売り仕掛けの期待値が高まっていると考えることが出来ますね。
自分が環境認識によって立てている予測に対して、取引時間軸における「局面」がかみ合っている場面でトレードをするのがトレードが上手くいきやすいはずですよね。
今回の場面では大きく3つの局面の変遷として捉えていますが、もっと細かく局面の変遷を捉えることが出来ますし、捉えるトレーダーはいると思います。
局面の変遷というのは、勢力の攻防によって起きますが、どのように局面を認識してトレードプランに活かすのかはトレーダーの技術だと言えます。