FXチャート解説 『USDJPY』2017/5/15頃
2017年5月5日頃の『USDJPY』のFXチャートについての解説です。
M30レベルの上昇トレンドがレジスタンスに到達した場面です。
上昇トレンドがレジスタンスに到達した場面なので、上の画像の水色枠のような範囲で攻防が起きて、勝利した陣営側に価格が伸びていくのかな?と簡単には予測できそうです。
FXは多数決のゲームですので、多数決に勝利した方に価格が伸びていくわけですが、まさに多数決といえば最近話題の「自民党総裁選」ですよね。
自民党総裁選は立候補が4名いますが、例えば「岸田」氏と「河野」氏の2名しか立候補していない一騎打ちだとすると、やはりFXの価格の動向と同じようなメカニズムが発生しているんですよね。
FXの世界規模とは違い、自民党総裁選は議員票に限れば数百人と小規模かもしれませんが、それでもやはり多数決なのである程度の大衆心理が見てとれます。
自民党総裁選が始まってから、両陣営が票の囲い込み合戦を演じます。
いち早く陣営の支持を表明する議員もいれば、説得に応じてまずまず早い段階で支持を表明する議員もいれば、投票日が迫ってから様子を見て支持を表明する議員などなど、、、
議員が自分の政治理念と候補者の政治理念を鑑みて悩んでいるだけだと本当は信じたいところですが、実際はおそらくそうではなくて、議員も「勝ち馬」に乗りたいわけですよね?
自分の身の振り方一つで今後の自民党内での優遇が決まる重要な判断なので、やはり勝ち馬を見極めたいはずです。
その為に、他の議員の動向や、どちらの陣営が優勢なのか?といった情報を入手したりして、票を投じる陣営を決めるタイミングを伺っている議員が多くいるわけですね。
多数決のゲームなので、どちらの陣営が優勢かはっきりしてから支持を表明した方が「勝つ」ということだけ考えたら賢そうですよね?
なのに、どちらの陣営が優勢かはっきりする前から支持を表明する議員もいます。
なぜか?
1つは、早々にこの多数決の勝敗を見極めているというのがあると思います。(実際にそうなるかは置いておいて)
もう1つは、早い段階で支持を表明することで、候補者に対する恩をアピール出来るわけですね。
つまり、実際に総裁選が終わって支持した候補者が勝利した場合、その後の優遇がより期待出来るというわけです。
総裁選の優勢が明らかになってから陣営に加わった議員よりも、負けるかもしれない時から応援してくれていた議員の方を厚く待遇するのはありそうな話ですよね。
つまり、支持を早く表明するということは、負け馬を選んでしまうリスクもあるが、「見返りが大きい」ということ。
それでも、支持をしてくれるのが遅かったとはいえ、他陣営について敵対していた議員よりかは、最終的に支持してくれた議員の方が少なくとも優遇はされそうです。
なので、「勝ち馬」に乗るということが何よりも重要だとは言えます。
実際の政治の世界は、もっと複雑だと思いますが、多少なりとも上記のようなメカニズムも存在していると思います。
そんな視点で今回の場面を見てみます。
まずは「買い勢力」目線ですね。
①のポイントあたりで買いポジションを建てている人は早目に仕掛けている部類ですよね。
根拠としては「緑色レベルの上昇トレンド」だけですね。
②のポイントあたりで買いポジションを建てた人は、少し様子を見てから買い勢力陣営が優勢なのでは?と判断して仕掛けた人達です。
①に加えて、「下降調整波のダウ高値のレジスタンスの上抜け」という買いの材料が増えています。
③のタイミングでは、さらに「Wトップ」の絵も否定されたような買いの材料も追加されたタイミングですが、このエリアの中ではかなり遅い部類の仕掛けですよね。
この攻防は「買い勢力」側が勝利して、この後価格が上昇していきます。
なので、③のタイミングでも仕掛けは遅く①②に比べて利益は小さいかもしれませんが、利益は出るような仕掛けにはなっています。
自民党総裁選でいうと、①は最初から岸田?河野?陣営の支持を表明していたような議員、②は途中で陣営が優勢なのでは?という情報を掴んでから支持を表明した議員、③は投票間近になって、大勢が明らかになってから支持を表明した議員、という感じですかね。
やはり、それぞれの議員の思惑がある通り、それが「スタイルの違い」になっているわけですね。
総裁選の議員の中にもそれぞれスタイルの違いがあるように、FXでもやはりトレーダーごとのスタイルの違いがあるので、ポジションを建てるタイミングが違ってくるわけですね。
「売り勢力」目線でも見てみます。
①のポイントでは、「レジスタンス(H4)からの売り圧力」の材料のみ。
②のポイントでは、レジスタンスから実際に売り圧力が加わり、「下降波が発生」という売りの材料が加わってます。
ですが、③のポイントでは上記の材料に加えて、「レジスタンスを上抜けてしまった」とう売り勢力側にとっては負の材料が発生していますね。
なので、③のポイント付近で売っていく人達は、売り勢力の一番の根拠である「レジスタンス(H4)からの売り圧力」を強く信じているということですね。
なので、レジスタンスを上抜けてきても、「Wトップ」の展開などを期待して売りポジションを建てているわけですね。
自民党総裁選でいえば、他の議員の動向から不利な情報が伝わってきているが、候補者の力を信じて、それでも支持を表明した議員のようですね。
不利な情報が伝わってきてからの支持の表明なので、候補者からしてもうれしいですよね。
なので、やはり逆転勝利をおさめることが出来ていたら、党内で優遇されていたかもしれません。
つまり、「見返り」が大きいタイミングではあるんですね。
ですが、やはりFXでも選挙でも「不利」な態勢になってしまうと、逆境を跳ね返すのはなかなかに大変です。
今回紹介した場面では、途中で発生したレジスタンス上抜けという「買い」の材料が発生してから、そのまま買い勢力側が押し切っていったような展開でした。
この場面は、総評すれば詰まるところ、「M30レベルの上昇トレンドを崩す程の力がレジスタンス(H4)には無かった」ということですね。
なので、上昇トレンド(M30)側が勝ち馬だったわけですね。
勝ち馬側である「買いポジション(勝利候補者)」を建てた(支持した)トレーダー(議員)が利益(党内での出世)を手にしたわけですね。
そして、仕掛け(支持の表明)が早かったトレーダー(議員)程、大きな利益(出世)を手にする傾向にあると思われます。
まとめ
FXの一場面を自民党総裁選に例えてみました。
どちらの陣営につけばおいしいのか?
もう少し確かな情報を確認してから立場をはっきりさせたいなぁ
でも、早くから支持を表明すれば大きな恩(利益)を売れるのでは?
多数決のゲームである以上、FXでも選挙でも似たような心理戦が繰り広げられていると思います。
ですが、どちらにも言えることですが、一番重要なのは「勝ち馬」に乗ることです。
党内の出世も、より良い優遇を受けられるかどうかも重要ですが、まずは勝ち馬に乗らないといけません。
支持の表明が遅かったとしても、敵対するよりかは印象が良いはずですよね。
どのくらい他の議員の動向を伺ってから、支持を表明するかというのは、議員のスタイルの違いです。
これは、やはりFXのトレードの世界にも存在します。
なるべく勝ち馬が定まった状況で、かつ支持の表明も遅すぎないタイミングが好ましいですが、そのタイミングをピンポイントでつかむのは、選挙でもFXでも難しいことですね。
実際の自民党総裁選でも、似たような展開がありました。
早くから支持候補を明らかにする議員もいれば、周りの動向を伺ってか、なかなか支持を表明しない議員もいましたね。
上記のようなずる賢い腹の探り合いではなくて、自分の政治理念に一番沿った候補者が誰なのかを悩んでいるのであれば良いのですが、、、実際には上記のような「勝ち馬」に乗りたいという考えを持って候補者を選んでいる議員は居ると思います。
政治家ですから、思っていても口にはしないと思いますが、FXでは「利益を上げることがすべて」ですので、みなそのような心理で考えます。
他の相場参加者との心理戦だということに改めて目を向けてみると、チャート分析ですることが頭の中でも整理出来るのでは?