FXチャート解説 『AUDUSD』2019/6/3頃
2019年6月3日頃の『AUDUSD』のFXチャートについての解説です。
M30レベルの横のレンジの展開の後、レンジを上にブレイクして上昇トレンドが発生している場面ですね。
何度も売り圧力が加わっているレジスタンスを上抜けることで、しっかりとした上昇トレンドが発生していますね。
このレジスタンスにアタックしている時も上昇波が何度も発生していますが、それと同じくらい下降波も発生しているので、横のレンジになっていたわけですが、これは「買い勢力」と同じくらい「売り勢力」が存在していたということです。
なので、上昇波に対して押してくる下降波も強いので、上昇波に対して押し目買いのイメージでトレードをしようとしても、なかなか難しかったりします。
何度も売り圧力が加わっているレジスタンスなので、ここを上抜けるまではまたこのレジスタンスからの下落をイメージする相場参加者がやはり存在するわけですね。
上昇波と同じくらいの下降波が発生するようなエリアではなかなか押し目買いのイメージでのトレードは上手くいきません。
その後、このレンジの攻防を買い勢力側が制して、レジスタンスを上抜けていきます。
このレンジの中での売り勢力は、このレジスタンスからの売り圧力の存在が売る為の大きな根拠だったわけですので、その根拠を失ってしまっては売りポジションを閉じたり、また新規で売りポジションを建てる人も減ってしまいます。
つまり、売る為の材料が減ればそれだけ売り勢力は弱くなりますので、上昇波に対して押してくる下降波も弱くなります。
そのようなエリアでは「押し目買い」のイメージを持ってトレードをすれば成功しやすいわけですね。
上の画像のピンク色枠のような場面で、押し目買いのイメージを持って買いエントリーをしていれば、トレードは成功しやすかったわけです。
エントリーするタイミングなどはトレーダーによって違うかと思いますが、下降波よりも上昇波の方が大きく伸びやすい場面なので、押し目買いに限らず「買い」を狙ったトレードプランは成功しやすいはずですね。
ですが、その後右側の水色枠エリアではまた強い下降波が発生しています。
それまでの上昇トレンドがしっかり発生していますので、いきなり買い勢力が居なくなるわけではありませんので、上昇波も発生していますが、下降波が強くなっており、緑色レベルにおいて下降トレンドに転換してしまっています。
下降波が強くなったということは、売り勢力が強くなったということであり、「強気で売る理由」があるはずですよね。
この時間軸レベルでは分からないことの答えは大抵、上位の時間軸レベルにあります。
上位時間軸である4時間足のチャートは上の画像の通りです。
4時間足レベルでは、下降波の急所のレジスタンスゾーンに到達している場面だったんですね。
4時間足レベルのレジスタンスゾーンから売り圧力が加わるだろうと考える相場参加者達が居るので、下降波が強くなったわけですね。
再び、M30レベルのチャートですが、上位のレジスタンスゾーンも加えて、ゾーン分けしてみると、上の画像のような感じになります。
「レジスタンスを上抜けられるかどうか?」という場面や、「レジスタンスゾーンに到達して下落反転するかも?」という場面では、両方とも強いレジスタンスを背に売っていけるのでは?と考える相場参加者が増えるので、下降波が強くなります。
なので、それまでの上昇トレンドとの攻防になり、決着が付くような材料が発生するまでは、両陣営ともに「買う材料」「売る材料」が存在しており、はっきりどちらかにパワーバランスが偏っているわけではないので、トレードをしづらいエリアだと言えます。
また、上の画像でピンク色で囲った「レジスタンスを上抜けて、次のレジスタンスまで伸びていっている場面」というのは、先の攻防で売り勢力は負けてしまって、また新たな売る材料が発生するまで、売り勢力というのは弱くなってしまっているエリアです。
そして、レンジの攻防を制したことで、買う材料が発生していますので、新たなリスク、つまり次のレジスタンスに到達するまでは強気で買ったり、ホールドしようと考える相場参加者が増えますので、買い勢力側は強くなっています。
なので、このピンク色のエリアは「買うトレード」が成功しやすい、トレードをしやすいエリアと言えますね。
上位の時間軸のチャートも分析して「環境認識」が出来ていれば、今回のような場面ではどこでトレードをすると成功しやすかったのかというのが分かるかと思います。
まとめ
取引時間軸だけを見るのではなく、上位の時間軸のチャートも確認することで、「トレードがしやすいエリア」なのか「トレードがしづらいエリア」なのかを認識しておくことが重要だったりします。
当たり前ですが、なるべくトレードがしやすいエリアでトレードする方が期待値の高いトレードにつながることは明白ですよね。
トレード手法というのは、世の中にたくさん存在しています。
例えば、「買う」トレードと言っても、様々な手法が考えられます。
サポートでの押し目買い、レジスタンス上抜けブレイク、下降トレンドライン上抜け、上昇MAに対してグランビルで買っていく、、、
他にもたくさんあると思いますが、上で紹介した「トレードがしやすいエリア」で「買う」トレードを狙っていれば、おそらくどのようなトレード手法を使っても、良い結果を得られていると思います。
どのようなタイミングでエントリーして、どのようなタイミングで決済するのかは、トレーダーごとのスタイルの違いのようなものであって、重要なのはどのエリアでどちらの方向にトレードをするかという判断だったりします。
つまり、「環境認識」が重要だということですね。
トレード成績が安定しない時は、取引時間軸での考え方もそうですが、環境認識の方に目を向けてみると成績向上の余地が残っているかもしれません。